8回2失点で5勝目を挙げた広島・大瀬良=東京ドーム
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◇広島7−2巨人
広島の大瀬良が8イニングをソロ2本に抑え、自身5連勝で5勝目を挙げた。打線は1回に丸の先制二塁打とエルドレッドの2ランで3点を奪い、5回は菊池、6回は小窪のソロで加点した。巨人は今季ワーストの5連敗。内海は開幕4連敗。
悔しげに唇をかみしめた。巨人の先発・内海は8度目の登板でも初勝利を手にすることができなかった。初回にエルドレッドの13号2ランなどで3点を先制されると、5回と6回にも本塁打で失点。8回、キラに右中間への適時二塁打を浴びたところで降板となった。
「きょうは初回がすべてです…」と内海。7イニング1/3で10安打6失点の乱調で、チームは昨年5月28日のソフトバンク戦(東京ドーム)から6月2日の西武戦(西武ドーム)以来、今季初の5連敗を喫した。その責任を感じる内海は、試合後も厳しい表情のままだった。
攻めの姿勢が勝利につながらない。内海の持ち味は内角攻め。つまずいた初回もかわしにいったわけではなかった。体調に問題はない。左翼線への適時二塁打を浴びた丸にも、一発を許したエルドレッドにも懐へ直球を投げ込んでいった。
しかし、ここぞという時に球が甘くなる悪癖が顔を出す。エルドレッドに投じた1球は真ん中高めへの失投。そんな左腕を「いい球と逆の球がはっきりしていた」と評した原監督は、こんな言葉で叱咤(しった)した。
「越えていかないといけない。それがわれわれの定め」。内海も同じ思いで、「次頑張ります」と言い切った。長いトンネルを抜ける日はきっとやってくる。そう信じて前を向くしかない。 (川越亮太)
左翼席を埋める鯉党から祝福の大歓声を受けた。広島・大瀬良の表情が一層穏やかになった。「同じ相手に2回続けて負けるのは嫌だった。先に点を取ってもらえたので、自分らしく強気に攻められた」。力強い言葉を届けた。
4月9日にプロ唯一の黒星を喫した巨人にリベンジ。8イニング2失点。これまでの派手なガッツポーズや、雄たけびはない。坂本とロペスにソロを浴びても平静に投げ続けた。風格すら漂わせた。低めへの意識を徹底しわずか1四球。敵の新戦力・セペダは無安打2三振と完ぺきに抑えた。
野村監督は「リズムがいい。彼の時は点が入る。あれだけの打線を抑えたのは、自信にしてほしい」とうなった。2位とは今季最大のゲーム差4。「われわれは挑戦者だから」と慢心はない。
5イニング1/3で5失点した8日のヤクルト戦。その翌日、2軍調整中の野村から連絡を受けた。「どこか悪いところがあるんじゃないか、と言われました。フォームで肘が下がっていた」。課題に気づき修正。最速149キロの直球を投げ下ろした。
野村には公私で世話になっている。「何でも教えてくれて感謝しています」。その野村が12年に達成して以来の広島新人の5連勝。エース前田、バリントンを超え、チームの勝ち頭に立った。それでも「楽な展開で投げさせてもらえているので」と謙虚に語った。巨人戦初勝利も通過点でしかない。 (山本鋼平)
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