ベトナム沖パラセル諸島近くの南シナ海に、中国が石油リグを設置したことに抗議して、ベトナムのホーチミンシティ北部の工業団地で、外国企業所有の工場の焼き討ち事件がありました。
地元メディアの伝えるところによると、この破壊行動には1万9千人が参加した模様です。
ニューヨーク・タイムズによると、中国企業もターゲットにされたのですが、最も被害が大きかったのは台湾と韓国の企業が所有する工場だったそうです。アメリカ企業の所有する工場では、咄嗟の判断で星条旗を掲げることで焼き討ちを免れました。
ベトナムでは今回のようなデモや暴徒化は稀です。
今回の狼藉が中国による南シナ海領有の「既成事実化」に抗議するため引き起こされたことは間違いないのですが、工業団地の工場はどれもおなじような外観で、どの工場がどこの国の企業によって所有されているかは一般の人にはわかりにくいです。見当はずれなターゲットが焼き討ちの対象になった一因はそこにあります。
ベトナムは中国との良好な関係を維持すべく、これまで主に二国間交渉で話し合いを進めてきました。しかしその話し合いは進展していません。
先週末に開かれた、東南アジア諸国10か国による話し合いは、あいまいな声明を出すのみで終わっています。
つまり個別交渉でも、グループ交渉でも、進展がないのです。
中国と領土問題でもめている日本やフィリピンと違い、ベトナムの場合、アメリカとの間に安全保障条約はありません。
このため中国にとってベトナムが目下、いちばんターゲットにしやすい、組み易い相手というわけです。
ベトナムの国民は、八方ふさがりの状況に苛立ち、今回のようなカタチで不満が爆発したというわけです。
地元メディアの伝えるところによると、この破壊行動には1万9千人が参加した模様です。
ニューヨーク・タイムズによると、中国企業もターゲットにされたのですが、最も被害が大きかったのは台湾と韓国の企業が所有する工場だったそうです。アメリカ企業の所有する工場では、咄嗟の判断で星条旗を掲げることで焼き討ちを免れました。
ベトナムでは今回のようなデモや暴徒化は稀です。
今回の狼藉が中国による南シナ海領有の「既成事実化」に抗議するため引き起こされたことは間違いないのですが、工業団地の工場はどれもおなじような外観で、どの工場がどこの国の企業によって所有されているかは一般の人にはわかりにくいです。見当はずれなターゲットが焼き討ちの対象になった一因はそこにあります。
ベトナムは中国との良好な関係を維持すべく、これまで主に二国間交渉で話し合いを進めてきました。しかしその話し合いは進展していません。
先週末に開かれた、東南アジア諸国10か国による話し合いは、あいまいな声明を出すのみで終わっています。
つまり個別交渉でも、グループ交渉でも、進展がないのです。
中国と領土問題でもめている日本やフィリピンと違い、ベトナムの場合、アメリカとの間に安全保障条約はありません。
このため中国にとってベトナムが目下、いちばんターゲットにしやすい、組み易い相手というわけです。
ベトナムの国民は、八方ふさがりの状況に苛立ち、今回のようなカタチで不満が爆発したというわけです。
アイロニーとしては、ベトナム政府も、中国政府同様、国民の政府に対する不満やデモに対してきわめて神経質だという点です。両国は民主主義ではないので、共産党は投票箱以外の方法で国民の歓心を買い、自分の存在意義をアピールする必要があります。
ニューヨーク・タイムズによると今回のデモの暴徒化のニュースは、一旦、報じられた後、報道統制で消し去られようとしたそうです。
以上が今回の事件のあらましで、ここからは僕の考えですが、ベトナムに限らず、バングラデシュや中国などに海外から直接投資で工場進出している企業は、継続的投資をするかどうかを判断する際、現地のムードを大変気にします。なぜなら工場の打ちこわしや不買運動が起こると安心して事業を継続できないからです。
その意味で今回ベトナムでこのような事件が起きたことは同国にとって大きなマイナスだったと思います。
海外拠点でのトラブルに懲りた企業が「内向き」になると、直接投資は不活発になり、それは不景気の原因を作り、それは一層、デモを誘発する……つまり悪循環になる恐れがあります。
ニューヨーク・タイムズによると今回のデモの暴徒化のニュースは、一旦、報じられた後、報道統制で消し去られようとしたそうです。
以上が今回の事件のあらましで、ここからは僕の考えですが、ベトナムに限らず、バングラデシュや中国などに海外から直接投資で工場進出している企業は、継続的投資をするかどうかを判断する際、現地のムードを大変気にします。なぜなら工場の打ちこわしや不買運動が起こると安心して事業を継続できないからです。
その意味で今回ベトナムでこのような事件が起きたことは同国にとって大きなマイナスだったと思います。
海外拠点でのトラブルに懲りた企業が「内向き」になると、直接投資は不活発になり、それは不景気の原因を作り、それは一層、デモを誘発する……つまり悪循環になる恐れがあります。