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「レナード現象には理由がある」って本の中にある「まじめな人には裏がある」を思い出した。
この本の中で、原発の話ではないけれど、息子がゲイを告白し、男の恋人を連れてきた親が、どういう風な反応をしたか
という話がすごく面白かった。
息子がゲイであるなど、全く想像もしていなかった親は、息子たちが一生懸命親に認めてもらいたいと思っても話を左から右へ受け流すのだ。
表面上は穏やかに話を聞いているのだが、実際は全く情報をインプットしていない。受け付けていない状態。
そのことを「耳に瞬膜ができる」という表現で説明していた。 その表情が狂気じみた感じで描かれていてまた面白い。
「耳に瞬膜がかかる」とゆーのは、川原泉さんの「まじめな人には裏がある」というマンガに出てきた表現です。
聞こえているけど脳に届いていない状態を指します。
ここからが面白いのだが、その息子の恋人がめっちゃ論がたつやり手の人間で、
きかなかったことにしよう、聴いたふりをしてやりすごそうという親の首根っこを捕まえて
自分の話に引きずり込み、有無を言わさず納得させていくのだ。
この時、説得されている親は、マンガ的表現で、蛇に睨まれたカエルとして表現されていた。
親は石化し、そのまま蛇に頭から飲み込まれていく、そして、話が終わった後にはすっかり受け入れてしまっていた。
その時は、もう表情が最初と全然違ったものとして描かれていて、それがまた面白い。
そのくらいやらないと、固定観念を乗り越えて人の考えを変えるというのは難しいのかもしれない。
ちなみにこの「耳に瞬膜」というのは私が仕事をしていても実感するところで、
どんなことでも、その人の固定観念に反することを話したら、1回や2回では全く相手の思考は変わらない。
それどころか、そもそも全くこちらの話に対して脳が働いてないな、と感じることがよくある。
上司は、基本的には部下の仕事や主張なんぞに対して脳を働かせないと思ったほうがいい。これは老害じゃなくてもそうだ。
「お、こいつ、なんか重要なこと言ってるぞ」って思わせない限り、上司は自分のいうことをほとんど適当に聞き流している。
脳を四六時中働かせていたら、疲れきって8時間も10時間も労働できないだろうからそれはまぁ当然だろう。
働かせるにしても、まず自分の仕事、であって、他人の、まして部下のことについてまで脳を常時スタンバイ状況にしておくのは逆に非効率だ。
だから、こういう人に対して、まず思考をこっちに向けるには、まず相手をびっくりさせたり、無視したりできないと思わせる必要がある。
相手が、自分の話に対して、まず脳を働かせる状態をつくるために、いろんな仕掛けが必要だ。
根気強く語りかけても通じない人は、この耳に瞬膜がかかっている状態である。