February 9, 2012
強烈な腐敗臭を放つ世界最大の花「ショクダイオオコンニャク(スマトラオオコンニャク)」。この花と同じサトイモ科コンニャク属の新種が、マダガスカル沖の島で発見された。
高さ6メートルの記録もあるショクダイオオコンニャクよりは小型だが、1.5メートルまで成長する。アメリカ、ユタ大学で植物学を専門とする博士研究員グレッグ・ウォーラート(Greg Wahlert)氏によれば、「本当にひどい」においを放ちながら年に1度花を咲かせるという。
ウォーラート氏が所属する研究室の生物学教授リン・ボウズ(Lynn Bohs)氏は、「路上で死んだ動物の腐敗臭」と「簡易トイレの悪臭」が混ざったようだと表現する。
約170種が存在するコンニャク属の学名は「Amorphophallus(アモルフォファルス)」。ギリシャ語で「いびつなペニス」と・・・
高さ6メートルの記録もあるショクダイオオコンニャクよりは小型だが、1.5メートルまで成長する。アメリカ、ユタ大学で植物学を専門とする博士研究員グレッグ・ウォーラート(Greg Wahlert)氏によれば、「本当にひどい」においを放ちながら年に1度花を咲かせるという。
ウォーラート氏が所属する研究室の生物学教授リン・ボウズ(Lynn Bohs)氏は、「路上で死んだ動物の腐敗臭」と「簡易トイレの悪臭」が混ざったようだと表現する。
約170種が存在するコンニャク属の学名は「Amorphophallus(アモルフォファルス)」。ギリシャ語で「いびつなペニス」という意味で、花の形が由来だ。
◆思いがけない幸運
ウォーラート氏は2006年から2007年にかけて、マダガスカル北西沖の2つの離島でスミレを採取していた。その際、満開の花を咲かせた「Amorphophallus perrieri(アモルフォファルス・ペリエリ」を発見した。
未知の植物と考えたウォーラート氏は試料を持ち帰り、栽培を開始。オランダのコンニャク属専門家に助言を仰ぎ、新種と確認した。
ペリエリは1年の大部分を休眠しているため、ウォーラート氏はタイミングに恵まれたと言える。何カ月も雨がほとんど降らない乾期の間、ペリエリは地中で発育を止める。「植物の生育には最悪の土壌だ」とウォーラート氏は説明する。
同氏が大学の温室で育てている試料はわずか2週間で開花した。もし別の時期に島を訪れていたら、「あっさり見逃しただろう」と振り返る。
◆くさいが“興味をそそられる”
コンニャク属の種は例外なく、ハエなどの昆虫をおびき寄せるためににおいを放つ。ウォーラート氏によれば、チョコレートや香辛料のような良い香りの種もわずかにあるが、大部分は悪臭だという。
「アフリカの大型動物の死体が太陽の下で腐っていくような、と言えば分かってもらえるだろうか。確かにひどいが、私にとっては貴重な研究対象だ」。
ウォーラート氏は現在、この新種についての論文を作成中である。
Photograph courtesy Cameron McIntire, University of Utah