■誰もが「自分ばっかり忙しい」と思っている
後輩も先輩も、派遣もバイトも、みんな「自分は大変だ。自分に仕事が回ってきて、自分ばっかり忙しい」と思っている。
仕事ができないと思っていた後輩の口癖は
「俺は忙しいんです」
だ。あんまり、仕事は抱えていないはずなんだけど・・・。
Chromeのインストールも自分でできないような派遣の方も、ある仕事の進捗を尋ねたら、
「私は忙しいんです」
と言っていた。
仕事ができる先輩も、
「俺ばっかり仕事が回ってきやがる」
みたいに言っていた。
誰もがみんな、自分はすごく忙しくて、自分ばっかり頑張っているように思っているのだ。
みんな、主観で忙しいのである。
ただ、そんな中、本当に仕事もできて人間的にもカッコイイ先輩は、どんなに仕事が回ってきても、黙々と、淡々とこなしていた。
こういう人になりたいと思った。
■マネジメントと将棋の関係
大企業だとありがちなんだけど、協力会社さんや部下が手を動かして、それをマネジメントする人(というか指示する人)が評価される。
もちろん「ビジネスの形態」としてはマネジメントは絶対に必要だ。
プロジェクトメンバーをマネジメントして、全体を最適化する仕事はとても大事なこと。
でも、それは「個人としての実力」なのかと言われると、若干「?」となる。
もちろん、マネジメントスキルっていうのはあると思うけれど、
将棋にたとえると、金とか銀とか飛車とか大量に持っている状態で闘いに挑むのと、
歩兵と王将だけで闘いに挑むのではまた話が違うだろう。
優秀な部下(飛車)を抱えれば、闘いはめちゃくちゃ有利になる。
そういう人と、歩兵だけで闘っている人を比較するのはちょっと厳しいだろう(笑)
マネジメントを評価できるのは結果でしかなく、要は金になったかどうか、納期・品質・コストを順守できたかどうかだと思うんだけど、なんていうんだろ。
うまいこと結果を残した人がめちゃくちゃ優秀ってわけでもないかもしれない。
だって、飛車とか角を大量に持っていたのかもしれないんだから。
駒を集めるのも才能っちゃ才能な気がするけど。
政治力なんかね?
■手を動かす人が評価されるとは限らん
あと、前にいた会社の話なんだけど、プロジェクトマネージャーという立場じゃなくても、中堅の人は協力会社さんを何人か従えたりもする。
ただ丸投げしてソリティアやってる人でも、協力会社さんの成果を自分のもののように語ったりしていて、それってどうかなーと思ったこともある。
逆に、自分で手を動かして、人に投げない人もいるけど、その人の方が評価されなかったりする。
だって、平気で丸投げする人は10人の成果を自分の成果のように語るんだもの。
で、手を動かして頑張る人は優秀で、3倍くらいの生産性で頑張っても、成果物としては上記の丸投げソリティアさんには勝てないよね。
人に平気で丸投げできる面の皮が厚い人が勝つってのもちょっとどうかな、と思ったよね。
■「X年後の自分の市場価値」を考えている人と、考えていない人では働き方に差が出てくる
「会社の会議ルール」や「(時代遅れの)標準化ルール」、「会社内での申請などのルール」。
それらはその会社で働いているうちは確かに大事なもの。
でも会社から独立した、「いち個人としての市場価値」を考えると、それらは決して自分の市場価値を高めるわけではない。
だから、それらの変なルールにとらわれ過ぎないように、できるだけ客観視するようにしよう。
逆に、会社の中でしか使いようのないルールなどにやたら詳しい40代の社員がいる。
社内ルールにはやたら詳しく、自分では全く手を動かすことはせず、会社の外では全く役に立たなそうなヒトが出世していたりする。
でも、こういうキャリアの積み上げ方はとてもリスクが高い。
というのも、会社との関係が「密結合」になりすぎているからだ。
会社が潰れるとその人も一緒に潰れてしまうし、恋愛と同じで、「他に選択肢がない」状態だと非常に弱い立場になってしまう。
会社にとって本当に必要な人材って、
会社に尽くして尽くして、
「僕には特に取り柄もないけど、ずっと尽くしてきました。この会社しかないんです」
という人ではなくて、
「他の会社からも誘われるくらいのスキルもあるけど、今の仕事も楽しいし待遇もいいのでここで働きます」
って人なんだよね。
そういう意味でも、今の若い人は会社にぴったり依存するようキャリアを歩むべきではない。
技術の習得についても同じで「その会社でしか使わない技術」にのめり込まないようにしないと、
会社が潰れたら何もできない人みたいになってしまうので、注意が必要だ。
■学ぶ意志の無い人に何かを教えることは難しい
後輩に業務を教えていて思うんだけど、「会社でしか学べない業務知識」の他に、Javaなどのプログラミングの基本とか、Linuxの基礎知識、データベース・・・など、
技術的な基礎知識っていうのは多く存在する。
個人的にはそういうのは、自分が業務外の時間を使って勉強するべきだと思っているし、自分はそうしてきた。
てゆうか、そうじゃないと、会社が学校みたいになるじゃないか(笑)
会社っていうのは、「組織として成果をあげる場所(お金を稼ぐ場所)」であって、「お勉強する場所」ではない。
新人なら別にいいんだけど、社会人X年目になっても、いつまでもお勉強感覚が抜けない人もたまにいて、その辺モヤモヤしている。
僕に手取り足取り教えてください、みたいな。
で、次に続く。
■業務時間外の学習を強制することはできない
基礎知識は業務外に勉強するべきだという話はしたけれど、それを他人に強制することはできない。
だって、会社を出たらその人のプライベートの時間なんだからね。
会社外での勉強が苦痛なくらいなら、そもそも適正が無い気もするけども。
で、そうすると、業務に必要な知識は業務中に身に付けなさい、ということになる。
でも、業務だけで身に付けられる技術知識は限られているというか、業務中にそんなイチから勉強している暇(教えている暇)はさすがにない。
元々情報系だった人なら、OJTでガンガン実戦に則した知識を仕入れていくのがいいと思うけど、そうじゃない人はやっぱり基礎は勉強しないといけないと思うんだよなぁ。
その辺は、個人の裁量に任されるというか、個人の意識次第。
俺個人としては、自分の時間でも勉強するほうが絶対いいと思う。
仕事も楽しくなるしね。
■技術の勉強する人には技術的な仕事が回ってきやすくなる。でも、技術的なことが「偉い」わけではない
新しいことも勉強して、色々と器用にこなせるようになると、「技術的な」仕事が色々と回ってくる可能性が高くなる。
これはけっこう嬉しい事で、ひとつは「こいつならやってくれる」と期待してもらっているからで、もうひとつは、「他にやれる人(やろうとする人)」がいないからだ(笑)
別に技術的な仕事が回ってこない人も、それ以外の仕事をやって忙しいわけだから、技術的な仕事が"偉い"わけでは決してない。
ちなみに、この「技術的」「技術的じゃない」という表現はわかりづらいと思うけど、例えるなら技術の勉強をしている人にはプログラミングの仕事が回ってきて、技術がない人には書類の申請のような仕事が回ってくるイメージ。
"shut the fuck up, write some code."
(ごちゃごちゃ言ってないでコード書け)
が文化のところだと、技術者とそうでない人の扱いの差はハッキリすると思う。
でも、とりあえず俺が働いてきた何社かのSIerに限れば、コードやそれ以外の技術的なことだけが仕事ではなかったので、お互いの仕事はそれぞれ尊重するべき。されるべき。
ただ、俺は技術が好きなので、もっと技術的な仕事が回ってきてほしいと思っている。
できれば、他の人がやらないことをやってる場合は、ボーナスを少し上げてもらえれば嬉しいのだが・・・笑
■面倒くさい調べ物とかもコツコツやっていると、いつの間にか守備範囲が広がっている
色々投げてくる人がいてムカつくこともあるかもしれないけど、そういうのを面倒臭がらずに丁寧に対応していると、いつの間にか自分の技術の幅が広がっている。
とりあえず投げられたってことをどう捉えるかで、自分の成長が変わってくる気がした。
わかんないことがあってもとりあえず調べて、あとはソッコーで関連書籍を買いまくって、徹夜でもなんでもいいから勉強して体系的な知識を頭に残す。
で、それを結果として会社でアウトプットするといいことあるかも。