ハイチ沖沈没船、やっぱりコロンブスの船か?米海底探検家12年越し調査
カリブ海の島国ハイチ沖の海底で2003年に見つかった沈没船を調査している研究チームは13日、この船が1492年に探検家コロンブスが初めて米大陸に到達した時の旗艦「サンタマリア号」の可能性が強まったと発表した。当時使われていた大砲の特徴が、沈没船の大砲とよく似ているという。
ハイチ沖の海底深くに沈んでいた残骸が、1492年末に沈没した「サンタマリア号」と一致する可能性が高まった。
米CNNなどによると、米海底探検家のバリー・クリフォード氏(68)らの調査チームは03年、サンタマリア号が沈没した場所と同じ地点で船の残骸を発見。当時の調査では、サンタマリア号のものとは別の船と判断された。
クリフォード氏は、それでもあきらめなかった。12年に、コロンブスの時代に使われていた大砲について詳しく調べ尽くし、大砲の特徴が一致することを発見。4月下旬に専門家チームを率いて現場へ戻り、改めて沈没船の計測や写真撮影を行った。
その結果、大砲などの形状がサンタマリア号とほぼ同じであることが判明。船体も同じ大きさで、現場から見つかった石も、サンタマリア号に使われていたスペイン原産の石と一致した。
「地理的にも考古学的にも、細部に至るまでサンタマリア号と一致した」とクリフォード氏。「数か月以内に考古学的な検証も行う予定だが、ついにその場所を発見したと強く確信している」と歓喜の声を上げている。クリフォード氏によると、ハイチ政府の協力が得られれば引き揚げも可能だという。
サンタマリア号の残骸発見となれば、約500年の時を超えた世紀の発見となるが、一部研究者からは「さらなる検証が必要だ」との慎重意見も。ハイチ当局者は否定的な見解を示しているという。今後は考古学的調査を追加する予定で、あらためて考察を深める。
「サンタマリア号」はコロンブスが率いていた船団3隻のうちの1つで、旗艦船。1492年8月にスペインを出港し、同年10月にハイチ北岸沖で座礁、沈没したとされる。その残骸を利用して要塞を造り、当地はアメリカにおけるスペイン初の入植地となった。コロンブスは残る2隻で翌年1月にスペインに帰国した。