よど号日本人村:広大な敷地に衛星テレビ 北朝鮮が厚遇

毎日新聞 2014年05月16日 05時30分(最終更新 05月16日 14時35分)

よど号グループが暮らしているアパート。一家族に一室用意され、室内の広さは約100平方メートルあるという=平壌郊外で2014年4月下旬撮影(椎野礼仁さん提供)
よど号グループが暮らしているアパート。一家族に一室用意され、室内の広さは約100平方メートルあるという=平壌郊外で2014年4月下旬撮影(椎野礼仁さん提供)

 1970年3月の日航機「よど号」ハイジャック事件で北朝鮮に渡り、欧州で日本人拉致にも関与したとして国際手配されているよど号グループが暮らす施設「日本人村」について、毎日新聞は内部を撮影した写真を入手した。公安当局によると、かつては「日本革命村」と呼ばれ、ピーク時には妻子も含め計36人が暮らしたとされる日本人村の様子が公開されるのは極めて珍しい。庭木の手入れが行き届いた広大な敷地にはグラウンドや一般国民には認められていないとみられる衛星放送の受信施設もあるなど、事件から約45年が経過した今も北朝鮮当局による厚遇ぶりがうかがえる。

 写真は、書籍編集者の椎野礼仁(しいの・れいにん)さん(65)が4月末に現地を訪れた際に撮影した。椎野さんによると、日本人村は平壌中心部から約20キロ離れた大同江のほとりにある。村の管理や警備にあたる専従のスタッフが配置され、家庭菜園や来客者向けの宿舎もあった。

 国際電話用の通信回線も最近整備され、インターネットはできないが、パソコンで電子メールの送受信もできる。NHKや米CNNのニュースも見ることができたという。

 公安当局によると、現在、日本人村で暮らしているのは小西隆裕容疑者(69)ら6人とみられる。平壌中心部のビルで中古車などを扱う貿易会社を運営していたとされるが、ビルは昨年7月に当局に返還されたといい、事実上の隠居生活に入った可能性があるという。

 よど号グループを巡っては、日本政府はメンバー全員の身柄引き渡しを北朝鮮に求めている。しかし、グループはハイジャック事件については事実関係を認めるものの、有本恵子さん(当時23歳)ら日本人拉致事件への関与は否定し、帰国を拒んでいる。【岸達也】

 ◇よど号ハイジャック事件

 1970年3月31日、過激派の赤軍派メンバー9人が羽田発福岡行き日航機「よど号」(乗員・乗客129人)を乗っ取った国内初のハイジャック事件。乗客らは福岡空港と韓国・金浦空港で解放された。メンバーは当時の運輸政務次官を代わりに乗せ、同4月3日、北朝鮮に入り投降した。この事件を機にハイジャック防止法が施行された。

 ◇北朝鮮に残るよど号グループのメンバー

 <実行メンバー>

 ▽小西隆裕容疑者(69)        HJで国際手配

 ▽若林盛亮容疑者(67)        HJで国際手配

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