長谷部(右)と、実戦復帰前の内田(左)、吉田(中)には明らかなコンディションの違いが見られた=東京都内のグラウンドで
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ワールドカップ(W杯)ブラジル大会のメンバーに選出された長谷部誠(30)=ニュルンベルク、吉田麻也(25)=サウサンプトン、内田篤人(26)=シャルケ、香川真司(25)=マンチェスター・ユナイテッド=の海外組4選手が16日、東京都内のグラウンドで自主トレを開始した。初日はランニング中心のメニューをこなしたが、故障明けの3選手の明暗がクッキリ。実戦復帰を果たした長谷部は、復調を思わせる軽快な動きを見せたが、吉田、内田の2選手は調整遅れが目立った。日本代表を支えてきた主力2選手の今後が、気になる自主トレ初日となった。
自主トレ初日はインターバル走など、走り中心のメニューを約90分間、こなした。1月に右膝半月板を損傷し、2月に2度目の手術を受けた長谷部は、今月10日のシャルケ戦でフル出場するまでに回復した。「この前、90分やっているし、体力的な部分は戻ってきている」と長谷部。初日は精力的に動き、他の選手を動きで引っ張り、故障明けをまったく感じさせないものだった。
一方、吉田、内田の動きは対照的だった。3月25日にチームの練習で左膝靱帯(じんたい)を損傷した吉田は、ジョギングからダッシュに移行する場面で、走りのスピードが上がらずに、患部を気にするような走りも見られた。
2月9日のハノーバー戦で、右太もも肉離れを発症。その後、太もものけん損傷も判明した内田は、もも上げのメニューで十分に脚が上がらず、ダッシュへ移行する場面では、見学に訪れた代表スタッフから、スピードアップを求められるシーンも。2人は調整遅れの印象が強く残り、冗舌だった長谷部とは対照的に、ともに報道陣の取材には対応しなかった。
W杯初戦のコートジボワール戦まで、あと1カ月。実戦は27日のキプロス戦(埼玉)を含め、3試合しかない。「試合勘はすぐにつくものではない。実戦でやってゆくしかない」と長谷部が話した通り、体調に加え、試合勘を戻す作業も残る。ザックジャパンを支えてきた故障明け2選手の今後には、少なからず、不安が残った。 (相原俊之)
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