安倍晋三首相は15日、小松一郎内閣法制局長官を交代させる方針を固めた。憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認に積極的で、安倍首相の肝いりで起用されたが、腹部に腫瘍(しゅよう)が見つかり治療を続けてきた。後任は内閣法制局の勤務が長い横畠裕介次長が有力だ。

 小松氏は外務省出身。国際法局長や駐仏大使などを歴任した。国際法局長時代には、安倍首相が第1次内閣で行使容認に向けて立ち上げた私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)の事務作業に関わるなど、首相の信頼は厚く、理論的支柱の役割を果たしていた。