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『花子とアン』の原案を書いた村岡恵理さんにインタビュー!

2014/05/14 Tag:花子とアン 村岡恵理

 連続テレビ小説『花子とアン』(NHK)は、『赤毛のアン』翻訳者・村岡花子の孫である村岡恵理さんの著作『アンのゆりかご 村岡花子の生涯』が原案になっています。その村岡恵理さんにインタビューしました。

―おばあ様の村岡花子さんについて教えください。

 祖母は10歳のときに東洋英和女学校(現・東洋英和女学院)に入り、20歳まで学んでいました。東洋英和は、カナダ人宣教師が創設した学校で、祖母を指導していたのが、まさに『赤毛のアン』の作者、モンゴメリと同世代のカナダ人教師たち。祖母はそんな学校で、教師たちと寝食を共にしながら、テニスンの詩を暗唱したり、お茶会をしたりと欧米の文化に触れていました。

村岡理恵さん

↑著者の村岡恵理さん。『赤毛のアン』の翻訳者・村岡花子さんは恵理さんの祖母にあたります。

―花子さんとアンとの出会いは?

 祖母が大人になり、出版社で仕事をしているときに、カナダ人宣教師から『赤毛のアン』の原書『Anne of Green Gables』を託されます。その本を開いたら、まさに自分の青春時代があったんですね。しかも当時、祖母は、子どもや女性に向けた本をつくることを模索していたので、運命的な出会いを感じたのでしょう。

―花子さんにとって、アンは特別な存在だったのですね。

 祖母は女の子を主人公にした多くの作品を翻訳していましたが、後に“すべて好きな少女だけれど、欠点だらけのアンがいちばん好ましい。この少女は、いかなる時代になっても愛されるだろう。”って書いているんです。

―幼いころに『赤毛のアン』を読んだ恵理さんは、大人になった今、逆にアンに共感するそうですね。

 子どものころって、木に名前をつけたり、空をずっとながめていたりして、それだけで1日楽しめたけど、大人になってそういう気持ちをなくしている気がするんです。だから、アンに共感するのでしょうね。アンのような想像力を持っていることが、どれだけ豊かなことか……。楽しんだもの勝ちだなって、アンのあの精神に教えられることは多いですね。
 

『赤毛のアン』に息吹を与えた村岡花子の生涯

 村岡花子は、1893年、山梨県甲府市で生まれました。10歳のとき、東洋英和女学校に入学。カナダ人教師のもとで欧米の生活様式や文化に触れ、青春時代を謳歌します。学校を卒業した花子は、女学校の英語教師になった後、出版社に就職。そこで出会った印刷所を営む村岡敬三と結婚します。
 1939年、日本と欧米諸国の関係が悪化し、友人のカナダ人宣教師たちが帰国。その一人から贈られたのが『Anne of Green Gables』でした。主人公アンに魅せられた花子は、出版のあてもないのに翻訳に取り組みます。終戦を迎えた年、その翻訳が完成。そして1952年『赤毛のアン』が出版されたのです。

村岡花子とアン・シャーリーには似ているところがいっぱい!

村岡花子とアン・シャーリー

アン・シャーリー
『赤毛のアン』の主人公。カナダのプリンス・エドワード島で少女から乙女へと成長していき、後に学校の先生になるアン。
【永遠の友情をちかった友】
アンの“腹心の友”は、ダイアナ・バーリー。楽しい学校生活を過ごし、永遠の友情をちかう。
【愛する人との出会い】
アヴォンリーの学校でライバル的存在だったギルバート・ブライス。アンはギルバートを深く愛していたことに気づく。
 

村岡花子
『赤毛のアン』の翻訳者。カナダ人宣教師が建てたミッションスクールで学び、卒業後は生まれ育った山梨県で学校の先生になる。
【永遠の友情をちかった友】
16歳のときに出会った柳原あき子と、生涯にわたり“腹心の友”となる。
【愛する人との出会い】
出版社で働くようになった花子は印刷会社の若社長・村岡敬三と出会い、恋に落ちる。

 

こちらの本もぜひチェックしてみてください!

村岡理恵さん

『赤毛のアン』と花子 ~翻訳家・村岡花子の物語~
村岡恵理 著 学研教育出版 本体価格1,300(税別)
対象 小学生
 『赤毛のアン』を最初に翻訳して日本に紹介した村岡花子の物語。花子はカナダ人宣教師の教える学校で勉強し、英米文学とその環境に触れます。そして英語で書かれた文学を日本の子どもや女性たちのために美しい日本語で翻訳しました。戦争中も信念を持って物語の翻訳を続けた花子。本書では「アン」と花子の不思議と似ている点をあげながら花子の生涯をつづっています。著者は、花子の孫にあたる村岡恵理さん。
※書店でお求めください。

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