Xiaomi (小米科技)が中国で開催したプレスイベントより。Xiaomi は6万円台の49インチ4KスマートテレビMi TV 2と同時に、同社初のタブレット Mi Pad (小米平板)も発表しています。

Mi Pad はアップルの iPad mini Retinaディスプレイモデルと同じ7.9インチ2048 x 1536液晶画面を備え、NVIDIA の最新モバイルプロセッサ Tegra K1 をタブレットとして世界で初めて採用した製品。

iPad mini Retinaを強烈に意識しつつ、3Dベンチマークのスコアは2倍以上、ディスプレイの色再現性もカメラ性能も一回り以上高く、価格は16GBで1499元(約2万4500円)、64GB版でも1699元(約2万75000円)と安価なことが売りです。






Tegra K1 は、NVIDIAが今年1月のCES 2014で発表した最新のモバイルプロセッサ。CPUコアは ARM Cortex-A15クアッドコア最大2.3GHzと省電力コアの4+1構成、GPUコアはTegraシリーズで初めてPC向けと共通になったKeplerアーキテクチャのCUDAコアを192搭載します。タブレットとしてTegra K1の搭載するのは Mi Pad が初めて。





Xiaomiのプレゼンは、AndroidタブレットとiPadでは iPadのほうが圧倒的に利用されていると(アップルの発表を引用して)示し、Androidタブレット最大の問題は使いにくいことであり、使いやすいタブレットには1. 快適さを支える強力なハードウェア構成、2. スムーズなソフトウェア体験、3. 豊富なアプリやゲームコンテンツが必要であるとして、Mi Pad が各点をいかにクリアしたか解説する内容でした。



Tegra K1 の能力を示す iPad mini Retina 対 Mi Pad の GFXBench 3.0ベンチマーク結果。OpenGL ES 3.0でもES 2.0でも、iPad mini が13fpsならばMi Padは30fps、26.2fpsならばMi Pad は60fpsと、アプリやゲームの快適さをアピール。








ディスプレイはサイズもピクセル数も、輝度もコントラストも iPad mini Retina と同じですが、色再現性は iPad mini がNTSC比53%に対して Mi Pad は70%。



カメラは前面カメラが500MP、明るいF2.0レンズ。背面カメラも800万画素とF2.0。

(前面カメラはビデオ通話に使うくらいなのだから画素数は抑えていいだろう、という判断の製品はいまだに多くありますが、最近はSNSの浸透などで改めて Selfy (自撮り)が世界的に注目されるようになってきました。

なぜか中国市場では自撮り性能への要求が非常に高く、前面も背面も13MPの端末や背面カメラが物理的に手前を向く端末、標準カメラアプリで最初から美顔エフェクトが入っている製品がキワモノではなくメインストリームで販売されています。)



バッテリーは音楽86時間、動画17時間、ウェブ11時間と iPad mini 以上。



仮想的との比較表。WiFi が802.11ac対応の2x2 MIMOアンテナなど。




(アプリケーションやゲームコンテンツについても、当初からフルサポートが豊富、年内に10倍増をアピール)

ソフトウェアは、Xiaomi が自社開発したAndroidベースの MIUI タブレット版を搭載します。

MIUI は Mi 3 や Mi TV 2 など小米の自社製品にプリインストールされるほか、いわゆるカスタムROMと呼ばれる Androidの置き換え環境としても普及しています。特徴は iOS にかなり近い UI を採用すること。Androidの特徴であるホーム画面とアプリドロワーの区別がなく、少なくとも4.0以前のAndroidよりはシンプルで分かりやすいことが売り。




筐体は明るい色のポリカーボネート製。小米もみずから認めるように、「iPhone 5c の iPad mini版」そのもののスタイルです。厚さは iPad mini より1mm厚い8.5mm。

追いつけ追い越せを徹底するあまりにアップル製品のキメラのようになっているともいえますが、小米は iPhone 5c以前から硬く光沢のあるポリカーボネート製ボディをスマートフォンで採用しており、iPhone 5c 発表時には「小米フォンみたい」との声も少なからずありました。

重量は iPad mini Retina WiFi版の331gよりやや重い360g。iPad mini とは異なり、今のところ3G / 4G版はアナウンスされていません。

Mi Pad は中国で6月からベータテストプログラムが開始予定。正確な発売時期は発表されていません。仮想的である iPad mini に今年のモデルが出てしまう前に出荷できればと願わずにはいられません。