JBC裁判傍聴記 20140430
4月30日、午前10時、東京地裁にて、被告側証人尋問が行われた。浦谷氏、羽生氏、秋山氏の順で、個別に行われた。各人冒頭、真実を述べる旨の宣誓を行った。
以下は各人の証言内容である。( )内は質問内容、〔 〕内は要約者の注である。
■■■■
◆浦谷氏
□被告側弁護人による尋問
(東日本大震災時の対応)
・安河内氏は安田氏の体調が悪いから自宅に送ったと言うが、それならドーム近くの病院やホテルを利用できたはず。責任者が現場で指揮すべきだった。
(怪文書の写真を見て)
・ふしだらだと思った。試合役員・職員は憤慨していた。責任者、リーダーとして失格だと思った。
(試合役員と事務局職員の合同調査委員会の報告書について)
・了承した。
(連判状について)
・試合役員が作成した。強制はしていない。アンケートとして署名させてはいない。
(安河内氏に退職を迫ったか)
・自分自身で決めろと言った。自分で責任をとれないのは情けないと思った。
(長時間にわたり退職を迫ったか)
・してないと思います。反訳でもほとんど発言していないし、会議の始まりが10時なので、その後2時間というのはおかしい。
(関西事務局からの連判状について)
・要請していない。自発的に作成されたもの。
(新組織の立ち上げと東日本協会からの支持について)
・試合がストップしないよう新組織設立を考えた。あくまで暫定的なもの。第2JBCなどの表現はマスコミがセンショーナルに書きたてたもの。われわれの意図とは違う。試合をすることが目的なので、この件で〔自分たちが〕処分されるべきではない。
(安河内氏がいないと試合ができない?)
・トップにいることは非常に影響があった。それが試合役員の総意。
(原告は一連の騒動を浦谷氏と羽生氏が画策したクーデターと主張するが)
・すばらしい作り話。すべては安河内氏の行動から出たもの。安河内氏は試合役員会の会議にも出席を拒否した。
(IBFと安河内氏の接触について)
・ピープルズ氏からの回答によると、安河内氏はスカイプで新団体設立をIBF会長ピープルズ氏に伝えた。ボクシングマガジン誌にも記事が掲載された。非常に信憑性がある。
(安河内氏との連携について佐藤氏に事情聴取しなかったのか。)
・佐藤氏にはライセンスがない〔のでしなかった〕。
(情報漏洩について)
・職員でない方に情報を教えるなら森田氏の許可を得て行うべき。選手の個人情報を外部に出すべきではない。
(メールの発見について)
・5月中旬(平成24年)に発見した。
・就業時間中のメールということで、これ自体就業規則違反であり、懲戒解雇にあたると思った。
・森田氏、秋山氏に見せるとたいへんおどろいていた。弁護士と対応を協議した。
・安河内氏らに弁解の機会を与えたが「わからない」「記憶にない」と言うばかりだった。6月に解雇、懲戒解雇とした。安田氏を普通解雇としたのは、従の立場だったから。
・決定は森田氏が行った。
(最後に)
・すべては安河内氏の行動から出たことである。それを忘れてほしくない。それをこのように訴えるとは…。
〔原告側弁護人より異議あり、完全に意見なので削除を要求。〕
□原告側弁護人による尋問
(試合役員会と事務局職員の合同調査委員会による「報告書」には、JBCの関連会社から安河内氏に毎月20万円の振込があったとの疑惑が挙げられているが、調査はしたのか)
・そのような話を前から聞いたことがある。
(それが調査か)
・それが調査ということ。
(JBCの調査委員会の調査報告書で支払いは認められなかったが)
・JBCの報告書は報告書。JBCに任せたので異議はない。とやかく言うつもりはない。決めるのはJBC。
(記者会見を開いて徹底究明を主張したのは)
・うやむやにする雰囲気が当時あったから。「公正に」ということ。徹底した調査を行い、客観的証拠によるしかるべき処分を求めた。
(JBCの調査報告書で、①フグ屋での飲食、④大震災での職場放棄の疑惑は事実と判明したのか)
・そう思っている。
(JBCの調査報告書で認定された?)
・パワハラは認められた。
(JBCの調査報告書では大部分が事実として認められなかったのでは?)
・すべてはJBCに任せた。
・われわれの認識はちがう。
(JBCの調査は厳正な調査だったと思うか。)
・そう思う。
・われわれが納得するしないの問題ではない。JBCの判断はJBCの判断。それに異議を唱えるつもりはない。
(懲戒解雇事由について。中出氏、林氏、佐藤氏、高山氏に事情聴取をしなかったのか?)
・聞く時間がなかった。
・その後、中出氏からは話を聞いた。
・「共謀者」に話を聞かなかったのは事務局の判断。森田氏の判断。秋山氏、弁護士にも相談はした。)
・メールの内容を見て解雇しかないのではと思った。
(解雇通知書中の「JACに関連する会社」とは?)
・JACに関する何らかの会社…
(解雇事由とされるほどの問題だが、その程度の認識か?)
・「その程度」というのは意味がわからない。
(IBFとの面談)
・主な出席者は、ピープルズ氏、タッカー氏、秋山氏、森田氏、浦谷氏。ボクシングマガジン平田氏作成の質問を代理して質問した。
(どういう質問をしたか)
・ボクシングマガジンの質問をした。
・高山氏については新コミッションとは無関係だった。以前は関係があると思っていた。
・佐藤氏はライセンスがないので話を聞かなかった。
・林氏には1,2月頃話を聞いた。林氏からは謝罪があった。JACの騒動について林氏は和解した。
(平成23年5月12日、安河内氏に辞任を迫ったか)
・問題が大きくなりそうだと思ったので、自分で決めた方がよいのではと言った。
(9通の書類をJBCに提出したが、あなたが騒動を大きくしたのではないか)
・試合役員会の総意だった。
(陳述書について。安河内氏による試合役員・職員らに対するパワハラに関する記述はどこまでが体験か)
・相談は受けた。体験はしていないが事実は知っている。高山氏の件はライターから聞いた。体験ではない。
(あなたは安河内氏に対して個人的な恨みはありますか)
・ありません。
(あなたの会社の口座にJBCから毎月10万円の振込があったのが、安河内事務局長になって、なくなりましたね)
・はい。
□裁判官による尋問
(安河内氏が事務局長として不適切なほど叱責した件について)
・羽生氏、染谷氏、安原氏らから相談された。
(叱責の理由を安河内氏に確認したか)
・していない。相談者の話を聞いてそう判断した。
(平成23年4月22日の会議で安河内氏の事務局長解任を求めたのは?)
・試合役員と職員の総意。
(大久保氏の名前は辞任決議にないが、総意の根拠は?)
・大部分が賛同した。
(大部分とは?)
・大部分です。
(あなたの認識ということですね。)
(報告書の提出は試合役員会に諮ったか)
・諮っていない。私の責任ではなく総意。
・安河内氏は試合役員会に来なかった。きちっとするべきだと思った。
(きちっとするとは?)
・大震災時の対応など安河内氏が自分のやったことを認めて辞めること。
(JBCの調査報告書では職務懈怠は認められなかったが?)
・辞めるべきだというのがわれわれの認識。けじめをつけるべきだ。
(JBCに斎藤専務理事や安河内氏を排除しない場合は新団体が維持されると要求したが)
・そういうことではない。きちっとした結論になると思っていた。新団体設立は試合は続けたいという気持ちからだった。役員会で決議はしていないが、試合会場でそのつど話していた。安定した精神状態で試合をやりたかった。
(安河内氏の影響とは?)
・あれだけのことをして信用が失墜したこと。
(あれだけのこととは?)
・多くのパワハラ、震災時の行動、関西での女性との交際など。
(平成23年5月31日記者会見での「JBCの調査委員会の認識は疑問だ」との発言はJBCの信用を失墜させる行為では? 調査委員会に対してではなくマスコミに対してあのように言う必要があったか?)
・何とかしてもらいたいという思いからだった。
(鮫島氏による情報漏洩の件について。伊集院氏の情報を出すべきでない理由は?)
・森田氏(事務局長)に通すべきだということ。
(内部的にルールは決まっていたか)
・あったと思う。当時私は職員ではなかったので分からない。今はある。
・戦績公表は禁じられていないが、IBFへの提出だったので禁じられている。内規にはないが今の気持ちとしてはおかしいなと思う。
(懲戒解雇について協議は開かれたか。)
・懲戒委員会かどうか分からないが協議はあった。記録は聞いたものについては残っている。
(安河内氏の2回目の懲戒解雇については)
・協議はあったと思う。私はタッチしていない。
◆羽生氏
□被告側弁護人による尋問
(陳述書にあるパワハラは体験か。)
・体験です。何もできなかったのは逆らえばクビになると思ったから。
・〔安河内氏から〕やめろ、やめろと数え切れないほど言われた。
・震災前の時点で、安河内氏は利己的で思いやりがない人物、事務局長としてふさわしくないと思っていた。
・石田氏、石塚氏も安河内氏と口を利かなくなった。
・大手ジムにはいい顔をするが中小ジムには無視する態度をとった。斎藤専務理事には必要以上にゴマをする。
・震災時に「安田を送ってくる」とすれちがいざまに言われた。混乱した現場を責任者が離れるとは考えられないと思った。鮫島氏への指示は聞いていない。安河内氏の携帯につながらず安田氏の携帯につながった(公衆電話から)。「渋滞にまきこまれた。動けないが(事務局に)帰る」と言われた。世界戦についての指示はなかった。世界戦がどのように中止になったか確認していない。安河内氏が事務局に帰ったのは見ていない。
・大塚氏は中山氏〔関西事務局長:当時〕が雇ったが、当時の事務局長の権限は絶大で、安河内氏は中山氏とも親しかった。愛人はプライベートな問題だが、採用はプライベートではない。
・辞めるべきだと思った。他の職員も私と同じ意見だった。
・斎藤専務理事は安河内氏をかばっている感じだった。
(試合役員と事務局職員有志による調査報告書と連判状の提出について)
・林コミッショナーに会ってゴタゴタの問題と安河内氏が事務局長にふさわしくないことを言いたかったが、会えないので文書にして発表した。(福地氏、染谷氏、内田氏、石塚氏、羽生氏ら試合役員及び職員8名)。安河内氏が辞めようとしないので、連判状を出した。アンケートと称して募ってはいない。
・浦谷氏が安河内氏に対して「やめろ」などと言ったことは全くない。反訳の中でも不平・不満は言っていない。
・安河内氏が業界で信頼を失っているので辞めるべきだと考えた。
・業界プロモーターが安河内氏とはできないと言っていた。
(八王子中屋ジムによる試合会場立入拒否の文書について)
・中屋会長に作ってくれと頼まれて作成した。中屋会長が署名・捺印した。
・ボクシング関係者のほとんどが解任を求めていると思った。
・第2団体設立発表時に、鮫島氏と安田氏を除く事務局職員が森田氏に辞表を提出した。
(安河内氏の降格処分後について)
・安河内氏が解雇にならなかったことに強く不満を覚えた。一緒に仕事はできないと思った。とりあえず顔を合わせないので森田氏を支えようと思った。
・森田事務局長になってからメーリングリストは使用せず、必要な時に必要な相手にメールを送った。
・安河内事務局長時代の毎週の全体ミーティングは森田事務局長になってなくなり、必要なときに担当者同士で打ち合わせをするようになった。
・安河内氏との接触を絶つように言われたことはない。
・文科省から呼び出され、山田氏に関する情報の漏洩について注意された。安河内氏らの画策だと思った。
(最後に)
・安河内氏らには処分を真摯に受け止めてほしい。
□原告側弁護人による尋問
(試合役員及び事務局職員有志による調査報告書について)
・作成した。
・調査は試合役員にききとりしたもの。複数の関係者の証言に基づく客観的事実。
・JBCの調査ではくわしくわからない。
(JBCの調査報告書で疑惑の大部分は認められていないが)
・調査委員会は実情を知らなかったのでは。JBC調査委員会の調査が不十分とまでは言わないが。
(公益通報について)
・なかなか意見を聞いてもらえなかった。斎藤専務理事にマスコミに会わせてもらえなかった。
(斉藤専務理事から調査委員会を設置する話は?)
・記憶にない。
・JBCの調査委員会の報告書は谷口弁護士に話した内容。
(陳述書を提出しているので調査委員会に伝わっているのでは?)
・そうかもしれない。パワハラの主張が認められたかどうかは分からない。
・解雇でないことを知って強く不満を持った。不満を訴えなかったのは森田氏の下で次々と仕事を処理しなければならなかったから。安河内氏とは一緒に仕事はできないと言った。「がまんして(一緒にやってくれ)」とは言われなかった。
(東日本協会理事会の内容について)
・暫定的な団体立ち上げのことかなと思った。積極的に知ろうとは思わなかった。新たな暫定団体を作ろうとは思わなかった。
(書類に「ご不明の点は『羽生氏に』」とある点について)
・問い合わせが殺到すると思った。対応するのは自分。
(協会の決定なので協会が対応するのでは?)
・ボクシング界ではJBCに問い合わせが来てしまうので。
(対応はした?)
・記憶にないが対応したと思う。
・メーリングリストは存在したが使っていなかった。使用すると混乱すると思った。
・ほとんどの中小ジムは安河内氏に反発していた。
・ワタナベジムから文書作成を頼まれたので作成した。
(「協会からの要望書に返答があるまで」と〔ワタナベ会長が〕書き足した理由は?)
・思い出せない。
(谷川氏の解雇通知について)
・秋山氏には聞いていない。森田氏と相談し、〔雇用期間が〕3か月ぐらいなら違法性はないからいいと思った。事後に秋山氏に報告して「自分に相談してほしかった」と言われた。
(陳述書について)
・〔怪文書の〕写真を見て、誰もがそう〔愛人関係と〕思うだろう。JBCの調査報告書も「親密な関係」は認めたのだから、不倫の関係を暗に認めた。
(JBCの調査報告書について)
・内容についてはよく知らなかった。
・平成26年7月以降に読んだ。ぼくらの考えていることがそのまま反映されているとは思わなかった。
・受け入れるかどうかというより、どうしようもない。
・コミッショナーに現状を知ってほしかった。調査委員会に伝わったことで現状は伝わったと思う。
・コミッショナーは解任(しようと思った)と思うが、明確な証拠がなくて解任できなかったと思う。
・こういうもの〔怪文書〕が出てきたら即クビだとみなさんおっしゃっていた。
(みなさんとは誰?)
・個人的な友人。
・森田事務局長になってメーリングリストが廃止されたかどうはわからない。
・森田事務局長になって石塚氏、内田氏が辞めた理由は聞いていない。
□裁判官による尋問
(安河内事務局長時代のミーティング内容)
・前日の試合管理、日頃の業務に関して。本来やるべきことができていないと執拗に注意された。
(たとえば?)
・とるに足らない話がいろいろありすぎて、すぐに思い出せない。ちょっとした連絡ミスで数十分、数時間も叱責された。
(叱責される理由はなかったのか)
・理由があるとしたら私を辞めさせたいから。
(調査委員会の報告書について)
・調査委員会の調査には数時間にわたって話した。
(試合役員がライセンスを返上したのは?)
・解雇じゃなければというつもりではない。現場がまわらなくなると心配したので。
(4月22日の採択は?)
・挙手という形だったと思う。全員〔安河内氏の解任に賛成〕だったと思う。
(震災時について)
・夜8時に安河内氏に電話した。
(試合会場立入拒否の書類について)
・安河内氏、斎藤氏を試合会場に入れるなとプロモーターから話があったので、必要を感じて書面をつくった。
(メーリングリストについて)
・森田事務局長になってから、全員連絡の必要な時はあったが、メーリングリストは使わず、いちいち全員にメールした。メーリングリストは安河内氏らが情報伝達に使ったように悪用されている気がした。
◆秋山氏
□被告側弁護人による尋問
(怪文書・写真を見て)
・ツチヤから告発文を見せられてびっくりした。こういう写真が出回ること自体がJBCの不徳の致すところ。一般的に見て愛人関係、男女の関係。社会通念上、ふつうの会社なら懲戒解雇。
・週刊新潮にも同様の写真が出た。日本で文春と並ぶ本に出たことはまことに遺憾。
・プライベートという見方もあるが、財団法人の事務局長、全ボクサー、全ジムの信頼を受けているのに、真実かどうはわからないが、全く以て遺憾。
・まずは本人が辞任すべき。個人的意見としては懲戒解雇が当然。
(専務理事就任の経緯)
・斎藤専務理事の辞任の意向を受け、林コミッショナーには40年来部下として仕えてきたので、火中の栗を拾うようなものだが引き受けた。
(降格の中心的理由)
・これまでの行状、実績。
・社会通念上、週刊誌に出て、JBCの社会的信用を激しく傷つけた。
・組織掌握できなかった。全体をまとめられなかった。
・JBCの調査報告書に基づくが、その上に立って判断を下すのがふつう。
・安河内氏は責任転嫁している。告発文が出回ること自体、本人の不徳の致すところ。
・斎藤専務理事も林コミッショナーも温情があった。
・ボクシング界の反応は、早く収束させてほしいというものだった。処分について理解は得られたと思う。
(労働条件について)
・林氏、秋山氏、弁護士らで・給与、勤務場所、業務内容を協議して決めた。
・職員、試合役員から顔も見たくないという声が出ていた。安河内氏がかわいそうなので別の勤務場所を私が手配した。
・一般業務は他の職員と接触・交流するもので避ける必要があった。
・一般・公益〔財団法人移行問題の研究〕を特命事項として命じた。
・業務に関する指示がなかったとの主張は安河内氏の認識不足。重大な仕事。
・職場環境はふつうであり、よくないというのがわからない。
・雇用契約書を提示した際、安河内氏は奥さんから「こんなことでは生活できない〔と言われたので〕、考えさせてくれ」と言った。
・オークションは引き継ぎをしていなかった。社会通念上は異動するものが引き継ぎ書を作るが、彼はつくっていなかった。引き継ぎは次の事務局長にするものであって、鮫島氏に言っても無意味。
(鮫島氏の公益通報について)
・「まさか陰でやらせていないだろうね」と安河内氏に言ったら「私だったらこんなことはやらない」と、自分だったら一発で悪を暴くというような意味のことを言った。
・鮫島氏は安河内氏にいちいち指示を仰いでいる。これだけのメールがあって、ないというのがおかしい。私自身は背任の疑惑をかけられて心外だった。背任といったら刑事事件として立件されるもの。名誉棄損で告訴しようかと思ったぐらいだ。
(平成24年3月30日の)
・組織図の特命事項については、最後の指示と変わらない。
(メールについて)
・メールの発見には驚いた。懲戒解雇に値するのではないかと思った。
・安河内氏に森田氏や浦谷氏が事情聴取をしたが、「わからない」「覚えていない」と言うだけだった。
・私と浦谷氏と森田氏で協議し懲戒解雇を決めた。
(二度目の懲戒解雇の理由について)
・メールその他による。共同正犯だ。
・JBCの権威を著しく傷つけた。莫大な損害を与えた。
・安河内氏は仕事は個別的にはできるが、ガバナンスをとりまとめていくについては全くできていない。安河内氏は斎藤氏、林氏〔コミッショナー〕の温情にこたえるべきなのに、それをこんな〔訴えるというよな〕真逆なことをしている。
□原告側弁護人による尋問
(ふつうの会社なら懲戒解雇というのは?)
・今もそう思う。
(降格については)
・職員、試合役員、ジム、協会から信用を失った。安河内氏が任にとどまれない世論が形成された。
・6月28日時点の報告書には自分の意見は入っていない〔任期前なので〕。
・職員・試合役員に「〔安河内氏と〕いっしょにやろうと」と説得したことはない。
・目に見える形で安河内体制の終わりを示す必要があった。移さないと収拾がつかない。試合役員や職員から年がら年中言われた。
・降格後の給与は前の事務局職員の最高給与を基にした。事務局職員に言われたものをそのまま受け入れた。確認はしていない。
・谷川氏の解雇には、「まずい」とすぐに撤回させた。〔解雇は〕就業規則に書いてあっても、慣習上そう簡単にできることではない。
(解雇事由について)
・関係者に聞いてくれという安河内氏の話は聞いていない。話は聞く必要がない。〔ライセンスのない〕高山氏や佐藤氏を咎める筋合いにはない。それだけのメールがあったら十分。今どきメールがいちばんの理由。メールを見ればすぐに分かる。
・競合する別団体を設立することによってJBCを攪乱しようとした。結果的にできていないが、そのように推測される。しかもJBCに在籍しながら、勤務時間中にメールをやりとりした。「共謀」相手に確認を取る必要はない。
・安田氏はメールの発信が1,2回であることから補助的な役割と判断した。
・それ以外にも〔解雇事由は〕ある。
(それ以外とは?)
・わからない。調査は森田氏、浦谷氏、羽生氏に任せた。調査の結果から、やっただろうと考えた。
・懲戒解雇には女性問題も加味して決めた。
・メールはJBCの名誉を傷つけた
(公表しなければ傷つかなかったのでは?)
・それだけではない。週刊誌の件もあった。
(懲戒解雇について)
・林コミッショナーは報告とその他の諸々を加味して決めたのではないかと思う。
・処分ならば理由を示す通告書が必要。
・秋山氏、森田氏のサインした通告書が、降格処分のオフィシャルな見解と認める。
□裁判官による尋問
(降格理由は①有給休暇を認めなかった件と②不利益契約変更の件でよいか)
・他に雑誌に出たこともある。それと多方面からの不信感だ。
(それらの具体的な根拠は何か)
・根拠は試合役員及び事務局職員による調査報告書や連判状などがそうだ。
(それらはJBCの調査報告書で事実として認められなかったのではないか)
・それ以外に業界全体に不信感があった。
(その不信感の根拠は何か)
・試合役員・職員による調査報告書や連判状などだ。
(勤務場所の変更について)
・松戸公産について安河内氏から異論は出なかった。
・一般法人・公益法人のいずれにするかは安河内一人で決められる問題ではない。方針決定はだいぶ後。
・具体的指示はしなかった。前からやっていたので分かるはず。公益法人問題に関して理事会に呼んだことは1,2回ある。
・試合会場への立ち入りは禁じていた。安河内氏が不信感払拭の努力をしなかったからだ。
・2回目の懲戒解雇は森田氏、浦谷氏、自分〔秋山〕が協議して決めた。
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今回の傍聴の感想としては、秋山氏が非常に信義を重んじる人物であるということである。
また、浦谷氏はIBFと安河内氏の接触についてのIBF会長からのコメントを挙げ、ボクシングマガジン誌にも記事が掲載され、「信憑性」があると述べたが、そもそもボクシングマガジン誌作成の質問をJBCメンバーが代理してIBFに質問している時点で、ボクシングマガジン誌が報道機関としての正常な機能を喪失していることは明らかであり、質問内容が示されなかった点も考え合わせ、ボクシングマガジン誌の記事にもJBCの主張にも「信憑性」は認められないと言ってよいであろう。
それ以外については、これらの証言の意味を理解するには、まだ諸々の事実、経緯を知る必要があるということである。
以上
by いやまじで