日本国憲法:改憲や9条も軟らか内容…新刊本の出版倍増

毎日新聞 2014年05月17日 11時10分(最終更新 05月17日 11時17分)

 2013年の1年間に国内の出版社が刊行した「日本国憲法」に関する新刊書籍が、前年の70点から倍増して156点となった。特定秘密保護法や集団的自衛権の行使容認を巡る論議で憲法への関心が高まり、書店の店頭にも特設コーナーが設けられている。

 出版科学研究所(東京都新宿区)によると、08年以降、「憲法関連」に分類される書籍の新刊発行は毎年70〜90点で推移していたが、13年に急増した。一般向けの軟らかい内容の本が増えたことが特徴だ。代表的なものとして、憲法の条文を話し言葉にした「日本国憲法を口語訳してみたら」(幻冬舎)や、漫画家・赤塚不二夫さんのキャラクター「バカボンのパパ」が登場する「『日本国憲法』なのだ!」(草土文化)がある。

 同研究所は「安倍晋三首相が96条(憲法改正の発議要件)の改正など改憲を訴えた影響が大きい」と分析。今年も3月末までに36点が刊行され「憲法ブームは続いている」という。

 東京都千代田区の三省堂書店神保町本店は4月中旬から、憲法に関する約20点を集めた特設コーナーを設けている。改憲と護憲双方の論理を併記する「不毛な憲法論議」(朝日新書)のような本の売れ行きがいいという。【小山由宇、安高晋】

最新写真特集