東日本大震災で児童・教職員計84人が死亡、行方不明となった宮城県石巻市立大川小の卒業生5人が、被災した旧校舎を「震災遺構」として保存してもらおうと、署名活動に取り組む考えを示した。
6日に仙台市内で開かれた集まりで、卒業生たちは「大川小は心の居場所」「そのままの姿で残してほしい」と意見を語った。大川小6年だった妹の佐藤みずほさん(当時12)を亡くした石巻市の高校3年、そのみさん(17)は「校舎に思い入れのある卒業生はたくさんいるはず。起きたことを伝えるためにも署名活動をしたい」と述べた。
集まりは、卒業生の思いを知ったメンタルケア支援グループが協力し、開かれた。
被災校舎をめぐっては遺構の在り方を話し合う宮城県石巻市の検討委員会が議論の対象外とした。一方、委員会が1月に実施した市民アンケートでは回答の約1割が、リストに記載がないのに大川小を遺構候補に挙げ、関心の高さが浮き彫りとなっている。〔共同〕
卒業生