京都の世界遺産、高精細映像で保存
京の文化遺産の保存と継承を目指すネットワーク組織「明日の京都 文化遺産プラットフォーム」(京都市中京区)は15日、世界遺産「古都京都の文化財」に登録されている17の社寺と城をデジタル映像で保存するプロジェクトを立ち上げたと発表した。高精細な「4K」映像で残し、教育や文化財保護に役立てる。
世界遺産登録から20年の節目に各社寺が共同参画し、民間企業も協力してデジタル保存(アーカイブ)することになった。映像撮影は毎日放送(大阪市)が担い、映像素材は大日本印刷(東京都)が管理する。
「4K」は、フルハイビジョンの4倍の画素数があり、立体感のある美しい映像が可能になる。清水寺、金閣寺、延暦寺、平等院、二条城などの世界遺産を撮影し、教材や電子書籍などで事業展開する。収益の一部は文化財保護基金に寄せる。全国の大学や図書館で教育課程にも使う。
将来的に京都市内でデジタル映像の体験施設「ミュージアムラボ(仮称)」の開設も検討している。撮影は既に始まっており、3~5年かけて各社寺や城の四季や行事を収録していく。
上賀茂神社(北区)で記者会見したプラットフォームの松浦晃一郎会長は「次世代につなぐことをやりたい。高精細な『4K』映像で収録すれば幅広く見てもらえる」と話した。
【 2014年05月15日 19時00分 】