(2014年5月14日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
欧州司法裁判所でのグーグルの敗訴は、大きな波紋を呼びそうだ〔AFPBB News〕
これはたまげた、予想外だ、ひょっとしたら革命的な変化が起こるんじゃないか――。欧州のデータプライバシーの新たな基準を打ち立てることになるグーグル側の敗訴に対し、法曹界が最初に示した反応はこのようなものだった。
欧州連合(EU)の最高裁判所に相当する欧州司法裁判所は、EUの法律には「忘れられる権利」が存在しており、グーグルはこの権利を守る義務を負うと事実上結論づけた。
つまり、請求があれば、グーグルは有害な、あるいは望ましくない個人情報を同社のサーバーから削除しなければならない。たとえそれが、他のどこかで合法的に公開されたものであってもだ。
これにより、グーグルの検索事業は個人からの請求にさらされる恐れがある。自分に関する不快なコメント、裁判所から受けた他人に知られたくない命令、見れば赤面してしまう自分の写真などへのリンクを削除せよという請求が舞い込むかもしれない。しかし、話はそこでは終わらない。
判決は「大規模な私的検閲に道を開く」
この判例はEU全域に適用されるため、グーグルやその他のオンラインパブリッシャーは、ウェブ上のコンテンツへのリンクをどのように扱うべきかを一から考え直さなければならなくなるだろう。ブリュッセルでハイテク企業のためのロビー活動を行っている団体CCIAのジェームズ・ウォーターワース氏は、「今回の判決は、欧州での大規模な私的検閲に道を開くものだ」と述べている。
今回の判決は、1995年(グーグルの創業者たちが大学で出会った年)に採択された「EUデータ保護指令」を解釈し直し、インターネット時代に適用したものだ。
これによれば、グーグルおよびウェブサイトをインデックス化したあらゆるリンク集は、たとえ自身のサーバーでコンテンツを処理してその結果を表示しているだけだとしても、このコンテンツそのものについて事実上責任を負うことになる。
この判決の影響は、グーグルにはとどまらない可能性がある。恐らく、ツイッターやフェイスブックといったソーシャルメディアでの検索にもこの判決は適用されるだろう。10代の頃に若気の至りで撮った写真、ソーシャルメディア上の侮辱的なコメント、悪い評価、悪質な言いがかり、裁判所の命令の通知や企業の業績情報などへのリンクを削除してほしいという請求が出てくるかもしれない。