先日、読んだ次の記事。
・オタクな筆者に求婚した男性が「物を捨てずに引っ越しておいでよ、トランクルームを借りたげる」と言ってくれた話
嫁へ行くつもりじゃなかった――私の新婚日記4 婚約指輪がトランクルーム
・夫婦でワンルームに住み、物を持たない暮らしをしている人の話
by「ひょんなことから、モノをあまり持たない既婚男性の話を聞きました」
この2つの記事を読んで、記事の趣旨とは違うけれどビビビッと来てしまった! ちょっと言いたいことがある。あのね、「物が片付かない! こんなに狭い家じゃダメだ! もっと広い家に引っ越したーい!」って考えるでしょう? それ、大間違いだと思うの。
「物が片付かない! こんなに狭い家じゃダメだ! もっと広い家に引っ越したーい!」という考え方が間違っていると気づいたのは、先日衣替えをしたことがきっかけ。我が家のクローゼットと収納スペースはなぜか夫の方が広くて、私のスペースが狭いのです。タンスも4段の方が夫で、3段の方が私のもの。私の方が洋服も物も多いと思うんだけど。
なんかおかしい! そう思って夫に「タンスを交換してよ」と交渉しようと決意。「スペース開いてるじゃん」というために、念のため夫のタンスを開いてみた。中を見て、一瞬で交渉する気が失せた。夫のタンスの中身がめっちゃくちゃ整っているのに対して、私のタンスの中はそこまで整っていなかったから。(フェリックス軍曹は鬼ですが、収納から飛び出ていない限り私物の保管方法についてはとやかく言いません。物を増やすことに関しては言うけど。そういうところも軍隊っぽい。←ただのイメージ)
4段のタンスを譲れという前に、3段のタンスをきちんと管理する能力を養わなかったらいけないと思ったのだ。
こういう発想は、実は引っ越しをするときにもうっすらと感じてた。今、私たちは60平米くらいの1LDKに住んでいる。夫はもう少し広い家がいい、2LDKにしようと言うんだけれど、私にはまだ早いと感じている。部屋が増えて広くなっても今のレベルで各部屋を管理できるだろうかと心配。部屋が増えたら、その部屋に入る量を把握して、どこに何があるかを覚えなくちゃならない。毎日の掃除の場所も増える。物が増えたら、その物をお手入れする時間も増える。
「日本の家はウサギ小屋だ。狭い」とよく聞くけれど、フランスの夫の親戚の家に行って気づいた。日本の家は狭いんじゃない。物が多すぎるんだ。実は日本の家の床面積は世界5位の広さらしい。それなのに物をごちゃごちゃとっておいてしまうから狭く見えちゃう。
日本の家に足りないのは、床面積じゃなくて住む人の「スペース管理力」。その「スペース管理力」を養わずに、広い場所へ、広い場所へと引っ越ししていくと、最後に残るのは「遺棄された物たちばかりのゴーストハウス」。スペース管理力を養うには、小さいスペースでうまくやりくりしていく経験が有効なんじゃないかな。今いるスペースを完璧に片付けられるようになってから、引っ越す方が良いと思うのだ。
とはいえ、仕事柄どうしても物持ちになってしまう人もいる。捨てられない物があって収納しきれないということもあるかもね。そうなったら、トランクルームを借りれば良い。調べてみたらキュラーズとかハローストレージとか、365日24時間出し入れ可能なトランクルームって、たくさんあるのね。しかも5000円以下で借りられるところもある。こういうトランクルームを借りると「物を増やすのはコストである」とはっきり認識できるから良さそう。
私はまだスペース管理力が低いから、まだ広い家に引っ越す資格はない。今あるスペースに入る量の物を見極めて、きっちりと美しく収める訓練が必要なの。そーんなことを思いました。おしまい。
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