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【関西の議論】イグサを「臭い」と言う女子中学生、日本の「畳文化」は消滅してしまうのか…業界危機感、畳「復権」へ「畳ビズ」「東京五輪作戦」
千数百年の歴史を持つ日本の「畳文化」が危機に直面している。イグサで作る畳の表面部分「畳表(たたみおもて)」の国内需要量はここ20年で3分の1に減り、住宅から急速に「和室」が姿を消している。背景には若い世代の畳離れやフローリング主体のマンションが増えるなど住環境の変化がある。そこで、業界では「畳ビズ」(環境対策などを目的に畳の普及を図るキャンペーン)商品を開発して畳のリラックス効果などをPR。伝統文化を見直す行事として「畳供養」も始めた。2020年東京五輪で外国人らを畳で「おもてなし」する構想も浮上、「畳」の復権へ一丸となって力を入れている。(岩口利一)
畳表の生産激減
「年をとったり、亡くなったりして廃業しました。後継者はいませんし…」。京都市南区で畳店を営む中野政夫さん(73)は畳表を手入れする作業を続けながら嘆く。
周辺にあった畳店は相次いで閉じ、50年以上続けている3代目の中野さん自身も後継者がいない。さらにショックなことがあった。マンションで畳を運んでいたとき、その場にいた女子中学生がイグサの香りに「臭い」と言ったのだ。時代の変化を感じたという。
熊本県い業生産販売振興協会の調査によると、国内の畳表需要量は平成5年は4500万枚だったが、24年には1490万枚にまで減少した。
一方、主産県(福岡、熊本県)の畳表生産量(農林水産省統計)は16年産で780万枚だったが、19年産で500万枚を切り、25年産は9年前の半分以下となる343万枚だった。畳表は12年に輸入量が国内生産量を上回るようになり、現在は中国などに約8割を頼っているのだが、それも10年ほど前からは減少傾向で、日本人の“畳離れ”が顕著という。
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