駆け込み需要はどの程度か-2014 年1~3 月期GDP(一次速報)結果から

2014/05/16

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経済・社会政策部 片岡剛士

2014年1~3月期GDP(1次速報値)が公表された。今回のGDP統計は、消費税増税直前の民間消費、住宅投資の動きが一国全体のベースで明瞭な形で判明することもあって、かねてより筆者もどのような結果になるのか注目していた。

結果をみると、2014年1~3月期の実質GDP成長率は前期比+1.5%(年率+5.9%)となり、国内需要(内需)寄与度は1.7%、外需寄与度は-0.3%となった。また名目GDP成長率は前期比+1.2%(年率+5.1%)となった。なおGDPデフレーターは前年同期比+0.0%と横ばいになった。実質GDP成長率、名目GDP成長率ともに2013年10~12月期と比較して大幅な伸びである。

図1 実質GDP 成長率(前期比年率)と寄与度の推移
図1 実質GDP 成長率(前期比年率)と寄与度の推移

(出所)内閣府「2014年1~3月期四半期別GDP速報(1次速報値)」、ESPフォーキャスト調査(2014年5月14日)

図1は実質GDP成長率(前期比年率)と実質GDPを構成する各項目の寄与度を示しているが、実質GDP成長率(年率+5.9%)に対して民間消費(寄与度+5.1%)、民間企業設備投資(同+2.7%)、輸出(同+3.9%)、民間住宅投資(同+0.4%)が大きく寄与していることがみてとれる。

本稿では、公表された2014年1~3月期GDP(1次速報値)の結果から特徴的な点について検討しつつ、前回コラム(「消費落ち込み『想定内』」がもたらすもの)で検討した消費税増税の駆け込み需要の推計を再度行ってみることにしたい。

■大きく増加した民間最終消費、民間企業設備投資

■注意が必要な輸出入の動き

■公的需要

■駆け込み需要の再推計

■今後の展開

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