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2014年5月16日 (金)

ジョブ型社員と思われる労働者の心情@西村純

JILPTの西村純さんが、コラムで面白いエビソードを書いています。

http://www.jil.go.jp/column/bn/colum0247.htm(ジョブ型社員と思われる労働者の心情)

国際労働財団のシンポジウムで西村さんが

(1) スウェーデンは、企業横断的な連帯は強く、また、雇用形態間の均衡処遇も進んでいる一方で、企業内においては職種間(特にブルーカラーとホワイトカラー)の階層化が見受けられ、それゆえ、企業内の連帯はそれほど強いとは言えない可能性があること。逆に、 (2) 日本は、そうした類の階層は弱く、それゆえ、企業内の連帯は比較的強いと思われるが、その一方で、企業横断的な連帯は希薄で、かつ、雇用形態間の差も小さくはないこと。

を話したのですが、その背景として、西村さんが実施したスウェーデンの現地調査でこういう経験があったというのです。

スウェーデン大手企業の組合代表が呟いた次の発言がある。「個人的には、日本の方が良いと思う・・・この国では、大学を出て大卒エンジニアとして新卒で採用されれば、仕事の経験がなくても、ラインで10年間働いた労働者よりも高い賃金を得ることができる。とてもとても良くないことだと思う。でもそれが事実なんだ」。

いや、それがまさにジョブ型社会のジョブ型社会たるゆえんなんですね。ややもすると、ジョブ型とかメンバーシップ型という概念を無媒介的に優劣論で論じてしまいがちな傾向が、どちらの側にもありますが、どの局面でどうなのかということを抜きにした議論はあまり意味がありません。

ちなみに、西村さんはもうじきスウェーデンの労使関係に関する報告書をJILPTから発表します。また、ミネルヴァ書房から単著も出されます。乞うご期待です。

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