(3593)ホギメディカル 2014年3月期 第3四半期決算


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医療用不織布シェアトップのホギメディカルが2014年3月期第3四半期決算を発表した。

売上高264億円(前年比4.8%増)、経常利益72億円(同8.8%増)、純利益45億円(10.9%増)と増収増益となった。増収増益の主な要因は、生産量の増加および生産体制の改善により原価率が改善したため。

ホギメディカルは手術室で使われる全ての医療材料をセット化して販売したり、「オペラマイスター」といって、製品、物流、情報管理システムからなるシステムを販売して、病院経営の効率化に貢献したり、病内感染防止のための手術用のガウンやキャップなどの医療用不織布を販売している。

(図一)連結損益(単位百万円)
ホギメディカル1

売上高等全て横這いだが、営業利益率は25%と非常に高い。これは事業の参入障壁が高いことの表れだ。ROEは7.85%と決して良いとは言えないが、自己資本比率は88.9%で有利子負債は0円なので、ホギメディカルが倒産するということはまずあり得ない。業績が伸びることは望めないが、景気が良くても悪くても安定した収益は見込める。

(図二)BPSとEPS
2

「オペラマイスター」を中心としてキット全体の販売が増加しており、EPSは年率平均9%で成長している。BPSも着実に増加している。

(図三)キャッシュフロー(単位百万円)
3

本業の儲けを表す営業CFは毎期60億円程度の黒字。投資にかかる費用も20~30億円程度なので、少ない投資でたくさんお金を稼ぐ優良企業。景気に左右されないので不況のときに仕込みたい銘柄。

(図四)現金及び現金同等物(単位百万円)
4

毎年安定したフリーCFは着実に現金及び現金同等物を増やし、1.8倍にも増加した。配当性向は30%と妥当な水準だが、ホギメディカルのような安定した収益が見込める企業はもう少し手厚い配当性向でもいいと思うし、積極的な自社株買いがあってもいいと思う。


(3091)ブロンコビリー 2013年12月期決算


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名古屋地盤の郊外型高価格ステーキレストラン、ブロンコビリーが2013年12月期決算を発表した。

売上高112億円(前年比13.1%増)、経常利益15億円(同8%増)、純利益8億円(同1.2%増)と増収増益となり、過去最高の業績となった。これは主に既存店売上高が前年比5%増と好調に推移したことが要因だ。

ブロンコビリーは昨年夏ごろ、足立梅島店(東京都)で勤務するアルバイト従業員が、店舗内で不適切な行為を行った画像をツイッターで公開したために、退店せざるを得なくなった経緯がある。それにも関わらず、業績は過去最高と、勢いは止まらない。

(図一)単独損益(単位、百万円)
ブロンコビリー1

売上高等、総て上昇基調。昨年から始まったアベノミクスにより、ステーキなどの高価格商品の需要は増加し、その恩恵も享受できた。営業利益率は14%と優秀。ROEも13~14%と高く、自己資本比率は82.1%で実質無借金経営。

(図二)
ブロンコビリー2

2013年は1:2の株式分割しているため。5年でBPSは1.66倍、EPSは1.5倍に増えた。

(図三)現金および現金同等物(単位、百万円)
ブロンコビリー4

本業で稼いだお金は、既存店の改装費用や新規出店費用として出ていくが、それ以上にお金を稼いでいるので現金及び現金同等物はわずか5年で3.6倍にも増加した。

(図四)キャッシュフロー(単位、百万円)
ブロンコビリー3

本業の儲けは着実に増加している。それに伴い投資CFも増加傾向にあるが、毎期、営業CF内でコントロールされているため問題ない。

高価格商品のステーキを取り扱うブロンコビリーは景気に左右されるように思われるが、リーマンショック以降も既存店売上高が順調に推移するなど、特に影響はなかった。こうした過去の実績は将来を保障するものではないけれど、ブロンコビリーのキャッシュフローは極めて優秀。今後も新規出店による増収増益が期待できそうだ。

(3093)トレジャーファクトリー 2014年2月期 第3四半期決算


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関東を中心にリサイクルショップを展開するトレジャーファクトリーが2014年2月期第3四半期決算を発表した。

売上高66億78百万円(前年比13.6%増)、経常利益5億59百万円(同9.5%増)、純利益3億14百万円(同9.4%増)と増収増益となった。主な要因は既存店売上高が前年同期比3%増と好調に推移したことや、新規出店が増収に貢献した。

(図一)単独損益(百万円)
トレファク1

既存店売上高も順調に推移していることから、店舗の拡大で増収増益が見込める。ROEは19.61%と高いが、営業利益率は7.8%と決して高くはない。これは商品に付加価値がつけにくい中古品を取り扱っているためだ。ぼくはトレジャーファクトリーのような、損益計算書は良く見えるけれど実際はそれほど儲かっていない事業への投資はしないようにしている。

(図二)純資産
トレファク2

店舗の拡大で純資産は順調に増加。わずか4年で2.4倍にもなった。

(図三)キャッシュフロー(単位百万円)
トレファク3

損益を見てもわからないけれど、キャッシュフローを見るとトレジャーファクトリーの事業はあまり儲かっていないことがわかる。本業の儲けを表す営業CFは不安定で、本業の儲けよりも投資にかかる費用の方が多いのだ。これは投資費用が多いと言うよりも、稼ぐ力が弱いと言える。

トレジャーファクトリーのビジネスモデルは①お客から商品を買い取ったり、業者から直接商品を仕入れる。②買い取った商品の品質や動作を確認し、クリーニングして陳列する。③実店舗やオンラインショップで販売する。という単純なものなのだけれど、これには仕入れた商品を高回転で売り切る販売力がなくてはならない。

13年の営業CFが大きく落ち込んだのは、販売力低下により棚卸資産が倍増してしまったからだ。つまり、商品を仕入れるためにお金は出て行ったけれど、販売してお金を稼ぐことはできなかったので、お金は出て行ったままになっているのだ。

損益だけを見ると売り上げも純利益も順調に拡大しているように見えるけど、実際は買い取った商品が在庫として積み上がっているだけだ。順調に新規出店している間は、商品を新店に移せばいいだけなので問題はないが、既存店の店舗数が増え、出店ペースが鈍ってきたとき、トレジャーファクトリーの業績は危なくなる。

トレジャーファクトリーは低PERで高ROE、純利益はわずか4年で3倍以上にもなり、株価はわずか2年で3倍近くまで上昇するなど個人投資家にも人気の銘柄なのだけれど、ぼくはトレジャーファクトリーのような儲からない事業は長期的に見ればあまりおいしくないので、所有しないようにしている。
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いまから7年ほど前に僕は、投資についてはじめて真剣に考えた。そして、「株式投資で成功するなんて簡単だ」と気がついた。

1989年、日経平均株価が3万8915円をピークに下がり始め、2008年11月には一時6994円まで大きく値を下げた。この20年間、日本株の長期投資で成功した人はほとんどいない。2011年の日本経済新聞には「日本株でバイアンドホールド戦略の時代は終わった」との記事。

当時、僕はそもそもどうして株価が上がったり下がったりするのかすらわからなかったので、投資や経済、金融に関する本を200冊以上読んだ。そしたら株はすごく簡単で、成功するために必要な投資戦略は一文で表せることに気がついた。それは「安定した収益が見込める日本株を割安で買い、長期で保有する」だけでいいのだ。僕の結論は当時のコンセンサスとは真逆、非常識だった。

同時に僕は、日本株の長期低迷の原因が不合理で割高なPERであったことを知り、そして当時(2011年)がおよそ40年ぶりの日本株買いチャンスだということがわかった。

僕が投資先を選ぶうえで一番大切にしているのは財務三表のひとつキャッシュフロー計算書だ。売上高や利益が記載されている損益計算書が「会社の意見」と言われているのに対して、キャッシュフロー計算書は「事実」と言われている。つまり損益は誤魔化しやすく、キャッシュは誤魔化しにくいのだ。

僕は上場企業3600社を、営業利益率やROEなどの簡単な指標を使ってスクリーニングした後、残った150社分のキャッシュフロー計算書を総て読んだ。そして僕はわずか一銘柄に2000万円集中投資した。

僕が150社分のキャッシュフロー計算書を閲覧した方法は、各企業のIRから有価証券報告書を見てなんて面倒なことはしない。実はGMOクリック証券
を使えば150社分のキャッシュフロー計算書なんてサクッと読めてしまうのだ。僕は誰よりもたくさんのキャッシュフロー計算書を読んできた。そして今でも気になった銘柄のキャッシュフロー計算書は必ずチェックする。

ピーターリンチの言葉を借りれば、誰よりも多くの石ころをひっくり返した者だけが、宝石を見つけることができるとのこと。石ころをひっくり返すのも、たくさんのキャッシュフロー計算書を読むのもやったもん勝ち。

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