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セガ・エンタープライゼスの会社案内

セガに入りたい人、必見の会社案内です(ただし1970年)。
セガ・エンタープライゼス(現在の株式会社セガ)は、現存するアーケードゲーム製造メーカーの中では、最も古くからある会社の1つです。

表紙には、全国の営業所拠点を示す日本地図と東京羽田にある本社全景が掲載されています。
この時代は、まだアーケードのビデオゲームが存在せず、エレメカやピンボールなど遊技場向けの娯楽機械の販売と、ジュークボックスの保守などが業務の中心でしたが、日本のレジャー文化の盛り上がりとともにゲームは急成長していきました。

ページをめくると、当時の社長であるデヴィッド・ローゼン氏がご挨拶。
セガは、社名の由来でもある、サービス・ゲームズ株式会社や、ローゼン・エンタープライゼス、日本娯楽物産といった会社が集まってできており、1970年の時点ではまだ外資系の企業でした(現在は違います)。

次のページは会社概要です。商標となっているセガのロゴは、1977年まで使用され、その後現在と同じ書体のロゴが使用されるようになりました。
海外の取引会社が、日本語で書いてあるのが面白いですが、ジュークボックスの大手ロックオーラ(Rock-Ola Manufacturing Corporation)、ピンボールメーカー大手のバリー、ウイリアムズ、シカゴダイナミック(Chicago Coin)も名を連ねています。

3~4ページは、事業内容、取り扱い製品が紹介されています。
経済成長により日本全国に遊園地、遊技場、ボウリング場などのレジャー施設が次々に建設され、ゲーム機はそれまでの主力だったジュークボックスを超える急成長を遂げました。機器の設置やメンテナンス、そして営業と多くの人材が投入されていたことを伺わせます。

サービス・カーの写真も掲載されています。当時の方に伺った話では、自動車が急速に普及していった60年代には、入社する若者にとって憧れのクルマを運転できること自体が大きな魅力だったということで、この営業車でそのまま盛り場に遊びに出ることもあったそうです。

中央にあるショールームは羽田本社にあり、アメリカから輸入されてきた最新機械が並ぶ豪華な空間は、日本の会社らしからぬ雰囲気を出していました。

5~6ページは、さらに興味深い写真が続きます。セガ社内の様子がいくつか紹介されており、製造部門では、ジュークボックス、アミューズメント、フリッパーのラインがそれぞれ掲載されています。

セガは、1962年に国産のSEGA 1000というジュークボックスを販売していますが、70年代にはロックオーラ製のものが主力となっています。写真のモデルは、ROCK-OLA 443で、おそらく輸入したものを国内向けに整備改造していると思われます。

アミューズメントラインで製造しているのは、当時の最新機種「セガ・グランプリ」です。映写式のカーレースゲームで、迫力あるレースの背景がスクリーンに投影されます。今も昔も、レースゲームはアーケードの人気機種で、多くのメーカーから同様のゲームが発売されていました。

40年以上経った現在でも、愛知県にある日本ゲーム博物館で、セガ・グランプリが稼働しています。エレメカならではの、温かみのあるのどかな動きが、いい味を出しています。
最後のフリッパーラインですが、これも輸入した台を整備改造していると思われます(奥に写っている台は、ウイリアムズ社の4acesでしょうか)。

セガは1971年に自社でピンボールを開発し、70年代には25機種を生産していました。まるで組み立てを行なっているように見えますが、この写真を撮った時点では、生産ラインはまだ動いていなかったのではないかと思います。なぜバラバラになった台があるのかは謎ですが、ピンボールの生産を見越して、それらしい写真を撮ったのかもしれません。

研究開発部門、品質管理部門も現在とはまったく違う風景です。
新しいゲーム機を作る場合は、まず試作を行なって、図面を描いたり、生産するためのラインを設計するところから始まるわけです。もちろん、パソコンもスマホもありません。机に向かう姿が、まさに高度経済成長期の会社という感じです。

レコードルームも、ジュークボックス時代ならではの風景です。
ヒット曲が生まれるたびに、全国のレコードが交換されるわけですから、その数はすごかったに違いありません。

電子計算機は、いわゆるコンピューターです。
機種はちょっとわかりませんが、こうした大型の電子計算機があることが、大企業のステイタスになっていたのかもしれません。
この本社オフィスから、実際に世界各地にゲーム機が輸出され、アメリカやヨーロッパでも、多くの人が楽しんでいました。この時代に、日本で開発・生産されたセガのゲーム機を、今も愛好している人たちが世界中にいることが、ちょっと嬉しい気もします。
日本を代表するゲームメーカーであり、アーケードの牽引役としてリードしてきたセガには、これからも走り続けていってもらいたいですね。

セガ・エンタープライゼスの会社案内、もっとじっくり読みたい方は、こちらからどうぞ。

  sega1970.pdf (3.6 MB)

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