中国で先祖探しブーム 曹操の子孫も5月17日 7時05分
中国では生活水準が上がり経済的にも余裕が出てきた人たちの間で、今、家系図をさかのぼり、先祖のことを探ろうという動きが盛んになっています。
中国内陸部、河南省の農村に、ことし3月下旬、およそ800人の「蔡」という名字の人が集まりました。
3000年余り前、中国で初めて「蔡」を名乗ったとされる人物、蔡叔度の墓参りに中国国内だけでなくタイや韓国などからもやってきたのです。
このうちの1人、蔡木清さん(56)。
50歳を過ぎて生活にゆとりが生まれ、自分のルーツを知りたいと思うようになり、先祖に結びつく情報を探し続けています。
このたび古い家系図を探し当て詳しく調べた結果、蔡叔度のちょうど100代目あたりの子孫ではないかと分かってきました。
さらに蔡さんは先祖を探す間に同じ名字を持つ人たちと次々と知り合いになり、食事会を開くなど交流を深めています。
蔡さんは「同じ名字の人たちは今や家族のようなもので、心から助け合うことができます」と話していました。
こうした同じ名字を通じて急速に広がるネットワークに地方政府も注目しています。
経済成長から取り残されることに危機感を抱く農村部のある地方政府は、中国各地の蔡さんに集まってもらい街の発展をねらって投資を呼びかけました。
一方、最新技術を駆使して、新たな人のつながりを探す動きまで出ています。
上海の大学の研究グループが、三国時代の英雄、曹操の親族の墓から出土した歯のDNAと一致する人たちを特定し、曹操の子孫だと認定したと発表したのです。
この研究グループでは、今後は文献だけでなく、DNAのデータを活用して中国人の歴史をひもといていくことを予定しています。
中国では心のよりどころとなる新たな人のつながりを求めて先祖を探そうという動きが広がっています。
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