中国韓国メディア 強い警戒感5月16日 22時54分
安倍総理大臣が憲法解釈の変更によって限定的に集団的自衛権の行使を容認することを視野に検討を進め、与党協議に入る考えを表明したことについて、中国や韓国のメディアは強い警戒感を持って伝えています。
このうち中国国営の中国中央テレビは16日朝、日本に駐在する特派員が安倍総理大臣の記者会見の内容とともに、「集団的自衛権の行使をいったん認めてしまえば日本の軍事行為を制限することは難しくなるだろう」と解説しました。さらに中央テレビは、15日、集団的自衛権の行使を容認することに反対する人たちが抗議活動をしながら「憲法9条を守れ」と訴えたり、その参加者が、「安倍総理大臣は与党だけでなく国民の声を聞くべきだ」などと話したりする様子を伝えました。
また同じく国営の新華社通信は15日夜、「日本政府が数十年間、集団的自衛権の行使を禁止してきた憲法解釈を覆すことは、憲法改正を避けて軍事大国を復活させる法の障害を取り除き、地域の安定に大きな災いの種を残すようなものだ」などとする論評記事を掲載して強い警戒感を示しています。また韓国では、大手紙の朝鮮日報が「安倍総理大臣の目標は平和憲法の無力化だ」という見出しを掲げて大きく取り上げています。
また社説でも韓国日報が「過去にアジアを武力で侵略した日本が再び軍事的に他国に介入することで北東アジア情勢の不安定さをより高める」としているほか、ハンギョレ新聞も「植民地支配を経験した国としては安倍総理大臣の挑発的な政策に対し、深い憂慮を表さざるをえない」とするなど、韓国メディア各社は強い警戒感を示しています。
その一方で東亜日報は1面で「安倍総理大臣『戦争できる日本』宣言」という見出しで報じたものの、社説では、「日米同盟の強化は北朝鮮の挑発への抑止力を強化する性格も持つ。日本の集団的自衛権の行使をアメリカ、EU、ASEAN、オーストラリア、ロシアなど多くの国が支持している。韓国が反対すれば国際社会で失うことのほうが大きい可能性もある」と分析しており、一部で韓国政府に冷静な外交判断を求める声も上がっています。
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