東京都青少年健全育成審議会-会議資料・議事録-(平成26年度)
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/09_646_menu.html#647

というわけで、今回初の「施行規則第15条第2項第二号」(近親相姦の不当な誇張または賛美)が適用された1冊は後で。
オール体験デラックスVol.1
発行元:株式会社メディアックス
- 一部修整が甘い部分があり、擬音・体液描写も多いので、指定該当
- 修整されているものの性描写が多く、指定やむなし。
- 体験を元にしたフィクションということなので、大人の女性が好きで読む分には問題ないと思うが、青少年の目に触れさせる必要性はない。指定該当
- 大人の恋愛とは書いてあるものの、内容は強姦、器具使用等著しく性的刺激を受けるもので、性交場面が多く、一部性器の描き方が卑わいなところもある。指定該当
- 大人向けで卑わい感あり。後半の作品に過激な性描写がある。指定該当
- 人格を否定したり強姦・輪姦シーンも多く、一部局部の修整が甘い箇所がある。青少年は素通りするが、内容的には指定該当。
- 性器を形状のまま白く抜く修整により、より露骨な表現となっている。性交描写が少なからずあり、卑わい感も強い。指定該当
- 絵柄が古く、パッケージも青少年が手に取るようには見えないが、表現は、玩具の使用や乱交等成人向けの内容を多く含む。指定やむなし。
- 性交描写多く総量として青少年が読むには過激。直接的な台詞や暴力シーンが多い。指定やむなし。
- はじめの方は比較的大人しいストーリーだが、後半にかけて暴力的なものが多くなる。性交場面や局部のアップも気になるが、青少年が買うか疑問。保留
- 青少年が購入するとは思えない。登場人物も成人であり、指定非該当。
- 性描写は多いが、どれも絵が雑で卑わい感はない。修整もされている。指定非該当
- 大人の女性に向けた内容で、かつ性交場面の修整もきちんとされている。この程度であれば許容範囲。指定非該当
- 表紙、絵柄、ストーリーのどれをとっても成年女性を対象としたもの。「浮気・不倫・禁断愛」というコピーからも大人向けであると分かり、敢えて成人マークは不要。描写もいたずらに欲情を扇動していない。ボカシも適切。指定非該当
- 「女性のための愛のコミック誌」とうたっており、内容も若年層向けの絵柄ではない。青少年が購入するとは思えない。指定非該当
- 表紙に「大人のための~」とあり、定価も高く、青少年が買うとは思えない。性交描写はあるが修整されており、指定非該当。
- 劇画であるため、昨今の青少年にとって卑わいではない。指定非該当
- 登場人物が主婦やOLで、絵柄からも青少年が興味を持つ内容とは思えない。修整もきちんとされており、指定非該当。
赤-指定やむなし:9 緑-保留:1 青-指定非該当:8
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ある意味前座ともいえる扱いになってますが……w いわゆるレディースコミックですね。
ぎりぎり赤が多数ですが
TECHGIAN STYLE 妹ぱらだいす!2~お兄ちゃんと5人の妹のも~っと!エッチしまくりな毎日~
発行元:株式会社KADOKAWA
- 表紙に「お兄ちゃんと5人の妹のも~っと!エッチしまくりな毎日」とあり、近親者との性交描写があるので、指定該当
- 全体的に性描写は少ないものの近親者間の性交描写であり、指定やむなし。
- 旧基準としても近親相姦は倫理的に問題。映画やドラマ等で性交描写はなくとも類似した作品はあるので、「近親相姦」という言葉自体を撲滅させる意味でも、敢えて強く指定該当としたい。
- 絵の描き方は性的刺激を受けるとは言いがたいが、民法や条例に反する内容であり、指定やむなし。
- 人物設定やソフトな絵柄から、あまり現実味がない。後半のシーンは該当するのではないかと考える。指定該当
- 近親相姦は生物学・遺伝的に不可であり、それを可とする描写のコミックは指定該当にせざるを得ない。
- 主人公の男性が近親者間の性交を日常的な行為と考えていると読み取れる内容で、指定基準に該当する。指定該当
- 描写・表現は、性交場面は修整等もされており、著しく詳細に表現しておらず、許容範囲。近親者間であるが、母親が5人という非現実的な設定でもあり、判断に迷う。保留
- 近親者間の性行為が見られるが、ほのぼのとした兄弟愛や女性としての本能がコミカルに描かれ、卑わい感もなく青少年の健全な成長を阻害するような内容ではない。詳細に過度に反復して描写していない。指定非該当
- 登場人物・ストーリーのみならず、設定にリアリティが全くない以上、兄・妹・父・母という呼称は擬似的な記号以外の何者でもない。そうした前提で描かれている性交等が社会的に是認されているものか否か評価の対象となることがナンセンスで、青少年の健全な性的判断能力の形成を妨げるおそれがある程度に至っているとの評価を授けることも不当。指定非該当
- 新基準にある「当該性交等が社会的に是認されている」ように表現し、「みだりに」「著しく詳細に」「過度に反復して」描写・表現しているとは言えない。特に「著しく不当に賛美」しているとは言えず、これをもって「青少年の性に関する健全な判断能力の形成を著しく妨げる」とするのは失当。青少年の「当該性交等に関する抵抗感を著しく減ずるもの」とも言えず、この曖昧な条文を「みだり」に適用することは、表現規制として大変危険。表現の自由を認めた憲法の精神に抵触するものだ。指定非該当
- 旧基準で見るといささか表現が行き過ぎで、該当かとも思うが、この設定をリアルなものとしてとらえるか、非常に悩ましい。想像の世界を自由に描くこの手のコミック等が、「クールジャパン」の一端を担っているのも事実。近視眼的に設定を読み取るのかどうか疑問で、新基準の初適用とすると、いささかレベルが問われる。指定非該当
- 絵柄はコミカルでリアリティに乏しく、著しく性的感情を刺激するとは言いがたい。形式的には新基準に該当するが、適用には慎重でありたい。指定非該当
- 内容もコミカルな非日常的なもの。近親者間という設定が過大に取り上げられているが、青少年に対し、抵抗感を減じるとは考えにくい。卑わい感もない。指定非該当
- 内容自体非現実的。5話位まで過激な性描写も殆どなく、最終話に多少性描写はあるが、卑わい感もなく、この程度ならば許容範囲。指定非該当
- 図書1と比して過激さは少なく、近親相姦をテーマとして前面に出していない。性交類似行為も過度に反復していない。指定非該当
- 2・4~6話は衣類等によって性器が隠されている、3・6話は性器の明確な描写がなく行為と部位の特定が困難、7話と描き下ろしは性交そのものが描かれず女性のイメージカットの様相であるなど、総じて結合部の著しく詳細な描写・表現がない。社会的是認があるように描いていない。青少年の抵抗感を著しく減ずるとは言えない。近親相姦は罪ではないため、是認の判断につき、そのメッセージ性の高さは慎重に量るべき。指定非該当
- 表現がソフトで、当該性交等が社会的に是認されているものであるかのように描いているとまではいえない。この漫画は設定が非現実的。ファンタジーとしか思えず、指定非該当。
赤-指定やむなし:7 緑-保留:1 青-指定非該当:10
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さて今回の注目作。東京都側は別添付書類まで付け加えて初の新基準指定を目指した様子。原本を持っている方は見比べてみましょう。

「旧基準では……」の流れもある通り、この読み合わせでは直接新基準(2号)認定を問い合わせた様子。
今までにも近親相姦モノの本はあったんですが、それらはすべて旧基準でしか問われていなかったなかでこれは本題に入る前に新基準であることを告げられて読み合わせに入ったと思われます。つまり旧基準・新基準の選定権限はやはり青少年課が握っているわけですな。
青の指定非該当の意見の濃さが目立ちます。そんな中、赤の中にある「旧基準としても近親相姦は倫理的に問題。」は間違ってますね。旧基準は近親相姦が含まれていませんので。「近親相姦は生物学・遺伝的に不可であり、それを可とする描写のコミックは指定該当にせざるを得ない。」ってのもかなりすっ飛んでます。
都民からの通報申出
今月はない模様。さて初の指定に向けた審議会の様子がどうなっていたのか審議会議事録を待つとしましょうか。
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