【動画】重さ2キロのジーンズ。生地が分厚く立たせることもできる=山田知英撮影

 「2キロジーンズ」と呼ばれるジーパンが静かな人気を呼んでいる。1960年代初めに生まれたブランドモデルの国内産ジーンズに厚手の生地を使い、重さは一般的なジーンズの約2倍。はきやすさをうたう商品が出回る中で、時代に逆行する硬派のジーンズだ。

 千葉県市川市の「ジーパンセンターサカイ本八幡店」には、約30種類8千本のジーンズの中に、ひときわ生地が厚くゴツゴツした手触りの商品がある。「EIGHT―G(エイトジー) SP803―28」。生地は、一定の大きさの重さで28オンス(1オンスは約28グラム)のものを使用している。

 製作したのは同店を経営する「サカイ」。ジーンズに使う生地は14オンスが一般的だが、メーカーから少し厚めの商品が売り出されるのを見て、「遊び感覚で、もっと一気に厚くしてしまおうと思った」と酒井和隆会長(65)は話す。

 1本3万8千~4万1千円(税抜き)。2010年10月から販売を始めると、口コミでじわじわと広がった。月に最大20本ほどの生産だが、「店頭やインターネットの通信販売で品切れ状態になることもしばしば」と同店広報担当者。30、40代のジーンズ愛好家やバイクに乗る人などに人気で、購入者からは「バイクに乗るとき、冬場は革のパンツより暖かい」「はきこんで自分の足に慣らしていく楽しさがある」との声があるという。