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「思い通りになる夢」を思い通りに見る方法: 科学者たちの試み

自分が夢を見ていることを認識し、その内容をコントロールできる「明晰夢」。最新研究によると、脳に弱い電流を送ることで、この夢を誘発できるかもしれないという。

 
 
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TEXT BY CHRISTIAN JARRETT
IMAGE BY WIKIMEDIA COMMONS
TRANSLATION BY TOMOKO TAKAHASHI, HIROKO GOHARA/GALILEO

WIRED NEWS (US)

筆者の見る夢は非常に退屈だが、世の中には、明晰夢(めいせきむ)という奇妙な夢を見ることが出来る人たちがいる。自分で夢であると自覚しながら見る夢であり、夢の状況を自分の思い通りに変化させることができる場合もあるというものだ。これは、脳が覚醒状態と睡眠状態の中間にあるときに見る夢だと考えられている。

そしてこのほど、頭蓋表面から脳内に弱い電流を流すことで、普段は明晰夢を見ない人にも、明晰夢を見させることに成功したという研究が発表された。

この研究は、5月11日付けで『Nature Neuroscience』誌に発表されたもので、フランクフルトにあるゲーテ大学(フランクフルト大学)で心理学を研究するウルズラ・フォス率いるチームが手がけたものだ。

フォス氏らは2009年の研究において、明晰夢を見る訓練を受けた6名を調べ、明晰夢が起きている間、前頭野から30~40Hzの脳波が発生していることを明らかにしていたガンマ波とされる脳波の帯域だ)。同氏らは今回、明晰夢を誘発するため、経頭蓋交流電気刺激法(tACS:Transcranial Alternating Current Stimulation)を用いて、被験者の脳の前頭野と側頭野におけるガンマ波活動を促進した。

フォス氏のチームは、普段は明晰夢を見ない、健康な被験者27名(女性15名、男性12名)に対して4日連続で実験を行った。被験者に毎晩、さまざまな周波数帯域の電流を流し、また一部の被験者にはまったく電流を流さなかった(この条件を含めることは重要であり、これを偽処置という)。

電気刺激は、レム睡眠が2~3分間とぎれずに続いた後に30秒間施し、それから被験者を起こして、直前まで見ていた夢について質問を行った。

 
 
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