あんまビジネス志向ではない独立をした人のほうが仕事に誠実なように思える
身の回りでこのところの好景気もあって独立を志向する人が増えているのも事実だと思うんですよね。
ただ、いままで組織の中にいたり、渡り歩いていても何がしかのスキルを武器にプロフェッショナルで頑張ってきた人が、フリーになったり起業したりしているのを見ていると、あまりスケールしない独立の仕方をしていることが多いんです。
スケールしない、というのは、誰かが独立して、まあ凄い人なんだけど、組織の看板があるからその人に予算がたくさんついて、事業なりコンテンツなりが回っていたのが、そういう組織から飛び出た瞬間に人月幾ら、一山幾らの世界に陥る。で、仕事を大きくしようにも、その人だからそのクオリティが保たれていたわけで、そこに小僧が何人か丁稚していてもカネの取れる仕事量は増えないだろ的な。
例えば、尊敬する人で言うと安倍宏行さんが先日独立されて、ウェブメディアを作った。一個一個は面白いし、人選も良くできてるんだけれども、なんかサイトのバナーは被ってるしデザインがいけてなくて一時代前の仕上がりのままになってて興味深い。なんか、長年頑張ってきた人が路地横の店改装して喫茶店はじめた感じの佇まいなんですよね。
Japan In Depth
http://japan-indepth.jp/
んで、サイトの出来では安倍さんの能力は当然図れない。だけど、どう考えても儲かるはずのないサイトじゃないですか。
一方、加藤さんがやってるCakesが新たなサービスnoteをやって、これはこれで面白がられている。
でもさあ、これでどうやって上を目指すの、といわれると単独ではどう考えてもなかなか大変に過ぎる。角川と一緒になったドワンゴにでも買ってもらわないとEXIT見えないでしょみたいな切ない雰囲気を感じさせつつも、洗練された雰囲気でいつまでも戯れていたい気持ちには浸れる。
同じメディアで凄い能力を発揮した人たちが、ある意味勝負をかけた結果として見る分には物凄く興味を持つんだけど、「自前のメディアとそれを広げる仕組み」ってそこまで情報に生きてきた人を虜にさせるのだろうか、と読みながらぼんやりと思ったり。
一方で、仕組みオンリーで立ち上げた後で、そのまま外部資本を大量に導入して一気にエンジン噴かして伸びていこうとするGunosyやSmart Newsもある。このあと別のフェーズに入るかもしれないLogmiもいる。こうやって、新しいサービスを横に並べて、起業の経緯とか考えてみると、物凄いワクワクするんですよね。
数年後には忘れられている可能性も高いんですけどね。