センバツ剛腕列伝:/2 元祖エースで4番 広島商・灰山元治

毎日新聞 2013年02月10日 大阪朝刊

 ◆第8回(1931年)

 「投手=1」「捕手=2」……。野球史上初めて背番号が採用された大会に、「エースで4番で主将」という劇画の主人公のような逸材が現れた。

 前年春も出場したが、初戦で平安中(京都)に完敗。雪辱を胸に、猛練習に耐えて成長した。当時、広島商で取り入れていた、精神統一のための日本刀刃渡りも、足がすくむことなく、しっかりと立てるようになっていた。

 右腕はさえ、初戦の坂出商(香川)で大会史上初の無安打無得点試合を達成。準々決勝では前年準優勝の松山商(愛媛)を七回まで安打を許さず完封。決勝では中京商(愛知)を零封して、史上初の夏春連覇を達成した。

 卒業後は慶大に進み、広島カープの2軍コーチなどを務めた。

最新写真特集