死神くん #4 2014.05.10

(監死官)新たな死亡予定者が決まったようだぞ。
(主任)これは…。
(死神No.413)どうかしましたか?人名の記述がない。
不完全な死亡予定だ。
書類のミスかよ。
調べ直したほうがよくね?いやいや時間がない。
死亡時刻は今からわずか4時間後だ。
えったった4時間でやり残した事をやるよう伝えるんですか?しかも名前もわからない人に。
担当者は困るでしょうね。
いやいやいや他人事の様に言わないでくれ。
君の担当だ。
えっ?「死亡予定時刻本日午後6時」「グランドゲートホテル1304号室で事故死」「担当No.413」人名欄は空白か。
じゃあ一体誰に死期を告げれば…。
ぐちゃぐちゃ言わねえでとっとと行けよカス!要はこの部屋に泊まってる人間って事だろうが!なるほど…。

(山口真奈美)雄司さんこれって…。
(南雲雄司)誕生日までには入籍出来るといいな。
あっ…。
いやぁよかった。
どうやらあなた1人しかいないようだ。
部屋間違えてない?ルームサービス頼んだ覚えないけど。
いやそうではなく大切なお知らせをお届けに伺いました。
お知らせ?はい。
おめでとうございます。
あなたが死亡予定者に決まったようですのでお迎えに。
(ドアの開く音)
(雄司)遅くなってごめんな真奈美。
往診が一つ入ってさ…。
もう1人…いる?その代わりシャンパンとケーキは奮発したぜ。
ハッピーバースデー。
ありがとう。
参ったなぁ。
これじゃあどっちが予定者か…。
なんだルームサービス呼んだのか。
あっいやそうではなくてですね本来は1人にしか姿を見せられない決まりなんですが本日は特別な事情で部屋にいる人間全てに自己紹介させて頂こうと。
あれ?ちょっとすいません名刺…名刺…。
なんなんだ?こいつ。
さっきから挙動不審なのよ。
(電話)はい。
ええ1304号室の南雲ですが。
えっ?わかりました。
お引き受けします。
どうしたの?
(雄司)宿泊客に心臓病の子供がいて容体が悪いんで母親が医者を探してるんだと。
日曜なんでなかなかつかまらないらしい。
こんな時にも仕事入れるの?仕方ないだろ苦しんでる子供がいるんだぞ。
でも今日は私とあなたの最後の夜なのよ。
あの…お取り込み中申し訳ありませんがようやく名刺が見つかりましたので。
まだいたのかよ。
とっとと出てってくれよ。
あの…いやちょっと…しかしあの私はその…。
(ノック)
(高野洋子)フロントでご紹介頂いた高野と申します。
あっはい。
(洋子)すごい熱で意識も朦朧としてて。
先生亘を助けてやってください。
ひょっとしてこの人たちもこの部屋に?かなり熱が高いみたい。
亘君ベッドで横になろうか。
ね。
いいのか?仕方ないじゃない。
看護師が病人を放っとけるわけないでしょ。
お願いします。
参ったなぁ。
新たに2人も候補者が。
おい君。
水と氷持ってきてくれ。
大至急だ。
はい。

(須藤五郎)どけどけ!あなたもここに?ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…。
(洋子)ああーっ!全員手を上げて窓際に並べ。
あの…立ち入った事を伺うようですがナイフに付着したその赤いものは?人を殺してきたんだよ。
殺人犯?
(須藤)安心しろよ。
妙なまねさえしなければ危害は加えない。
しばらくここに潜んで警察の捜索状況を見極めたいだけだよ。
ますますややこしい事に。
早くしろよ!あんたもだよ。
えっ?早く!はい。
通報防止のためだ。
携帯出しな。
ほらあんたもこの中入れろ携帯。
携帯!あんたも携帯は?あっ…持ってません。
今時携帯持ってない人間なんかいるのかよ。
いや人間じゃありません。
あ?あっあのごあいさつ遅れました。
私あのこういう者です。
はい。
そちらの2人もどうぞ。
はい。
はい。
「霊界行政機関」?「霊魂取扱官庁」?
(洋子)「死神」?何が死神だよ。
ふざけてんのか!いえ至って真剣です。
何…!?浮いた。
これで信じて頂けないならば…。
(須藤)消えた…。
(真奈美)本当に死神なの?
(洋子)死神っていう事は誰か死ぬの?いやぁよかった。
ようやく信じて頂けたようですね。
実は本日午後6時にこの部屋で誰かが事故死する運命となりましたのでお迎えに上がった次第です。
(洋子)この中の誰かが死ぬって事?そういう事になりますかね。
なんなんだよそれはよ。
俺は嫌だぞ。
親父の病院を継いで経営を立て直して多くの患者の命を救わなきゃいけないんだ。
俺だって嫌だよ。
何が事故死だよ。
あの…この部屋で事故死する運命ならみんなでこの部屋を出れば誰も死なずにすむんじゃないでしょうか。
(爆発音)なんなの?今の音。
何か爆発したような音がしなかったか?
(非常ベルの音)
(アナウンス)「火災発生火災発生」「誘導員の指示に従って速やかに避難してください」
(須藤)火事だ!
(非常ベル)
(咳)
(洋子)なんなのよその煙?
(雄司)駄目だ逃げられない!
(洋子)逃げられないって?
(須藤)何がどうなってんだよ!?
(咳)なんだよこれ…。
誠に申し訳ありませんが運命からは逃れられない規則になっております。
(消防車のサイレン)
(雄司)それじゃあ死神さん…。
事故死っていうのは火災事故って事か?う〜ん…そういう事になりそうですね。
やっぱり誰かが死ななきゃならない運命なの?それなら適任者がいるよ。
なんだよ。
俺に死ねって言いてえのか?だって殺人犯だろ。
別に殺したくて殺したわけじゃねえぞ。
不可抗力だよ。
チンピラに絡まれた少女を救おうとしてな。
逆にナイフで襲われてもみ合ううちに刺しちまったんだよ。
信用出来っかよ。
(雄司)あんた警備員なのか?2人の命を救って表彰されたよ。
市民を守るヒーローさ。
えっヒーローなんですか?正義のために戦って光線を出したり悪者をやっつけたりして子供たちにも人気のあれですよね?いやぁお目にかかれて光栄です。
というわけだから生きる価値はあると思うがね。
俺以外の奴が死ぬべきだ。
えっ…。
この子はもう手遅れかもしれない。
治療せずに放っておけば自然と…。
待ってください。
まさか見殺しにする気ですか?いやでもヒーローは正義と子供は守るはずじゃあ。
ヒーローだって人間だよ!その医者だってよ自分が死ぬとなりゃあ誰かを犠牲にして助かろうって考えるさ。
雄司さんはあなたとは違うの。
そんな人間じゃないの。
どうしたのよ雄司さん。
亘はまだ4歳なんです。
これから色んな経験をしなきゃいけないんです。
この子だけは助けてください。
子供を亡くす母親の気持ちも考えてあげてよ。
けど誰かが死ななきゃいけないわけだろ!この子を守りたいっていうんならあんた代わりに死んでくれるのかよ?いいわよ。
えっ?
(真奈美)私ね…。
雄司さんと別れたら自殺するつもりだったから。
何言ってんだよ真奈美。
わかってるのよ私。
どうして雄司さんが私と別れるのか。
院長先生が電話で話してるの聞いちゃったの。
財閥の娘さんと結婚するんでしょ?私が死んだら後腐れなく別れられて楽になるわね。
何言ってんだよ真奈美。
自殺じゃなくて事故死なら雄司さんに迷惑もかけないし。
これで決着よ死神さん。
ああの…皆さん誤解なさってるようですが誰が死ぬかは私が決める事ではございません。
(真奈美)えっ?
(洋子)死神なのにそんな権利もないの?下っ端の使いっ走りかよ。
ぼけた顔しやがって。
いや別に下っ端とかではなく…。
じゃあなんのために現れたんだよ?死の運命を背負った人間に心残りのないようやり残した事をするようお勧めするのが私の仕事でして。
あっまずいですね。
残り3時間を切ってしまいました。
たった3時間でこの状況で何が出来るんだよ。
そうだ。
救助はどうなってる?電気回線はもうやられたか。

(アナウンサー)「火元は13階機械室と見られ廊下の電源盤が故障してスプリンクラーも作動しなかった模様です」「現在火は13階廊下に広がっており消防隊員が入るのも難しい状態だという事です」最悪の状況だ。
ねえ煙。
(洋子)まずいわ。
煙が入ったら亘の心臓に負担がかかる。
なんとかしてよ!うるせえな!でかい声でギャーギャー騒ぐなよ!
(須藤)死神によれば1人しか死なない運命なんだろ。
だったら生き残るほうに賭けるさ。
(主任)死亡予定者はわかりましたか?いや部屋に5人もいやがった。
人間のエゴが渦巻いて大騒ぎだよ。
困りましたねぇ。
ここから1304号室で死ぬ人間のデータを探してください。
は?これ1人で?失態続きの死神No.413です。
担当監死官の君が万全を期す必要がある。
なんであんな奴の担当になったか…。
あのさ別の死神に担当替えしてもらえない?しかし引き受け手がいるかどうか。
奴のせいで私の査定までボロボロなんだよ。
このままじゃ私は…。
これってひどくね?不公平じゃね?監死官No.45!怒った顔かわいいですね。
は?今夜どうです?じっくり付き合ってくれたら担当替えも考えますよ。
それってセクハラじゃね?過去の失点ももみ消せますが…。
しかもパワハラじゃね?どうやら真面目に仕事をする気になったようですね。
実に残念だ。
いつまでそうしてる気ですか?どなたかは今日6時には命を失うんですからもう少し有意義に過ごしたほうが…。
(雄司)この状況で何が有意義だよ!あっいやでも出来る事あるでしょう。
例えば家族や友人に電話でお別れのあいさつをするとか。
大事な伝言を伝えておくとか。
家族や友人なんていねえよ。
私だってこの子の父親は家を出てったっきり行方不明だし。
あっ…でもあなたには婚約者がいるんですよね?電話なんて出来るわけないじゃない。
私とホテルにいるなんて知られたら婚約は破談になるもの。
(咳)どうしたの?亘。
大丈夫?誰か助けて。
様子がおかしいの。
焦っても無駄さ。
死ぬか生きるかは運命で決まるんだ。
いやでも随分苦しそうですよ。
じゃあそういう運命だったって事じゃないのかよ。
勝手なまねすんなよな!その子が回復したら俺たちに死の運命が降りかかるかもしれないんだぞ。
あなたヒーローなんでしょ?苦しんでる子供を見て放っとけるの?
(子供)お母さん助けて!
(母親)助けてやってください。
(子供)ねえ助けてよ!あんな危険な状況なのにおびえてる子供を放っておくの?
(子供)助けて!
(母親)お願い!
(子供)ねえお母さん助けて!
(子供)助けてよ!
(高野亘)ハァ…ハァ…ハァ…。
大丈夫だよ。
すぐ楽になるからね。

(亘)ハァ…ハァ…ハァ…。
ハァ…ハァ…ハァ…。
お母さん亘君の服をめくってもらえますか。
(洋子)はい。
これを頼む。
少しは冷静になったみたいね。
俺と君が助かる事しか考えられなかった。
医師失格だな。
恥ずかしいよ。
亘君のためにも煙をなんとかしないとな。
あっそれなら今ヒーローさんが煙の侵入を防ごうと活躍中ですよ。
憎まれ口を叩いてはいましたが結局は子供のために活躍する。
ひねりのきいたヒーローなんでしょう。
信じてくれなくてもいいけどさどうかしてたんだよ俺も。
(咳)人を殺したって事にずっとおびえてて…。
悪かったって思ってる。
俺も自分が恥ずかしい。
こっちは終わったわよ。
亘君の様子も落ち着いてきたようだ。
よかったぁ。
ありがとうございます。
ようやく皆さん自分を取り戻せたようですね。
しかし室温がどんどん上がっているようです。
廊下の火の状況が心配ですね。
(須藤)火がどうだろうが1人だけ死んであとは助かる運命なんだろう。
いやそれがちょっと不安になってきまして。
えっ!?この空白の死亡予定者欄にひょっとして複数の名前が記されるべきだったのではと。
1人だけ死ぬんじゃなかったのかよ。
複数の死者が出る可能性も完全には否定出来ません。
おいなんなんだよその適当な死亡予告はよ。
ねえその死亡予告自体が間違ってるって事はないの?いやそんなはずは…。
(洋子)もういいわよ。
そんないい加減な死亡予告ならみんなで助かる道を探しましょう。
こんな奴の言葉を信じるより全員が助かる方法を考えよう。
こんな奴って…。
おいスプリンクラーの手動スイッチがあるぞ。
(雄司)この部屋を出てすぐの廊下の壁だ。
これでスプリンクラーを作動させられたら火を弱められるかもしれない。
そしたら救助隊がここまで来れる。
でも廊下は火の海なんでしょ。
スプリンクラーのスイッチを押すなんて危険な役目誰が…。
大丈夫ですよ。
2人の命を救って表彰されたヒーローさんがいますから。
お願いします。
助けてください。
無理だよ俺には。
えっ…。
俺はヒーローなんかじゃない。
役立たずの駄目な男だ。
でも2人も救ったんでしょ?俺の力じゃないよ。
あなたの力じゃない?悪魔の力だよ。
悪魔?こんな時に何ふざけてんだよ!
(須藤)本当なんだよ!悪魔と契約したから…。
恐怖心を取り除いてもらって少年が助けられた。
持てるはずのないガレキを持ち上げてばあさんを助ける事が出来た。
悪魔が2つの願い叶えてくれただけなんだよ。
どうしてもそうだって言い張るんだったらまた悪魔の力を借りて全員助けてみろよ!それは駄目です。
3つ目の願いを叶えたら魂を奪われてヒーローさんは死ぬ事になる。
じゃあどうすれば…。
悪魔の力が借りたいんだったらあんたらが呼べばいい。
こころの中で念じるだけで大喜びで飛んでくるぜ。
念じれば来るのね。
いやそれだけはやめたほうが…。
あんたは黙ってて!子供を助けるためなら悪魔にでもすがるわよ。
やめろって言ってるのに!
(雷鳴)何これ…。
最悪の事態が起きてしまいましたよ。
(雷鳴)
(悪魔)僕をお呼びのようですね。
僕をお呼びのようですね。
ああ!ヒーローさん。
3つ目の願いは決まりましたか?俺が呼んだんじゃない。
あなたが悪魔なの?一般的にはそう呼ばれています。
どうして呼んじゃったかなあ…。
へえ〜先客がおいででしたか。
(悪魔)君がいるという事はこの中の誰かが死ぬんですね。
でも誰かわからないの。
6時っていう事はわかってるのに。
僕にとっては願ってもない状況のようですね。
今日は大漁かもしれません。
状況は把握しました。
皆さん全員今日午後6時に死ぬ可能性がある。
わずか1時間後です。
せめて心残りのないよう死を迎えたいのが人情ですよね。
ですが残念な事に普通は1時間じゃあ何も出来ません。
しかし皆さんは幸運です。
(悪魔)僕の力を使えば願いはたちどころに叶えられる。
どうせ死ぬなら3つの願いを叶えてから死んだほうがお得じゃないですか?僕と契約するなら早いほうがいい。
それは駄目だ。
3つの願いを叶えたら悪魔に魂をとられて…死ぬんだぞ。
だから何よ。
私は契約するわ。
ええ!?1つ目の願いは決めてるの。
ここにいる全員を助けてちょうだい。
それは…無理ですね。
先に死神が来ている以上最低1人は死ぬという運命は動かせませんから全員救助は無理なんです。
やっぱり誰か死ぬのか?だったら私を殺して。
(カラスの鳴き声)
(雷鳴)何!?悪魔が来たぁ?そして息子を守るために母親が自分を殺せと願い出ただと!?まずい事態ですねえ。
悪魔に奪われた魂は天界へは昇れない。
魂の秩序は大混乱に陥ります。
悪魔による死者が出た場合死神No.413は即消滅かもしれません。
そうなれば君はどんな運命を辿るかご存じですよね。
いつまでも触ってんじゃねえよ!いいんですか?君を守れるのは私しかいないんですよ?誰が死ぬのかさえわかれば対処のしようもある。
仕事の邪魔するな。
フフッ。
まあせいぜい頑張ってください。
しかしあの死神No.413に対処出来ますかどうか。
悪魔の魔力は強烈ですよ。
どうしたの?悪魔さん。
1つ目の願いを言ったはずよ。
取り消してくださいよ。
そういう死に方をされると天界としても大迷惑なんですよ。
だけど最初に言ってたとおりこの中で1人しか死なないんだったら私が死ぬ事で亘は死ななくて済むんでしょう?うん…だとしてもその願いは3つ目にしてもらえませんか?え?だって1つ目の願いで殺してしまったら3つの願いを叶えて魂を奪うという僕の目的が果たせなくなるじゃないですか。
まずは別の2つの願いを叶えてから最後に改めておっしゃって頂ければいくらでも死なせて差し上げますよ。
別の願いって…。
命に代えても守りたい息子さんならいろいろあるでしょう。
(悪魔)女手一つではご苦労も多かったんじゃありませんか?そりゃあ…。
夫が出てってからなかなか仕事にも就けずに息子には不自由ばかり。
でしたらあなたが亡くなったあとに息子さんが不自由なく暮らしていけるようお金をご用意致しましょうか?本当に?1つ目の願いとして間違いなくあなたが死んだあとに振り込ませて頂きます。
さて2つ目はどうします?お金の次に必要な…。
(真奈美)もうやめてよ。
子供にはお金よりも母親といる事が大事なんじゃないの?邪魔…しないでくださいよ。
あなただって死ぬかもしれないんですよ?叶えておきたい願いはないんですか?そうね…願いはあるわ。
でも悪魔の力で叶えてもらうなんて嫌。
願いはなんなんですか?雄司さんと結婚する事。
でもねこの人は私じゃなくて他の女性を選んだの。
(真奈美)それを悪魔の力でやめてもらうなんて惨めすぎる。
だけどそれは…。
わかってるわよ。
お父さんの病院守りたかったんでしょ?だけど…それでも私を選んでほしかった。
でしたらいい提案がありますよ。
僕と契約してお父様の病院を立て直すんです。
そうすれば…お二人の結婚の障害はなくなりますよ。
そのくらいにしといてくれないかな。
黙って聞いてりゃ次から次へと調子のいい事並べてさあ。
極限状態にいる人間の弱みにつけ込むなんてやり口が卑怯じゃないか。
君は本当に無学ですねえ。
卑怯と残酷が悪魔の特性ですよ。
そうかもしれないけどさ。
俺はどうしたらいいんだ?まさか…悪魔と契約するつもりですか?ここで誘いを断ったらさ俺は二度真奈美を捨てる事になるんだ。
(真奈美)今さら何言ってるのよ!?魂とられたら患者さんを救うっていう使命はどうするの?もし魂をとられる事を恐れているのなら1つ目の願いだけ叶えて2つ目以降は我慢すればいい。
騙されちゃ駄目ですよ!一度頼ってしまったらまた頼りたくなるのが悪魔の魔力なんです。
(五郎)そのとおりだ。
そして俺は二度目も頼った。
だが悪魔の力を借りて何かをなしても…無力感しか残らなかったよ。
それはあなたが弱い人間だからでしょう?
(悪魔)強い意志と力があれば誘惑には耐えられますよ。
どこまで人間を惑わすんだよ!この間はあんた人間は悲しいぐらい弱い存在だからまた必ず悪魔に頼ると言ってたじゃないか!言ったかな覚えてないなあ。
(洋子)2つ目の願い事を決めたわ。
おっ。
え…。
私が死んだらあの子に誰よりも健康な体を与えて。
かしこまりました。
2つ目の願いもお任せください。
これでようやく一番大事な願いを叶えられますね。
3つ目の願いをどうぞ。
やめろ。
悪魔に頼んで死のうなんておかしいよ!亘を助けるためなのよ!そんな事亘君だって望まない!
(亘)う〜ん…。
ママ…ママママどこ?ママはここよ。
よかった。
僕ママがいなくなる夢を見たんだ。
どこにも行かないでね。
それでもまだ…3つ目の願いを言うおつもりですか?息子さんを守るためです。
(悪魔)さあ午後6時が迫ってきてますよ。
(悪魔)ここにいる全員に死ぬ可能性があるんです。
その前に皆さんも願いを叶えておかなくていいんですか?
(発信音)もしもし!こちらグランドゲートホテル1304号室の南雲です!部屋に5人取り残されています。
救助を!救助をお願いします!あったぞこれだ!誰が死ぬのかわかったぞ!
(鳴き声)
(悪魔)皆さん…何をためらっているんですか?生に執着して魂をとられる事を恐れているんですか?しかし考えてみてください。
あなたたちが生きている間にどれだけの事がなせるのでしょうか?少なくともそれ以上の事を願うだけで僕は叶えてあげられるんですよ。

(携帯電話)もしもし1304号室の南雲です。
わかりました。
助けが来るの?6時に13階への突入を試みるそうだ。
じゃあ私たちは助かるの?無理だよ!あの火じゃこの部屋までたどり着けないさ。
けど…せっかく救助が来るんですよ。
これが唯一のチャンスかもしれないんです。
諦めずに手を打ちましょうよ。
生きるか死ぬかは運命で決まるんだろう!?確かに…死は運命で決まっています。
しかし生は…どんな状況で生き残るかは何も決まっていないんです。
手を尽くせば無傷で生還出来るかもしれないが何もしなければ一生苦しむ大やけどを負うかもしれない。
どんなふうに残りの人生を生きるかは…。
自分たちで切り開かないと駄目なんです!じゃあ亘を無傷で助けるには…。
運命に任せるだけでは駄目なんですよ!俺がやるよ!スプリンクラーを…作動させてみる。
そう言ってくれると思っていましたよ。
出来ますかね?あなたの力で。
僕の力を借りないと無理なんじゃあないんですか?そんな事ない!誤って人を刺してしまったかもしれないが…自分の力で少女を守る事には成功したんです!そうか…そうだよな!
(悪魔)満足そうですね…。
しかし君は間違っている。
僕を力を借りたなら生き残る人たちを無傷で助けられたでしょうがしかし彼は無能です。
皆が大やけどを負う可能性が高まったんですよ?…けど魂を悪魔から守らなきゃならない。
人間の魂を天界へ送り届けるまでが死神の仕事だからな。
それはいい事なんですか?え?
(悪魔)天界に送った魂を別の命として地上に返してもまた人間たちに哀れで愚かな生を体験させるだけでしょう?なら魂を消滅させたほうが遥かに幸せだ。
僕はそう思いますよ。
だけど…。
そろそろ君は間違いに気付いたほうがいい。
あんたたちも体濡らしとけ。
(五郎)ここでじっとしてろ。
早く!じゃあ…閉めるぞ。
(ドアの閉まる音)
(咳き込み)
(五郎)ああ…っ!あっ…!
(悪魔)やはり無理みたいですね。
僕の力を貸しましょうか?黙れ!悪魔!自分の力でやりたいんだよ。
どうせ人殺しだ…。
死んでも自業自得だ!
(爆発音)きゃあ!死神がいるって事は…俺が死んだのか?いえここはあなたのお父さんの病院です。
軽いやけどを負っただけで元気に生きていますよ。
じゃあ誰が死んだんだ?まさか真奈美が?
(シャッター音)
(記者)炎への突入は怖くなかったですか?
(五郎)まあ…若干ですかね。
あの…怖さはね自分は。
彼の勇気は素晴らしかった。
おかげであなたも軽傷で済んだんですよ。
殺したと思っていたチンピラも軽傷で救助のための正当防衛だと認められる見込みだそうです。
さすがヒーローですね。
(洋子)そう…ニュース見て心配してくれたの。
私は大丈夫。
だけど亘が危険な状態で手術受けてて結果が心配で…。
あなたも父親なら励ましてあげて。
まさか亘君が…。
亘君!
(南雲雄平)雄司。
亘君のオペは成功した。
…親父。
亘!よかった…!本当によかった!先生ありがとうございました。
危ないところだったよ。
あと少し遅ければ手遅れになるところだった。
しかし残念だった。
お前もいろいろと大変だったな。
悪かった。
じゃあやっぱり…真奈美が死んだのか?それは…。
でも残ってるのはもう真奈美しかいないじゃないか!雄司さんはあなたとは違うの。
そんな人間じゃないの。
だけど…それでも私を選んでほしかった。
可哀想に…。
俺が代わりに死ねばよかった…!
(泣き声)雄司さん…。
真奈美…生きてたのか。
(雄司)よかった…!じゃあ誰が死んだんだ?誰も死ななかったのか?いえ…。
真奈美さんのお腹の中の小さな命が…。
まさか…。
そうよあなたの子よ…。
私とあなたの…。
どうりで死亡予告に名前が載らなかったわけです。
運命に選ばれたのはまだ生まれもせず名前も付いていないお腹の中の子供だったんですから。
ご安心ください。
お子さんの魂は私が責任をもって天界へ送り届けます。
私が煙をたくさん吸っちゃったから…。
だからあの子に酸素が回らなくなっちゃって…。
私がもう少し気を付けてれば…。
なんで子供の事を黙ってたんだ。
だって言えなかったのよ!これであなたと私を繋ぐものがなくなっちゃったわね。
いや…。
(雄司)僕が君に贈ったこの指輪をあの火災現場で拾ったんだ。
僕は決めたよ。
親父を説得して自分の力で病院を立て直してみせる。
君の力も借りたい。
結婚してくれ。
あの火災を乗り越えたんだなんでも出来るさ。
ありがとう。

(悪魔)なんでも出来るなんて幻想だよ…。
人間はどうしてこうも愚かなのか。
また悪魔から魂を守るとはお前もやるじゃんか。
いや…運がよかっただけで何も出来なかった。
それどころか…わずかの間に2人の魂が奪われそうになった。
何ビビッてんだよお前。
悪魔に勝ったんだろう?いや…勝ったのは人間だ。
俺は勝ってない。
ところで君が求めていた担当替えの話だが残念ながら死神No.413の引き受け手がいなかったよ。
担当替えの申請?何怒ってるんだよ?出来が悪いから当たり前だろう?そんなに私と一緒にいたいのか?あっ!お前まで私を変な目で見てるんじゃねえだろうな!変な目って…どんな目?勘弁しろよな!お前みたいなクソは完璧対象外だ!気持ち悪い事考えてないでちゃんと仕事しろよな!
(主任)そろそろ次の仕事が決まりますよ。
お迎えに上がりました死神です。
(佐藤留吉)そりゃめでたい。
(佐藤民江)ご苦労様です。
やっとそう言ってくれる人間に出会えました。
私もすぐ追いかけますから。
死ぬまでにやり残した事はありますか?
(留吉)特にない。
ない?2014/05/10(土) 00:24〜01:24
ABCテレビ1
死神くん #4[字]

名前だけが記載されていない死神手帳…。
死亡予定場所に向かった死神はそこで5人の人間と遭遇する。この中で誰が死ぬのか?エゴが渦巻く中、ついに悪魔が現れる!

詳細情報
◇番組内容
名前だけが記載されていない死神手帳…。
死亡予定場所に向かった死神はそこで5人の人間と遭遇する。別れる間際のカップル、病気の子供と母親、そして殺人事件の容疑者。
この中で誰が死ぬのか?エゴが渦巻く中、その中の一人がついに悪魔を呼んでしまい…。
◇出演者
大野智、桐谷美玲、菅田将暉、松重豊
【ゲスト】平岳大、臼田あさ美、佐藤仁美、安田顕
◇原作
えんどコイチ『死神くん』(集英社文庫<コミック版>)
◇脚本
橋本裕志
◇監督
本橋圭太
◇主題歌
嵐『誰も知らない』(ジェイ・ストーム)
◇スタッフ
【ゼネラルプロデューサー】内山聖子(テレビ朝日)
【プロデューサー】飯田爽(テレビ朝日)、西河喜美子(テレビ朝日)、下山潤(ジャンゴフィルム)
◇おしらせ
☆番組HP
 http://www.tv-asahi.co.jp/shinigamikun/

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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