日本株急落で残念な人


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昨日の日経平均株価は急落して489円(▲3.08%)安の1万5422円で取引を終えた。日経平均株価は、昨年6月の1万2415円から半年かけて1万6320円まで上昇した。市場の強気も目立つようになり、この相場に置いて行かれまいと慌てて買い始める個人投資家も増えていた。しかし、こうした慌て買いはいつも危ない。

急落の原因となったのは、先週発表された12月の米雇用統計だ。寒波の影響で雇用が伸びずに予想を大きく下回ったのだ。しかし、問題はそれだけでなく、米国の失業率は数値上改善しているように見えるが、実際は就職することを諦めてしまい、統計からはずれた潜在的な失業者がいることも原因だ。また、そうした中で、FRBが金融政策を正常化に戻そうとすることは非常に困難だとの見方もある。

いずれにせよ、将来の不透明感から株価は急落した。そして急落とは突然くるのだ。株価は急落する前に「もうすぐ急落しますよ」なんて教えてくれない。新聞やネットの有料情報でも教えてもらえない。でも、毎日誰かが株価が上がるとか下がるとか予想していれば、誰かは確率的に当たるだろう。

これから株式投資を始めようとする人は、株を安い時に買って高い時に売れば儲かるものと思っているかもしれないけれど、それをやるだけでお金持ちになれるなら、誰もが簡単にお金持ちになれてしまう。

株式投資とはそんな風に株を買ったり売ったりするものではなく、農業経営に似ている。農業は畑を耕して収穫した作物を売り、お金に換えて、そのお金を肥料や種に使い、余ったお金は貯めておき、貯めたお金で畑を拡張して、よりたくさんの作物を育てる。

これと同じように会社も少しずつ拡大し大きくなっていくのだ。そして大きくなることで株価も少しずつ上がっていく。

最近の株高に慌てて株を買った人は、売るときも慌てて売って、結果的に損をしてしまう。そんな残念な人にならないように気をつけたい。

(3711)創通 2014年8月期 第1四半期決算


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アニメ番組の企画・制作と版権の二本柱で、ガンダムを主な収益基盤としている創通が、2014年8月期、第1四半期決算を発表した。

売上高52億円(前年比3.1%増)、経常利益9億円(同7.8%増)、純利益5億円(同12%増)と増収増益だった。ぼくのガンダムの思い出と言えば、小学生のころにガンダムカードを集めたことがあったくらいで、特にアニメに興味を持つこともなかったしプラモデルも好きじゃなかったので、ガンダムに関する知識はほとんどない。

株式投資をはじめるとき、まず「自分の身近なものから調べる」という考え方があるけれど、ぼくにはガンダムが身近な存在ではなかったので全く調べなかった。数年前に銘柄選択でスクリーニングにかけたときも、創通のROEが7.7%だった(ROE8%以上で調べていた)ので、投資対象から真っ先に外れた銘柄だ。だから先日発表された創通の第1四半期決算を見るまで、創通についへほとんど何も知らなかったのだ。つまり、ぼくが何を言いたいかって言うと、創通のキャッシュフローがすごくいい!

(図一)キャッシュフロー(単位百万円)
創通3

過去五年で投資にかかった支出はわずか2億円。稼いだキャッシュは合計78億円。なので、現金及び現金同等物も09年82億円から13年139億円と57億円も増えた。時価総額は248億円なので創通を買うと、半分以上は現金で、残りの100億円分の価値がガンダムとなる。税引き後の純利益は20億円と予想されているので、わずか5年で回収できる計算だ。

また、財務CFのほとんどは自社株買いと配当金による支出で、しっかり投資家に還元されている。有利子負債ももちろん0円なので、倒産確率は限りなく0に近い。

(図二)連結損益(単位百万円)
創通1

売上高営業利益率は15~16%。前期のROEは13.31%、前々期は11.43%。利益率もROEも高く優秀。

(図三)BPS、EPS
創通2

11年に1:2の株式分割を行っているため、09、10年のBPSとEPSは半値で計算する。つまり、EPSは三倍の成長を遂げた。

創通、ぼくの分散候補に入れておこう。

(7630)壱番屋 2014年5月期 第2四半期決算


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一年前の2013年1月、世界で最も大きいカレーレストランのチェーン店としてギネス世界記録を取得した壱番屋が、2014年5月期第2四半期決算を発表した。

売上高205億円(4.5%増)、経常利益19億円(▲4.4%減)、純利益9億92百万円(▲0.8%減)と増収増益だった。主な増収の要因は既存店売上高が前年比2.3%増と好調だったため。しかし、コメなどの一部食材の仕入れ価格が値上がりしたことが利益を圧迫し減益に沈んだ。

(図一)連結損益(百万円)
壱番屋1

売上高は上昇基調だが、利益面はコメなどの一部食材の仕入れ価格の値上りが響き前期は減益となった。営業利益率は10%程度と高い。これは牛丼チェーン店が、すき家、吉野家、松屋の三社が価格競争しているのに対して、カレーチェーン店には壱番屋のライバルになる会社が存在しないため価格競争にならないのだ。また、どうして壱番屋以外に大きなカレーチェーン店がないかは以前コチラに書いたのでリンクを参照してほしい。

(図二)(BPS、EPS)
壱番屋2

BPSの成長率は年率平均6.5%。EPSの成長率は年率平均7.5%と優秀。ROEは9.32%、有利子負債は0円で、倒産確率は限りなく0に近い。

(図三)キャッシュフロー(単位百万円)
壱番屋3

壱番屋には強力なライバルがいないため、毎年30億円ものキャッシュを稼いでいる。また、稼ぐために必要な投資も毎年10億円程度で安定していて、壱番屋のキャッシュフロー計算書は理想的。

毎年安定したキャッシュにより、現金及び現金同等物は09年の57億円から13年96億円とおよそ1.7倍になっている。こうしたキャッシュは配当金として回されるか、自社株買いに回されるのだけれど、壱番屋の場合、配当金に回されていて、配当性向は44%と高い水準。ただ、安定したキャッシュを稼ぎ、さらに配当性向の高い企業は、株価が下がりにくい傾向にある。故に割安で買うということが非常に難しい銘柄でもあるのだ。




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いまから7年ほど前に僕は、投資についてはじめて真剣に考えた。そして、「株式投資で成功するなんて簡単だ」と気がついた。

1989年、日経平均株価が3万8915円をピークに下がり始め、2008年11月には一時6994円まで大きく値を下げた。この20年間、日本株の長期投資で成功した人はほとんどいない。2011年の日本経済新聞には「日本株でバイアンドホールド戦略の時代は終わった」との記事。

当時、僕はそもそもどうして株価が上がったり下がったりするのかすらわからなかったので、投資や経済、金融に関する本を200冊以上読んだ。そしたら株はすごく簡単で、成功するために必要な投資戦略は一文で表せることに気がついた。それは「安定した収益が見込める日本株を割安で買い、長期で保有する」だけでいいのだ。僕の結論は当時のコンセンサスとは真逆、非常識だった。

同時に僕は、日本株の長期低迷の原因が不合理で割高なPERであったことを知り、そして当時(2011年)がおよそ40年ぶりの日本株買いチャンスだということがわかった。

僕が投資先を選ぶうえで一番大切にしているのは財務三表のひとつキャッシュフロー計算書だ。売上高や利益が記載されている損益計算書が「会社の意見」と言われているのに対して、キャッシュフロー計算書は「事実」と言われている。つまり損益は誤魔化しやすく、キャッシュは誤魔化しにくいのだ。

僕は上場企業3600社を、営業利益率やROEなどの簡単な指標を使ってスクリーニングした後、残った150社分のキャッシュフロー計算書を総て読んだ。そして僕はわずか一銘柄に2000万円集中投資した。

僕が150社分のキャッシュフロー計算書を閲覧した方法は、各企業のIRから有価証券報告書を見てなんて面倒なことはしない。実はGMOクリック証券
を使えば150社分のキャッシュフロー計算書なんてサクッと読めてしまうのだ。僕は誰よりもたくさんのキャッシュフロー計算書を読んできた。そして今でも気になった銘柄のキャッシュフロー計算書は必ずチェックする。

ピーターリンチの言葉を借りれば、誰よりも多くの石ころをひっくり返した者だけが、宝石を見つけることができるとのこと。石ころをひっくり返すのも、たくさんのキャッシュフロー計算書を読むのもやったもん勝ち。

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