巨人−ヤクルト 4回表2死満塁、左越えに15号満塁本塁打を放つバレンティン=ひたちなか市民球場で(中西祥子撮影)
|
 |
◇ヤクルト10−3巨人
ヤクルトが15安打で10点を奪い、最下位を脱出した。1点を追う3回に畠山の犠飛などで2−1と逆転。4回2死満塁でバレンティンが3試合連続の15号を放った。石川は8イニング2失点で2勝目。巨人は投打に精彩を欠き3連敗を喫した。
◇
太平洋から吹き付けるひたちなかの強風が、その時だけはやんでいた。4回2死満塁、ヤクルト・バレンティンの打球は高々と上がったが、ツバメファンが待つ左翼席になんとか届いた。
「守っている時は逆風だったし高く上がって心配したけど、いいタイミングで風が止まってくれた。ラッキー」
3試合連続となる15号は、昨年7月13日広島戦(神宮)以来、来日4年目で2本目のグランドスラム。1点差から5点リードになって試合を有利に運べただけに、小川監督は「攻撃面でも守備面でも4点というのは大きい。石川も良かったが、あの満塁弾で余裕を持たせてもらったとも言える」と感謝していた。
4月後半から13試合本塁打が出なかった時期があっても、本塁打レースの両リーグトップを走る。「去年がすごすぎたから、周りは過剰に期待してしまうけど、ヒットも本塁打も出てるし四球も選べている。十分でしょ。一時に比べると低めを我慢して粘れてきた」と、真中打撃コーチも復調に太鼓判を押した。
今季の15発のうち、巨人戦が最多の5発。対戦打率も他の4球団が2割台なのに対し、巨人戦は4割1分4厘とキラーぶりを発揮している。「巨人は歩かすより挑戦してくれる。それは自分の好きなタイプ」と、不敵に笑った。
チームも巨人に2連勝して最下位脱出。15日の巨人戦に勝てば、今季初の同一カード3連勝となる。カギはやはり、バレンティンが握っている。 (竹村和佳子)
この記事を印刷する