日韓局長級協議:日本 徴用工問題「請求権は消滅」再主張

毎日新聞 2014年05月15日 21時42分

 日韓両政府は15日、外務省局長級協議を東京都内で開いた。日本側は、戦時中に強制労働させられた韓国の元徴用工が日本企業に損害賠償を求めた韓国国内での訴訟問題に言及。韓国側は、旧日本軍による従軍慰安婦問題を取り上げた。具体的な協議内容は明らかにしていないが、互いに従来主張を繰り返し、平行線だったとみられる。3回目の次回協議は6月、韓国で行う予定。

 協議は先月16日にソウルで開いて以来で、日本からは伊原純一アジア大洋州局長、韓国から李相徳(イ・サンドク)東北アジア局長らが出席した。

 日本側は前回協議で、韓国側の要求を受け入れ、議論のほとんどを従軍慰安婦問題に費やしたが、今回は徴用工問題を取り上げた。1965年の日韓請求権協定を踏まえ「個人の請求権は消滅した」と改めて主張した。

 また、東京電力福島第1原発事故を受け韓国が被災地の農水産物の輸入を制限している問題も提起。「輸入制限には科学的根拠がない」として制限の解除を改めて求めた。

 従軍慰安婦問題を巡っては、これまで日本側は「法的に解決した」と唱え、韓国側は「被害者が受け入れ可能な適切な措置」を求めており、互いの主張を繰り返した模様だ。【福岡静哉】

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