2014.5.17 05:04(2/4ページ)

【ヒューマン】木梨憲武、コントも野猿も矢島美容室も「アート」

8回目の個展を開催する木梨憲武。「(初日の)20日には燃え尽きていると思う」と開催に向けて情熱を燃やしている=東京・麻布十番

8回目の個展を開催する木梨憲武。「(初日の)20日には燃え尽きていると思う」と開催に向けて情熱を燃やしている=東京・麻布十番【拡大】

 インタビューは都内にある木梨のアトリエで行われた。ビルのワンフロアを使った室内には数々の絵画やオブジェが絶妙なバランスで配置され、創作活動のエネルギーがみなぎる。黒いハットにTシャツ姿の木梨は気さくな雰囲気で、記者を温かく迎えてくれた。

 今回で8回目の個展となる「木梨憲武展×20years」では、木梨が本格的に絵を描き始めてから約20年間の作品約300点の絵画や彫刻を展示。今回のために制作した作品も多数ある。「20年間続けた趣味の作品が、上野の森という大きな美術館に並ぶことが決まった瞬間から、あれやろう、これやろうとスイッチが入りました」と、創作意欲全開で制作をスタートさせた。

 4月下旬の取材時は、今回のために3メートルに及ぶ巨大な丸太を使った彫刻の制作真っ最中だった。鳥をモチーフにしており、取材の前日に初めてチェーンソーを握ったという。「作業を終えたあとも、手にブルブルとした震動が止まらないんですよ」と、大作と格闘中の充実感に満ちあふれていた。

 絵を本格的に描き始めたのは、1994年に日本テレビ系バラエティー番組「とんねるずの生でダラダラいかせて!!」の企画で、アートの巨匠“憲太郎画伯”としてパリで風景画を描き始めたのがきっかけだ。

 「巨匠役で絵を描き始めたのが良かったのかも。だからプレッシャーを感じたことは一度もない」と遊び心は忘れない。「子供のころから絵を描くことは好きだったけど、サッカー一筋だったし、美術大学に行ったわけでもない。広く浅い趣味のひとつとして、勘違いをしながらここまで来ただけ」とサラリと言う。

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