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【社会】

元指導者の有罪確定 松本柔道事故、強制起訴で初

 長野県松本市の民間柔道教室で2008年、当時小学6年の沢田武蔵(むさし)君(17)に投げ技をかけて脳に重い障害を負わせたとして、業務上過失傷害罪で強制起訴された元指導者の小島武鎮被告(41)を禁錮1年、執行猶予3年とした長野地裁判決が15日確定した。09年の強制起訴制度導入以降、有罪確定は初めて。

 検察官役の指定弁護士と弁護側の双方が期限の14日までに控訴しなかった。有罪確定を受け、指定弁護士を務めた青木寛文弁護士は「市民感覚を取り入れた制度の趣旨が実現し、意義深い」と話した。弁護側は取材に応じなかった。

 判決によると、小島元指導者は08年5月27日の稽古中、沢田君に片襟体落としをかけ、力加減をせずに畳に投げつけて急性硬膜下血腫を発症させ、重い意識障害などを負わせた。「小学生を力加減をしないで投げれば、けがを負うのは明らか」と過失を認定した。

 沢田君は頭を直接打たなかったが、急に揺さぶられ脳の血管が切れる「加速損傷」でけがを負った。長野地検は「柔道界では加速損傷は知られておらず、予見できなかった」と嫌疑不十分で2回不起訴としたが、長野検察審査会は「起訴相当」と2度議決し、小島元指導者は強制起訴された。

 これまでに全国で強制起訴された8事件のうち、有罪判決は、暴行事件で一、二審で科料9千円を宣告された徳島県石井町の町長(上告中)のみ。

(中日新聞)

 

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