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【群馬】

強制連行追悼碑 更新保留問題 集会「追悼に徹する」

「群馬の森」に立つ朝鮮人強制連行犠牲者の追悼碑=高崎市で

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 県立公園「群馬の森」(高崎市)にある韓国・朝鮮人の強制連行犠牲者を追悼する碑をめぐり、「碑を政治利用している」と県が設置更新許可を保留している問題で、碑を管理する市民団体「記憶 反省 そして友好の追悼碑を守る会」(前橋市)は九日、「追悼に徹する」と政治利用しない考えを明記し、更新を求める回答書を県に提出した。今後の県の対応が注目される。 (菅原洋)

 追悼碑は二〇〇四年に守る会の会員らが設置し、一二年まで碑の前で追悼集会を開催。一二年の集会で一部の参列者が政治的な発言をしたとして、県は一三年から碑の前での集会を許可していない。さらに、今年一月末の設置期限がすぎても更新を保留している。

 県は、都市公園法の施行令に関する国の解説で、園内に建てる碑などについて「政治上の目的などに利用されないように留意することが肝要」とあるのを重視。碑の設置更新に当たり、守る会に対し、政治利用しないかなど回答を求めていた。

 回答書は、「追悼集会で一部来賓のあいさつに不適切な発言があった」と率直に認め、今後は碑の前の集会で「追悼に徹し、追悼に絞る」と政治利用しないことを明記。「碑の前の集会で、具体的に県からご指導をいただければ、守る会として検討する」とし、式次第などを県と事前に調整する方針も示した。

 県に回答書を提出した守る会代表委員の黒沢孝行県議は「回答書は解決に向けた最大限の譲歩。富岡製糸場などの世界遺産登録を控え、県に世界中の注目が集まる中、碑を撤去したり、保留が長引けば、国際問題に発展する」と懸念している。

 県都市計画課は「政治利用は困るが、憲法で保障された、集会での言論の自由まで制約するつもりはない。回答書の内容を精査したい」と話している。

 

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