私はとってもネットに疎い。
仕事のせいにするつもりはないけれど、まず私の生活においてネットってそんなに必要ではなかった。いまでこそ、ネットに触れる機会が増えたけれど、調べ物は「本」、もしくは「人に聞く、人を見て学ぶ」、リアルタイムの情報は、ラジオ。
すごく狭い情報源の中で生活していたのかもしれないけれど、困っていなかった。
そんな私がツイッターやブログに手を出したのは半年前くらい。
世の中には色んな人がいるんだな~と思うのと同時に、ネットから色んな情報が発信されているんだな~ってびっくりした。
私はなんのために「はてな」で記事を書いてるんだろうとぼんやり考えていて、私は、自分の気持ちを整理するために書きはじめたのです。
だからこんな駄文が誰に届くかなんて想像したことがなかったし、ましてや読み手を想像したことなんてさらさらない。
でも先日、この記事を書いたときに、なんの経由か知らないけれど、発達障害のお子さんを育てている保護者の方々の会話に私の駄文がツイートされていた。
イラっとしたことなんてありません - 感情迷子中のあんずです。
個人日記以下の文章が????え?って、正直驚いた。
私の駄文を挟み、議論をしてくださっていた。この記事は福祉職員としては本当に当たり前の事を書いた。保護者からしたら、家族だとこうは思えない。とのこと。おっしゃるとおりだと思う。
私は仕事だから、イラッとしないのであって、ご家族の皆さんは365日24時間介護をしているわけで、介護じゃなくとも子育てにしてもね、割り切れないことが多くて当然だと思うんです。
ご本人の支援(お手伝い)ないし介護は、もちろん重要なのだけど、ご家族の負担を減らすのも福祉に従事る関係者は考慮するべきだと私は思う。
私は昔、障害者の方が、学校を卒業したあとの受け皿対策として作った施設に勤務していました。
高校を卒業したあと、進学したり就職したり、あと、なんもしなかったりするじゃないですか?
障害者の方も同じように高校を卒業したあと、進学(けっこう少ない)したり、就職(なかなか難しい)したりするのですが、はてさてどーにも進む道がなかったりするんです。
その時に、施設が受け皿になるのです。
施設にも色々あって、一般企業への就職を目指したり、皆さんの街にあるかわからないのですけど、障害者の方たちが、お菓子や物品を作って販売したり、めっちゃ不便な場所にひっそりとなんか建っている施設があったり、障害の重さで通う施設が違ったりするのですが、前置き長くてすみません。
その施設で勤務しているときに、すごく「預かっている」を感じたんです。
高校卒業した18歳の人間が、9時から15時くらいまで施設で何かをする。
社会人になりたてほやほやの私は、とにかく不思議。
なんか、9時から15時まで、支援といった名義上のお預かりをしているかんじ。
わからん、私18歳の頃、自分の好きなことしていたと思うのね。だがしかし、障害ゆえに、もしかすると今日は行きたくないと思っている施設に、9時から15時までいるかもしれないじゃない?
みんなだって、今日は会社や学校行きたくないな。だりいな。って思う時あるでしょ?
障害者だろうと高齢者だろうと子供だろうと、同じ気持ちだと思う。
ホントは行きたくないって意志疎通ができたらいーよね。でもできない人もいるわけで。
だりいな。と思いながらも、働いたり学校行ったり我慢して生活しているのも事実で。
そしたら、9時から15時の間、その方々が嫌々ながらも施設に来てくれたなら、何をしたら充実化を図れるんだろうと考えた。もちろん、100%その方々の意見に添えていないと思う。思うけれど、10人いたら10通りの、コミュニケーションがある。
興味を示してくださればラッキー。別に無理に何か作業をさせなくてもいいとも思う。
絵なんて描きたくないだろうに・・・とも思う。
「させる」という行為をいかに無くすか。
たまたま私が運営していた施設はクッキーを作っていました。クッキー作りなんぞ私はしたことなかったですし、得意でもありません。お菓子作りがめちゃくちゃ上手な利用者さんに教わっていました。中にはクッキー作りより、草むしりをするのがとても上手な方が居たり、地域のクリーンデイに参加してみたり、はたまた、この才能を生かせやしないかと、不動産屋に行き、業者よりも安価で綺麗に草むしりができる!!と営業してみたり。
社会参加とともに、地域へのアピールをする。
障害者だからとお断りされることも度々あったけれど、結局あのとき感じたのは、障害者の方とどう接したらいいか分からない、何かあった時に対応できない。もちろん、気持ち悪いと言われたりすることもありました。
でも、そこさえクリアすれば、社会参加は難しくない。
こういうわけもわからん野次を飛ばされたら、ご本人もだけど保護者だって辛い。それを誰にも言わずに抱え込むのは、どう考えてもしんどい。
社会参加していくうちに「おはようございます」という挨拶ができたとする。ご本人も以前できなかったことができると自信に繋がる。成長が全てではないけれど、できることが増えると誰しもやはり嬉しいものなのではないか?と思う。成長している姿を感じると、やはり保護者も嬉しい様子。
9時から15時の間、ご本人にとっていかに有意義な時間を過ごせるか、私の自己満足かもしれないけれど、ご本人とコミュニケーションを取りながら、模索し成長が実感できることで、預かっているという感情は減った。
もちろん、預かっているんです。数時間でも、命は預かっているんです。
職員は偉いわけでもないですし、人間です。家族の代わりもできません。し、ご本人の人生を背負うこともできません。
一生のほんの一部の時を全力で、伴走するかんじです。
それでも、ご家族の負担が少しでも減るのなら、この仕事に就けてよかったと思います。
※障害者の通所施設について書かせて頂きました。
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昔、テレビで放映されていました。