何してるんですか?それはあなたの車ですか?抵抗するな…。
撃つぞ。
武器を捨てろ!撃つぞ!
(銃声)あー…!
(銃声)
(上原和也)
今日から輝かしい警察官としての日々が始まる
よし!
警察庁採用のキャリアとして警視庁警務部人事一課に監察官補佐として配属された
監察官とは警察内部を監視するいわば警察の中の警察だ
自分で言うのもなんだけどかなりのエリートコースだと思う
おはようございます。
わたくし本日付で監察官補佐を…。
上原和也遅い!えっ?世田谷中央警察署管内で警察官の拳銃使用による発砲事案があった。
あんたの上司の監察官はもう飛んでるよ。
あっ僕…いや私はどうすれば?どうすれば!?僕ちゃんは人に言われないと自分が何をしていいのかわからないほど赤ちゃんでちゅか〜?すぐに監察官を追え。
はい!あの…監察官はどういう方でどこにいるんでしょうか?世田谷総合病院。
名前は毒ハブ。
毒ハブ?行け!はい!こちらに警視庁の監察官が見えてるはずなんですが…。
はいあちらです。
どうも。
監察官!
(羽生宗一)あっ!これじゃねえよ…。
わたくし本日付で監察官補佐を任命されました上原和也警部です。
やるよ。
これは?就任祝いだ。
ありがとうございます…。
事件発生は本日2時11分。
発射された弾は2発。
1発目は威嚇射撃だと思う。
発砲事案の事ですか?他になんの話があるよ。
失礼しました。
撃たれた男は渡辺昇一。
搬送先の病院で死亡が確認された。
撃った警察官も左腕を負傷している。
手術のあとで眠っている。
起こせと言ったら医者に怒られた。
はあ…。
何か質問あるか?まだ監察官の名前を伺ってません。
聞いてないのか?聞いたんですが…。
忘れたか。
いえ…。
監察官室の女性の方に毒ハブさんだと教えられて…。
そんな名前あると思うか?いえ…。
羽生だ。
羽生宗一だ。
それが僕と毒ハブの出会いだった
気がついたか。
監察官の羽生だ。
監察官補佐の上原です。
ああ…そのままでいい。
いや大丈夫です。
世田谷中央警察署地域課武藤正彦巡査部長であります。
全治1か月だってね。
先生から聞いたよ。
ナイフで切られました。
それは発砲の前に?はい。
メモ。
はい。
でそれはパトロール中の事か?本署と隣接する地域で車上荒らしが多発していました。
監察官の業務の中には警察官による発砲が正当であったかどうかを確認する仕事もある
(武藤の声)コインパーキングや地下駐車場などでの車上荒らしに対して重点警戒の指示が出ておりました。
何してるんですか?それはあなたの車ですか?いきなりナイフで襲われたので銃を取りました。
発砲の警告は?はい。
二度撃つぞと警告したあと天井に向けて発砲致しました。
それでも相手は襲ってきた。
(武藤の声)はい。
それで相手に向けて発砲した。
はい。
そのあと至急連絡で救急車を要請致しました。
発砲の時どこを狙った?手元です。
ですが左腕を負傷していたので銃が固定出来ませんでした。
今はこれで。
また聞く事もあると思う。
お手数をおかけしました。
お大事に。
失礼します。
監察官!相手はどうなりましたか?病院の方は教えてくれませんでした。
私が発砲した相手は?搬送先の病院で死亡が確認された。
失礼する。
死んだか…。
心臓を貫いていたらしい。
1発で即死だ。
心臓を1発…。
でも狙ったのは手元だと言っていました。
腕を怪我していれば狙いは外れます。
狙いが外れたかあるいは…。
あるいは?狙ったか。
(野崎三郎)羽生監察官であられますか?羽生だけど「あられますか」ってほどの者じゃない。
世田谷中央警察署副署長の野崎です。
このたびはわたくしどもの署員がお手数をおかけ致しました。
署長から監察官をお迎えに上がるように言われました。
どうぞ。
監察官は恐れられている
監察官の報告書で警察官の人生は大きく変わる
当人だけではなくその上司もだ
ご足労さまです。
署長の今井です。
警視庁警務部人事一課監察官の羽生です。
このたびはお手数かけます。
いや…。
野崎のほうから報告させます。
私は武藤巡査部長個人の事をあまり知らないものですから…。
署員の事を知らない?いえ…。
武藤個人のプライベートな事までは存じていないという意味です。
署長は2年前に赴任され2か月後には福岡県警に異動されますから。
(今井)ええ。
僕と同じ警察庁採用のキャリア組という事だ
(野崎)どうぞ。
武藤は平成12年警視庁採用。
渋谷東署地域課を経て本署に転勤致しました。
勤続4年で妻と幼稚園の娘がおります。
(ノック)はい。
(丸田信一)丸田です。
入りなさい。
(丸田)失礼します。
地域課の丸田警部補です。
武藤巡査部長の直属の上司になります。
武藤巡査部長は真面目な警察官だってねえ?
(丸田)はい。
地域住民からの評判もよく二度の署長表彰を受けております。
これは?本署および隣接する砧署と目黒北署での車上荒らしの報告書です。
撃たれた被疑者の関係した事件ですか?はい。
かなり荒っぽい手口です。
(丸田)窓ガラスをこじ開けて車内に置かれた物品やカーナビなどを奪っております。
犯行を目撃された時はナイフを振りかざして逃走しています。
武藤は優秀な警察官です。
どうか寛大なご処置をよろしくお願い致します。
私からもお願い致します。
部下のためにあそこまで頭を下げられるなんて偉いですね。
本当にそう思うか?えっ?自分たちの保身もあるだろう。
武藤巡査部長の発砲に問題があれば上司の責任が問われる。
それはそうですけど…。
副署長の一番の仕事はキャリア様を無事に送り出す事だからな。
私は適法な発砲だと考えます。
人が1人死んでるんだ。
簡単に言うな。
しかし被疑者はナイフを振りかざして警察官に怪我を負わせています。
それでも反撃出来ないなら前線の警察官が命を落とす事になります。
羽生監察官をお連れしました。
ご苦労さまです。
高そうな車ばっかりだな。
はい。
土地柄だな。
金持ちばっかり住んでやがる。
そうでもないですよ。
すいません…。
実家が近くなもので。
自慢か。
いえ…。
(カメラのシャッター音)なあ…。
(吉村)はい。
あのカメラの映像見られるか?USBに入れてありますので端末があれば。
端末?端末なら私が…。
すいません。
(吉村)ここで武藤巡査部長が声をかけたと思われます。
武藤巡査部長に近寄っています。
発砲の瞬間は映ってませんね。
もう一度見せてくれ。
はい。
真っすぐに来てるよな。
真っすぐ?他にも車があるのにこの車だけを目指してる。
高級車を狙ってるからじゃないですか?ここは高級車だらけだぞ。
助手席に鞄か何か置いてあったんじゃないですか?獲物になりそうなものを見つけたから窓をこじ開けようとした。
うーん…。
この車の持ち主は事件のあとここに来た?はい朝方現場検証の際に。
行ってみるか。
えっ持ち主のところにですか?わかりきった事を聞くのが趣味か?他にどこがあるよ?はい…。
「IRONYSPACE」?鉄で出来た家だ。
鉄…。
《鉄がこの事件と関係あるのか?》ない。
えっ?確かに車を止めるスペースはないな。
(原田敦子)すみません主人はただ今打ち合わせ中で少しお待ちくださいと。
はい。
こちらこそ突然お邪魔しまして…。
いえ…。
どうぞ。
いただきます。
失礼します。
(室内の音楽)あっ!これ去年の東京演劇フェスティバルのポスターです。
へえ〜。
こっちは城北女子大学の学生募集か。
おしゃれだな。
これはさっきの奥さんを描いたやつですかね?デザイナーっていうのは服を作るだけだと思ってたよ。
マジっすか!?グラフィックデザインですよ!マジ?いや…本当ですか?マジ。
(原田祐介)すみませんお待たせしました。
しばらく電話取り次がないで。
はい。
発砲事件があった事でいろいろ聞かれました。
車の座席には何か置かれていましたか?いえ置いてません。
小物とかも?以前車上荒らしにあった事がありましてそれから何も置かないようにしています。
ちょっとすみません。
アイデアを思いついた時にラフを描いておかないと気が済まないものですから。
あの絵は奥さんを描いたものですよね?出会った時の敦子のイメージを絵にしました。
出会った時の…。
渡辺昇一という名前に聞き覚えはありませんか?渡辺…誰ですか?渡辺昇一車上荒らしの犯人です。
いえ知りません。
車上荒らしに知り合いなんていませんよ。
失礼します。
どうもわざわざ…。
(北森幸一)敦子。
(敦子)あっ着いたの?あなたお父さんとお母さん。
わざわざ呼ぶ事ないよ。
原田さん仕事中だろ。
(北森信代)そうよ。
大丈夫。
(ドアの閉まる音)
(ノック)
(山岡努)どうぞ。
(今井)失礼します。
やあ。
まあ座れ。
はっ!今回の件よろしくお願いします!ああわかってるよ。
(野崎)署長がいろいろ考えてくれている。
警視庁の山岡警務部長は大学の先輩だそうだ。
はい。
正当な発砲だ。
処分を受けるような事じゃない。
ただ相手があの監察官だ。
羽生宗一…。
余計な事は何も言うな。
ナイフで刃向かわれたから発砲した。
それだけを言っていればいい。
それが真実だしな。
はい…。
ただ今戻りました。
おかえりなさい。
死亡した渡辺の資料です。
うん。
上原和也。
はい。
あんたはお茶を淹れる。
資料を見るのは10年早い。
返事は?はい…。
ああ監察官は猫舌だからぬるくて濃いめのやつ。
私は熱くて薄めのやつ。
キャリアなのにお茶くみかよ…とか思ってるのか?思ってません。
本当にそう思ってない?ちょっと思いました。
だろうな。
(2人の笑い声)《なんなんだこの2人…》渡辺は栃木の高校を中退したあと地元の暴走族に入り暴行と恐喝を繰り返しています。
その後上京して自動車整備工場に勤務しましたが素行不良で解雇されています。
2年前に恐喝と傷害で逮捕されて先月まで群馬刑務所に服役していました。
出所後は漫画喫茶や安いビジネスホテルを泊まり歩いていたようです。
それで車上荒らしですか。
車上荒らしの前科は?過去の前科は窃盗と恐喝暴行と傷害だけです。
「だけです」って事はないだろう。
それだけあれば立派な悪党だよ。
はい。
ただ車上荒らしの前科はありません。
過去の事件において武藤巡査部長との接点は?ありません。
暴行と窃盗は栃木県警ですし服役のきっかけとなった事件は目黒北署が担当しています。
(電話)はい監察官室。
わかりました。
監察官警務部長がお呼びです。
わかった。
もう2度ぬるくしてくれよ。
2度!?
(ノック)どうぞ。
羽生です。
失礼します。
例の発砲事案だが所轄の今井署長から武藤巡査部長に対する警視総監賞の申請が出された。
警視総監賞!?当然だろう。
ナイフで負傷しながら連続車上荒らし事件を解決した。
現場となった駐車場の前には幹線道路が通っている。
逃走を許せば一般市民に危害が及んだかもしれない。
はあ。
発砲には緊急性と正当性があった。
適法な発砲であったとマスコミには伝えた。
わたくしはまだ結論を出しておりません。
先手を打つ必要があるんだ。
結論が遅れれば余計な誤解を招く。
それで警視総監賞ですか。
切り札を出すしかないだろう。
総監賞を出せば世間を納得させるだけじゃない。
前線で体を張っている警察官の士気が上がる。
武藤巡査部長は体を張って担当地域を守った。
調査はまだ終わっておりません。
本当に適法な発砲であったか…。
お前はもう捜査一課のデカじゃないんだ!監察官だ。
監察官と刑事じゃ役目が違うんだよ。
刑事なら真っすぐに真実を追っていればいい。
だが監察官が守るのは警察という組織だ。
羽生早急に警視総監賞を決定してくれ。
以上だ。
失礼致します。
(武藤みどり)お母さん心配して明日東京に来るなんて言うから。
そんな大げさな怪我じゃない。
そう言ったのよ。
明日にはもう退院なんだからって。
(武藤香奈)パパ抱っこ。
駄目。
パパお怪我してるでしょ?大丈夫だ。
おいで。
もうすぐ甘やかすんだから。
心配してくれてるんだ。
なあ?香奈。
うん。
もう警察なんか辞めさせなさいって言うの。
お義母さんがか?前から言ってるじゃない。
実家に戻ってうちを継いでほしいって。
わかってる。
パパが警察官を一生の仕事にしたいって事。
いいかもしれないな。
えっ?そういう人生もいいかもしれない。
無理よ今さら鉄工所なんて。
(携帯電話の振動音)香奈おいで。
(携帯電話の振動音)
(携帯電話の振動音)もしもし。
(男)「知ってるんだ」どちら様ですか?「俺は…」本当の事を知ってる。
本当の事をな。
誰だ?
(不通音)
(銃声)大丈夫?誰から?いや…間違い電話だ。
はい。
お手数をおかけ致しました。
当然の事をしただけだ。
その巡査部長が褒賞を受ければ君の手柄にもなるだろう。
お気遣いありがとうございます!ぜひ福岡に異動前にお目にかかれれば。
はい。
ありがとうございます!すぐに警視総監賞を授与するように命じたそうです。
ありがとうございます。
当然でしょう。
武藤巡査部長は身を挺して事件を解決した。
はい。
警視総監賞を申請するよう進言して頂いて助かりましたよ。
出すぎた真似を致しまして…。
ただあの男すぐには返事をしなかったそうです。
あの男?羽生監察官だ。
毒ハブですか…。
毒ハブ?陰ではそう呼ばれています。
何人もの警察官が懲戒や自主退職に追い込まれています。
管内の店で接待を受けた程度の事で。
毒ハブか…。
踏み潰せます。
そんな蛇の1匹ぐらい。
警務部長のお力があれば。
どうぞ。
ありがとう。
どうぞ。
自分から淹れるなんて感心じゃないか。
新人ですから当然の事です。
いいなあその心のこもってない言葉。
(電話)はい監察官室。
(男)「羽生さんいるかい?」羽生監察官ですね。
監察官お電話です。
はいお電話代わりました。
羽生です。
(男)「あんたが毒ハブさんか?」「
(信号機の誘導音)」「そうとも呼ばれている」
(救急車のサイレン)
(男)「あれは殺しだよ」殺し?「武藤があいつを狙って撃ったんだ」ほう…あんたどうしてそう思うんだ?
(男)「あいつもただ人のいいお巡りじゃないって事だ」
(不通音)監察官…!殺しか…。
いたずら電話じゃありませんね。
俺を名指しで監察官室にかけてきた。
警察内部の事情を知ってるって事ですね?さすがキャリアよくわかったな…。
って誰でもわかる事偉そうに言うな。
こういうのすぐに逆探知出来るといいんですけどね。
いずれはそうなるだろうけど今はまだ設備が追いつかない。
「はいお電話代わりました。
羽生です」
(男)「あんたが毒ハブさんか?」「
(信号機の誘導音)」「そうとも呼ばれている」「
(救急車のサイレン)」
(男)「あれは殺しだよ」「殺し?」
(男)「武藤があいつを狙って撃ったんだ」「ほう…あんたどうしてそう思うんだ?」
(男)「あいつもただ人のいいお巡りじゃないって事だ」場所特定出来ますね。
ああ。
今のやり取りでですか?後ろを救急車が通ってた。
はい。
それと音響装置付信号機。
音響…。
聞こえてたろ?目の不自由な人を誘導する音が。
しかも通常より長かった。
青信号延長ボタン付きのタイプだな。
あ…都内にあるのは32か所です。
9時28分に緊急出動した消防の記録と重ねてくれ。
それで場所が特定出来る。
はい。
上原和也。
はい!消防に連絡して9時28分にサイレンを鳴らしてた救急車を確認しろ。
電話くらい出来るだろ?はい!
(誘導音)あの公衆電話だ。
あそこからかけてきたな。
はい。
あそこを中心に半径2キロ以内に住む警察関係者をしらみ潰しに当たる。
それでヒットしなければ半径5キロに広げる。
2人でですか?1人でやりたいか?いえ。
良子さんからデータ届きました。
ああ…80件近くあります。
今日中だな。
どうもありがとうございます。
失礼します。
次はこっちです。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
ここです。
うん。
三上哲夫40歳。
2年前まで世田谷中央警察署の地域課に勤務してました。
世田谷中央署の地域課?武藤巡査部長と一緒ですね。
同じか…。
(ノック)三上さん。
(香奈)ごちそうさまでした。
はい。
ごちそうさまでした。
美味しかったね。
うん。
でも副署長さんわざわざ家までお見舞いに来てくださるなんて。
署長の退院祝いだそうだ。
そう。
ありがたいわね。
さて香奈はお風呂の準備だよ。
はい。
よし。
はいよし行こう。
よし行くよ。
(野崎)怪我が治るまで公休扱いだ。
ゆっくりしてろ。
はい。
あれから来たか?は?監察官だ。
いえ…。
署長から警務部長に話が通ってる。
何も心配しなくていい。
はい…。
武藤…。
お前渡辺とは知らずに撃ったんだよな?まさか…あの男だったとはな。
(みどり・香奈)「あなたのおうちはどこですか」「おうちをきいてもわからない」
(香奈)「なまえをきいてもわからない」
(みどり・香奈)「にゃんにゃんにゃにゃん」「にゃんにゃんにゃにゃん」「ないてばかりいるこねこちゃん」「いぬのおまわりさん」
(ドアの閉まる音)
(刺す音)
(三上哲夫)あっ…!
(パトカーのサイレン)半径100メートルまで捜索してくれ。
遺留品見落とすなよ!警務部人事一課の羽生監察官です。
監察官!?どうぞ。
羽生さんどうして?情報は全部俺に上げろ。
監察官命令だ。
(南原)ここは一課の現場です。
どうして監察官が?現場の迷惑考えろ!三上で間違いありません。
ちゃんと見たのか?はい。
左脇腹を刺されてるな。
(柴田)はい。
失血性のショック死だと思います。
おいよく見とけ。
はい。
死体は苦手か?どちらかと言えば…。
遺留品は?
(柴田)こちらです。
(柴田)これが凶器です。
遺体のすぐ横に落ちてました。
その他の遺留品はこちらです。
なんだか捜査課に配属されたみたいです。
キャリアさんは現場が嫌いだからね。
監察官は元は捜一だったそうですね?捜査一課から監察官ってかなり珍しいコースじゃないですか?よく見とけよ。
(チャイム)ああ…。
監察官お昼は?まだだ。
朝から何も食べてない。
持ってきました。
助かる。
世田谷中央警察署に捜査本部が立ちます。
仕切るのは捜査一課の橋爪警視。
橋爪!?因縁の相手が出てきましたね。
ご苦労。
嬉しそうだな。
ちょっとだけ。
なんの話ですか?あとでじっくり教えてやる。
はあ…。
三上の事わかったか?ええ。
食べながらでいいですか?ああ。
上原和也。
はい。
お茶淹れて。
どうやって!?無理なら買ってきて。
はい。
ガイシャは三上哲夫。
2年前にこの世田谷中央警察署を依願退職した元警察官だ。
まあ実際は解雇ですね。
地域課の交番勤務をしていましたけどギャンブルと酒で消費者金融から300万の借金があって返済が滞ってました。
それで辞表を書かせた。
強制的な自主退職。
よくある事でしょう。
懲戒の数が増えると警察のイメージも損なわれるし本人も再就職に苦労する。
(橋爪)そのあと警備会社に勤務したが半年後にはそこも退職。
現在は無職だ。
だけど生活には困っていなかった。
家賃の滞納はないし車も所有していた。
どっかから金が入ってた?そのようです。
採取された凶器の包丁からは1種類の指紋が検出された。
データと照合した結果前科前歴はなかった。
前科のある人間ではないか…。
はい。
あの…どうして捜査本部の情報を良子さんが知ってるんですか?「良子さん」!?お前は私の彼氏か!すいません!「戸川警部」と呼べ。
はい戸川警部。
三上はですね警察を辞める前の半年間武藤巡査部長と同じ交番に勤務していたんです。
武藤と同じ交番?はい大蔵東交番です。
半年…。
その間に何かあったって事か。
あの密告電話と今度の殺人事件は関係してるって事ですか?多分ね。
昨日の電話三上の同僚だった人間に確認してみました。
三上本人の声で間違いありません。
密告電話のあとに殺されたって事か。
なんだか面白くなってきましたね〜!良子さんよ…。
面白くなってきたって言い方は警察官としてどうよ?監察官もそう思ってるでしょ〜?思っていても口にはしない。
フフフッ!《思ってるのかよ!》羽生が現場に来ただと!?はい。
情報を全部上げろと。
ふざけた事を…!はい。
発砲事案と今回の殺しに何か関連があるというのか?すごいですね戸川警部。
何が?メモも見ないで三上の履歴を説明してました。
全部入ってるんだよ頭に。
警視庁の警察官全員分が。
まさか…。
信じられないか?本当なんですか?噂だ。
(テレビ)「今日午前世田谷区野川の河川敷で男性が死亡しているのが見つかりました」「警視庁捜査一課によりますと亡くなったのは三上哲夫さん40歳で…」パパお薬飲んだ?抗生物質。
今飲むよ…。
(テレビ)「三上さんが倒れていた近くには殺害に使われたとみられる刃物が捨てられてあった事などから警視庁は殺人事件として…」ねえ…これってあの三上さんでしょ?パパと同じ交番にいた…。
なんだか怖いわね。
(テレビ)「2年前まで警視庁世田谷中央警察署に勤務する警察官でした」
(野崎)監察官!これはどういう事ですか?監察業務に必要なため監察官室に運びます。
武藤の発砲事案と過去の交番勤務になんの関係があるんですか?関係のあるなしを調べるのが監察官の専権事項です。
運んでくれ。
1つぐらい…持てよ!くうっ!見えない…!うちの現場に来たそうだな。
うちの現場でもある。
監察官が殺しの捜査か?監察の内容は教えられない。
お前が抱えてるのは武藤って巡査部長の発砲事案のはずだ。
(銃声)監察の内容は教えられないと言ったはずだ。
(橋爪)殺された三上と武藤は2年前に同じハコに詰めていた。
何を掴んでる?橋爪さんよ…。
あんた俺がネタ教えてくれっつったらはいはいって教えてくれるのかよ?せめて引き換えになるようなネタを教えてくれよ。
武藤の交番勤務時代の資料を持っていった!?はい…。
どういう事だ…。
監察官は何考えてる!?心配なさる事はありません。
武藤にもよく言い聞かせてあります。
署長の在任中の経歴に傷をつける事は致しません。
(寺尾)ああ三上さん!こちらの常連だと伺いまして。
まあよく来てはくれてました。
お客さんだし断れないしね…。
(立花)断れない?あまりいいお客さんじゃなかった?酔っ払うと他のお客さんに絡んだりするから。
最近になって何か変わった事はありませんでしたか?些細な事でも結構ですので。
(寺尾)今まで見た事のない人を連れてきてましたね。
なんか2人で金が入るみたいな話をしてました。
見た事のない人?ええ。
金髪で目つきがちょっと悪くて…。
もしかしたらこの男ですか?ああ!この人!確か「ナベちゃん」って呼んでました。
(三上)ナベちゃんは俺の言うとおり動いてくれればいいんだ。
(渡辺昇一)ああ。
安く見積もって300万。
うまく引っ張ればもっといける。
マジですか?ああ。
ナベちゃんのネタには…それだけの価値がある。
(寺尾の声)なんかあまりたちのよくない相談みたいだったけど耳に入ってしまいました。
金を引っ張れるネタか…。
恐喝ですかね?恐らく。
どうもご協力ありがとうございました。
ああいえ。
ああすいません!この話別の刑事さんにもしましたよ。
別の刑事?
(寺尾)ええ。
1週間ぐらい前だったかな…。
三上さんの事を聞きに来たでしょ?その刑事の名前は?名前まではちょっと…。
でも警察手帳は見せてくれましたよ。
その刑事1人でこちらに来たんですね?はい。
うん…。
これ全部洗い出すんですか?武藤と三上が関わった事件は全部だ。
はい…。
上原和也。
はい。
資料を出し終わったら…。
お茶ですね。
はいそういう事〜。
偽刑事?1人で動いてるなら捜査員ではありません。
その偽刑事が三上の事を調べていた…。
(南原)発砲された渡辺と殺された三上の事を聞き回っていたようです。
あの…田所さん?田所信司さんですね?
(田所信司)誰?バイト先まで来られるのは困ります。
今の仕事もやっと見つけたものなんですから。
大丈夫。
誰もこの男を警察だなんて思いやしないよ。
どういう意味ですか。
2年前の事件なんですけどね。
あなたが強制わいせつで実刑を受けた…。
もう終わった話でしょ。
刑務所行って罪を償ったんだから!わかってます。
私たちは刑事じゃないんだ。
監察官。
監察官?警察内部の事を調べる仕事です。
内部の不祥事を調べたり捜査上の不始末なんかもね。
あっ…。
当時の捜査で何か言いたい事でもあれば…と思ってね。
何もなければそれはそれで…。
だったらあいつらを処分してくれよ!あいつら?俺を逮捕した三上と武藤って警官だ。
ほう…三上と武藤?濡れ衣を着せられたんだ。
(田所の声)駅から家に帰る途中の女をつけ回したのは本当だよ。
途中の暗がりで抱きついた事もある。
だけどあの女には何もしてないんだ!あの女?北森敦子って女だ。
その女がストーカーの被害届を出してたらしい。
(武藤)やめなさい!なんだよ!なんだよ…離せよ!落ち着きなさい!離せよ!
(田所の声)北森敦子なんて名前は初めて聞いた。
だけどあいつらその女をつけ回してるのが俺だって決めつけたんだ!それから刑事に引き渡されてそこでも同じ事言われて…。
結局1年半の実刑になって…。
身に覚えのない罪まで着せられた。
確かに他の女はつけたけどその北森って女の事なんか知らないし…。
他の事は全部正直に自供したけどやってない分まで俺に押しつけて…。
(携帯電話)はい。
北森敦子の現住所がわかりました。
現在は結婚して名字が変わっています。
現在の名前は…原田敦子です。
夫は原田祐介というデザイナーです。
原田祐介!?背景もっとインパクト強くしたほうがいいな。
はい。
(敦子)あなた!お母さんと新宿に買い物に行ってくる。
ベビー用品の展示会やってるの。
車で?うん。
運転駄目だよ。
タクシーにして。
大丈夫。
駄目だって!お腹の子も一緒だろ?もったいないよ。
新宿までいくらぐらいかかるの?お金に換えられるものじゃないだろう。
君は運転しちゃ駄目だって。
そうね敦っちゃんタクシーで行きましょう。
わかった。
祐介さん私そのまま三崎に帰りますから。
泊まっていかないんですか?ほらお父さん1人じゃ何も出来ないから。
ああありがとう。
いろいろと繋がってきましたね。
2年前北森敦子はストーカーの被害届を出した。
それを受け付けた警察官が武藤と三上。
2年後に武藤は発砲事案を起こし三上は殺害された。
しかも発砲で死亡した渡辺が狙っていた車の所有者は北森敦子の結婚相手の原田だ。
全部が原田敦子という女で結ばれてる。
カギはあの奥さんという事ですか。
という事になるな…。
来た?うん。
よかった。
(野崎)三上が担当した事件ですか。
羽生がいろいろ嗅ぎ回ってるようです。
三上が警察官時代に担当した事件が今回の殺人事件に関わってるという事は考えられませんか?いえ…思い当たりません。
思い当たる事があったらお聞かせください。
変な隠し立てはこの所轄にとって大きなダメージになるかもしれませんよ。
何をしてる!?野郎…!ああっ!
(警察官)おい手錠!あ…あった。
お待たせしました戸川警部。
戸川警部?何か?こんなところで役職を呼ぶな。
良子さんと呼べ。
…はい。
車上荒らしの件聞いたか?車上荒らしですか?さっき目黒北署の地域課が逮捕した。
世田谷目黒周辺での車上荒らしを自供したらしい。
じゃあ連続車上荒らしの犯人は…。
発砲された渡辺じゃなかったって事だ。
ガルーシアドスマス。
(ガルーシア)シセニョリータ。
セニョリータ!?山岡警務部長は早く幕を引きたがっている。
一番警察が傷つかないのは発砲は適法だと認めて警視総監賞を与える事。
はい。
担当が毒ハブじゃなければとっくにそうなってた。
羽生監察官はどうして…?どうして?いえ警務部長に反対するって大変な事じゃないですか。
この前の話続きが聞きたいか?
(咳)すいませんお水ください。
日本語わからないよ。
(咳)ウオータープリーズ。
スペイン語で。
(咳)どうぞお水です。
5年前捜査一課がある違法薬物密売グループを追い詰めた事があった。
組織内で殺人事件も起きて捜査一課が全力を挙げて追った事件だった。
でもその先頭に立っていた警部は途中で違法捜査の疑いをかけられ監察官から諭旨免職処分を受けた。
違法捜査?圧力がかかった。
その警部が追っていたのはある有力政治家の息子だった。
監察は絶対的な正義じゃない。
警察やその上の組織を守るための装置でもある。
その警部には一課に同期の仲間が2人いた。
1人は捜査を引き継ぎもう1人は監察官への異動を願い出た。
それが…。
毒ハブと橋爪管理官の因縁。
橋爪は政治家の息子に触れる事もなく事件を収束させ捜査一課でのし上がった。
上原和也。
はい。
真似なんかすんなよ。
毒ハブの真似したらせっかくキャリアとして入ったのに将来をなくすぞ。
(ノック)「初めはちょっとした出来心で…」「案外うまくいったんでやめられなくなって…」
(刑事)「それで盗んだものは?」
(男)「鞄と時計と…」なんなんです?このお宮さん。
浦島の竜宮伝説知ってるだろ?ええ。
このほこら竜宮様と竜神様を祭ってあるんだよ。
へえ〜。
航海の安全と大漁を願ってな。
監察官なんでもよく知ってますね。
《竜宮もこの件とはなんの関係もないよな…?》そのとおりだ。
ちょっとすいません。
(北森)何か?警視庁警務部の羽生です。
上原です。
警察の方が何か…?2年前の事件の事なんですがね…。
今さらなんだっていうんですか!そんな事でわざわざ来たのか?
(信代)お父さん…。
すみません。
突然の話だったもので…。
いいえ。
ここじゃなんですから…。
あなたたちが…警察が忘れてくれって言った事でしょう。
今になって来るなんて約束が違うじゃないですか。
警察が忘れてくれと言った?いつ何を忘れろと言いました?北森さん私たちは監察官だ。
警察内部の問題を探る部門です。
今はある警察官の発砲事案を調べています。
武藤さんの事ですか?ええ。
武藤さんを処分すると?場合によっては…。
あの人は立派な警察官だ!あの人だけが親身に相談に乗ってくれたんだ。
何を相談しました?武藤巡査部長に何を相談しました?娘の敦子の事です。
(北森)その頃娘の敦子はデザインの勉強で東京で一人暮らしをしてて…。
ある夜誰かにつけられてる気がするって電話をもらって妻と2人ですぐに敦子のアパートに行きました。
(北森の声)武藤さんはパトロールを強化してくれると言ってくれました。
犯人が捕まったと連絡があったのは1週間後でした。
もう安心だと思った。
それが田所でしたか…。
なんだよ…離せよ!はい名前。
…田所です。
犯人は逮捕したのでもう大丈夫です。
(北森・信代)ありがとうございました。
失礼します。
(北森の声)私たちも敦子も警察に感謝しました。
だが…。
本当のストーカーは捕まっていなかった。
月に一度私たちが三崎から東京に出て一緒に夕食を食べる事になっていたんです。
でもその夜敦子は待ち合わせた駅に来なかった。
(呼び出し音)出ない。
(北森の声)心配で女房と2人でアパートに行ったんです。
(信代)敦っちゃん?
(北森)敦子?敦っちゃん…!
(泣き声)
(信代)敦っちゃん!?敦っちゃんどうしたの!?敦っちゃん!
(泣き声)警察が逮捕したのは本当に敦子を狙ってた男じゃなかったんだ。
その暴行に対する被害届は?次の日武藤さんと上司の丸田さんがここまで来たんです。
被害届を出されますか?犯人は必ず捕まえます!
(丸田)ただその時は敦子さんに裁判に出て証言して頂く事になります。
娘に…ですか?
(丸田)はい。
(北森の声)敦子は原田さんと結婚を控えていました。
彼には知られたくないと言った。
私にも娘がいます。
お気持ちは痛いほど…。
申し訳ありません!私がもう大丈夫だと…犯人は捕まえたからと言ったから…。
武藤…。
あなたのせいじゃない。
手を上げてください。
申し訳ありませんでした!
(北森)結局被害届は出さない事にしました。
恨む気持ちはもちろんあった。
警察を恨む気持ちはね。
でもそれよりも娘の将来を大事にしたかった。
(北森)敦子の幸せを第一に考えた。
それでよかったんだと思います。
真犯人はどうなりました?敦子さんを乱暴した真犯人は。
しばらくして逮捕されました。
別の女性への暴行事件で逮捕された男が敦子への暴行も自供したと…。
それが渡辺昇一ですか?渡辺?
(北森)はい。
武藤さんが教えてくれました。
監察官!そうですか…。
お父さん!なんだか心配で…。
大丈夫だ。
何も心配ない。
(信代)あのよかったらお茶でもどうぞ。
(信代)どうぞ。
恐れ入ります。
使い込んでますね。
ええ。
ちゃんと研いでやると長く使えるんでね。
本当はお店も改装しないと若い人は来てくれないんですけどね。
もういつまでもやれる店じゃないからな。
お父さん昔は漁師だったんですよ。
漁師?海で怪我しましてね。
それからこの商売始めたんです。
ずっとこいつには苦労かけ通しで。
そうだったかしら?
(電話)あっ…。
はい北森理容室です。
ああ土橋さん?明日3時。
はいわかりました。
お待ちしています。
お父さん明日3時から土橋さん。
はいよ!原田さんは磯釣りが好きで仕事の合間によく松輪の海岸に来てたんです。
その磯で敦子と…。
最初は原田さんがひと目惚れして…。
いつの間にか敦子が釣られた。
もうそんな言い方。
(敦子)お茶こっちに置いてくね。
さおりちゃんもね。
ありがとう。
休憩しようか。
はい。
よいしょ。
はいお土産。
三崎の干物。
あっあざーす!じゃあこれはお返し。
電話で頼まれた世田谷中央警察署地域課丸田警部補の資料です。
あざーす。
(丸田)犯人は必ず捕まえます!ただその時は敦子さんに裁判に出て証言して頂く事になります。
娘に…ですか?
(丸田)はい。
(丸田)私にも娘がいます。
お気持ちは痛いほど…。
監察官?
(ため息)2年前あなたはこの署内で起きた誤認逮捕を隠ぺいしようとした。
北森敦子に対するストーカー行為として田所信司を逮捕した。
だが真犯人は渡辺昇一だった。
この誤認逮捕によって北森敦子は渡辺による暴行被害を受ける結果となった。
この事実を隠ぺいしようとあなたは北森敦子に対する暴行の被害届を出さないように誘導した。
申し訳ありません!私がもう大丈夫だと…犯人は捕まえたからと言ったから…。
武藤…。
「娘のいる私にはあなたの気持ちがわかる」とあなたは言った。
だがあなたに娘などいない。
虚偽の言葉を用いて説得を図った。
嘘を言ったんだ!それは…その事は…。
(野崎)私の指示です。
あなたの?あの時暴行の被害届を受け付ければ本署だけではなく警察組織全体が信頼を失う。
そう判断致しました。
その言葉は所轄ぐるみの隠ぺいを認めた事になりますよ。
所轄ぐるみではありません。
あくまで私の指示です。
本件の全責任は私にあります。
署長は何も知らないと言うのですか?実務は私が仕切っていました。
署長には一つ一つの案件は報告しておりません。
全て私の一存です。
懲戒の対象になるとわかった上での証言ですか?はい。
信じられないです。
何が?署長が何も知らないなんてありえないじゃないですか!ちくわぶ。
はいちくわぶ!今井署長がキャリアだから責任を及ぼさないようにしてるんです。
上原和也わかりきった事を言うな!自分もキャリアだから後ろめたいのか?僕は…。
私は部下に責任を押し付けるような上司になりたくありません。
監察官!もう本物の甘ちゃんが配属されてきましたよ〜。
甘ちゃんって…!卵。
(店主)はい卵!いいか?上原和也。
ノンキャリってのはしたたかなんだよ。
バカみたいに犠牲になってるわけじゃないんだ。
どういう事ですか?キャリアの署長をかばって1人で責任取ったらどうなる?その貸しは利子が付いて返ってくるんだよ。
再就職の世話って形でな。
あ…。
今井署長とその派閥の連中がかなりいい再就職先を見つけてくれる。
定年間近の副署長にしてみればそのほうが得だろ。
大人の世界ってやつだ。
大根。
(店主)はい大根。
まあ大根みたいな君にはわからないだろうけどね。
お酒ちょうだい。
(店主)はいよ!なんだよ大根って…。
発見!管理官殺された三上の携帯が発見されました。
携帯!?野川の下流です。
もみ合った時かその前に落としたものが流されたと思われます。
検出された指紋は三上のものだけです。
発着信記録は?判明しておりますが…。
なんだ?三上は殺害される前日に武藤巡査部長に電話をかけています。
武藤に!?念のために居酒屋藤八の店主に武藤の写真を確認させました。
この人この人!間違いないです。
うちに来た刑事さん。
(南原)刑事と名乗って三上と渡辺の動向を探っていたのは武藤です!引っ張りますか?管理官!事情は聞かなければなりません。
はあ…。
(香奈)「おうちをきいてもわからない」「なまえをきいてもわからない」「にゃんにゃんにゃにゃんにゃんにゃんにゃにゃん」「ないてばかりいるこねこちゃん」「いぬのおまわりさん」「こまってしまって」「わんわんわわんわんわんわわん」なあみどり。
俺たち引っ越すか。
何よいきなり。
なんの話よ?あの話だよ。
お義父さんの鉄工所を継ぐ話。
えっ?考えてみようかと思って。
三上哲夫が殺される前日君に電話をかけているね?電話は来ましたが非通知でした。
相手が三上さんだとはわかりませんでした。
三上はなんの用でかけてきた?わかりません。
(携帯電話の振動音)もしもし。
(男)「知ってるんだ」どちら様ですか?
(男)「俺は本当の事を知ってる」無言電話ですぐに切れました。
(南原)藤八という居酒屋で刑事と名乗って三上の事を聞いているな?店主があなただと証言してるんです!
(武藤)わたくしこういう者なんですけれども。
この男ご存じないですかね?なんのために三上の動きを探った?答えたくありません。
ふざけるな!お前も警察官だろ!三上を殺したのはお前なのか?答えないって事はそういう事だな。
例の発砲も渡辺だと知っての事か?三上と渡辺はつるんでた。
お前本当は渡辺を狙って拳銃を発砲…。
もうよろしいですか?何がだ?これは任意の事情聴取でしょ?これ以上の質問は逮捕状を取ってからにしてください。
どうだ?「逮捕状を取れ」だそうです。
なんだと?任意じゃ喋れないと言われました。
所轄の地域課ごときに何好き勝手な事言わせてんだ!申し訳ありません。
しかし凶器の包丁に付いていた指紋は武藤のものではありません。
これ以上任意では…。
(出川)管理官!事件前1週間の三上の足取りが掴めました。
三崎に二度ほど行っています。
三崎に!?
(出川)京急電鉄の三崎口駅を降りる姿を駅の防犯カメラがとらえていました。
三崎口…?三上が関わった事件で三崎に関係している人物を洗い出せ!
(一同)はい!
(野崎)逮捕状を取れと言ったそうだな。
俺は警察官としてのお前を見込んでいた。
この町を…自分の担当する地域と住民を守るのが警察官の本分だと信じて勤務を続けてきたはずだ。
最後まで守ってくれ。
この警察署とこの町の住民をだ。
「まいごのまいごのこねこちゃん」「あなたのおうちはどこですか」「おうちをきいてもわからない」「なまえをきいてもわからない」「にゃんにゃんにゃにゃんにゃんにゃんにゃにゃん」「ないてばかりいるこねこちゃん」「いぬのおまわりさん」「こまってしまって」「わんわんわわんわんわんわわん」意識レベル3の100。
瞳孔反射2です。
(医師)よし処置室へ。
(救急隊員)はい!
(橋爪)羽生。
武藤の容体は?まだわからん。
植え込みに落ちたから助かる可能性はあるそうだ。
どういう事なんだよ?三上殺しの事情聴取のあとに飛び降りた。
こんな事なら逮捕しておくんだった。
被疑者扱いなら目を離さなかった。
証拠はあるのか?お前この間俺に言ったろう。
ネタが欲しけりゃそっちも何か出せ。
武藤の発砲は適法なものなのか?もしかしたらあの発砲も…。
管理官!三上は三崎口駅近くに住む北森幸一という男と接触してました。
(パトカーのサイレン)今こちらに移送してます。
わかった。
聴取は俺がやる。
はい。
(橋爪)先ほど任意で提出して頂いたあなたの指紋と凶器に残された指紋が一致しました。
三上哲夫を殺害したのはあなたですね?許せなかった…。
(机を叩く音)あいつらだけは許せなかった…!あいつら金のために…。
いらっしゃい。
悪いけど客じゃないんだ。
俺の事覚えてませんか?
(北森)敦子がストーカーに狙われた時被害届を受け付けた警察官の1人でした。
あいつ出てきたんですよ。
あいつ?娘さんに乱暴をした男。
渡辺昇一。
ちょっとまずい事になってまして…。
あいつこんなものを撮ってました。
もっとひどい写真もね。
警察に突き出してもいいんですが向こうは開き直ってる。
どうせ金がないなら刑務所のほうがマシだなんてね。
幸せな家庭を道連れにしたくないんです。
私ならあいつを抑える事が出来る。
(北森の声)グルだという事はすぐにわかりました。
糸を引いているのはこの男だと。
(橋爪)これで金をよこせと?500万だと言いました。
これを500万で買えと。
500万で私があいつを納得させますよ。
二度と付きまとうような真似はさせない。
考えさせてくれ。
娘さんの旦那さん…原田さん。
有名なグラフィックデザイナーだそうですね。
(三上)2人の幸せな生活に波風を立てないほうがいい。
でも絶対に払ってはいけないと…。
それは誰に?相談出来る人は1人しかいませんでした。
武藤さんだけが信用出来た…。
払っちゃ駄目です。
一度金を払えば一生付きまとわれる。
警察に被害届を出してください。
そんな事をして写真をばらまかれたら敦子はどうなるんですか?警察が責任取ってくれるんですか?それは…。
あいつら…あいつら人間のクズだよ!私が…。
私がなんとかします!
(北森)でも武藤さんを巻き込む事は出来ませんでした。
それで三上を?500万は用意出来たと野川に呼び出して…。
私が刺した…。
もうすぐ孫が生まれるんです。
女房もそれを楽しみにしている。
後悔してないんですよ。
後悔なんかしていない。
孫が生まれてくる世界にあんな奴が生きてちゃいけないんだ。
北森が自供したよ。
本部もこれで店じまいだ。
そうか。
そっちもこれから大変だろう。
どういう事だ?武藤が渡辺を射殺した案件だ。
あれも殺しだぜ。
武藤はずっと三上と渡辺の身辺を探っていた。
北森から恐喝の事を相談されていたんだ。
だからあの夜も渡辺のあとを…。
それは無理だ!無理?武藤巡査部長はあの地下駐車場に向かう前に隣町でケンカの仲裁に入っていた。
その前は定時のパトロールだ。
渡辺を尾行する事は出来ない。
借りてくぞ。
おい!羽生!一体なんなんです?どうしてまたここに?うーん…。
全ての事件はここから始まってる。
それはそうですけど…。
ずっとわからなかった。
渡辺がなんのためにここに来たのか。
それは車上荒らしは…別の人間だったか…。
渡辺は真っすぐに原田さんの車に向かってる。
原田さんの車だけを狙ってたんだ。
狙っていた?何かを奪うためですか?いや違う。
逆だな。
逆?
(携帯電話)はい上原です。
了解しました。
監察官。
武藤巡査部長の意識が戻ったそうです。
そうか。
はい。
先生に聞いたら10分ぐらいならいいっていうんでね。
ご迷惑をおかけしました。
大した事なくてよかった。
確認しなくてはいけない事がある。
あなたは警察官として絶対にしてはいけない事をした。
現場の遺留品を勝手に処分したね?遺留品?監察官一体何を…。
渡辺がなぜ真っすぐあの車に向かったかその理由を考えればわかる。
車上荒らしじゃないんだ。
どういう事ですか?渡辺はあの時物を盗もうとしたんじゃない。
逆だ。
何かを原田さんの車に入れようとした。
それがこの写真だ。
違うか?そのとおりです。
何してるんですか?それはあなたの車ですか?抵抗するな…。
撃つぞ。
武器を捨てろ!撃つぞ!
(銃声)あー…!
(銃声)
(武藤の声)手元を狙いましたが左手に力が入らず銃口がぶれました。
至急至急救急車要請。
世田谷区西山2丁目西山地下駐車場。
渡辺…。
(武藤の声)相手が渡辺昇一だという事はその時初めて気づきました。
(武藤の声)渡辺が何をしようとしていたのかわかったんです。
恐喝のネタを置こうとしていた。
残すわけにはいかないと思いました。
あんなもの…残しておくわけにはいかない。
遺留品を勝手に処分すれば処罰の対象になる。
わかっています。
でも…あんなものが残っていれば幸せな家族を壊す事になる。
警察官としての立場を失ってもその秘密だけは守らなければいけないと思いました。
私のせいで北森家の人たちにどれだけつらい思いをさせたか…。
これ以上あの人たちを…つらい思いをさせたくなかった。
うん。
敦子さんを守れなかったのは私の責任です。
別の男を逮捕した事で…。
どうして死のうとした?三上が殺されたからです。
三上が北森さんを恐喝している事は知っていました。
俺じゃないよ。
渡辺だよ。
北森さんを脅してるのは。
つっ…。
(三上)俺は善意の第三者ってやつだ。
北森さんの事を思って渡辺との間に入ってやったんだが?
(武藤の声)卑怯で汚い人間でした。
でも三上を止める事が出来なかった。
だから北森さんはあいつを…。
北森さんに手を汚させたのは私です。
だけどあんたが死んだところで何も変わらない。
奥さんと娘が悲しむだけじゃないか。
香奈の…。
香奈さん?娘の思うような警察官になれませんでした。
いつも歌うんです…『犬のおまわりさん』。
(香奈)「いぬのおまわりさん」「こまってしまって」「わんわんわわんわんわんわわん」そんなお巡りさんは駄目だよって言いました。
困ってしまって泣いてしまうようなお巡りさんは駄目だって…。
それでも娘はそういうお巡りさんが好きだって言った。
教えられたように思いました。
誰かの悲しさに寄り添えるのが本当の警察官なんじゃないか…。
私は…そんな警察官になれなかった。
そんな事はないよ。
あんた立派なお巡りさんだ。
あんたみたいな警察官が必要なんだよ。
僕もそう思います。
必要なんだよ。
これで全部終わりですね。
終わっちゃいない。
え?《事件はもう解決したんじゃないのかよ》してない。
(ノック)はい。
ちょっとお話ししたい事が…。
私が聞きます。
外行きましょうか。
はい。
(汽笛)これ…先生の事務所に寄って借りてきたんですけどね。
この鉛筆プロ用だそうですね。
ええそれが何か?三上哲夫が殺害されていた野川にもこれと同じ鉛筆が落ちてました。
もうちょっと短くなったやつですがね。
もしかしたら本当の犯人が落としたのかもしれない。
本当の犯人って…まさか私が犯人とでも?北森さんは左利きですよね?理容師さんにしては珍しいなと思ったんですよ。
監察官いつそんな事を?原田さんも左手でデッサンを描いてましたよね?アイデアを思いついた時にラフを描いておかないと気が済まないものですから。
三上の致命傷は左脇腹をこう…上に向かって刺されています。
犯人は右手で三上を刺したんです。
つまり右利きです。
北森さんが全ての罪を背負ってまでかばうような相手は…そう何人もいません。
私はこれと同じ鉛筆を他の場所でも見ました。
(羽生の声)短くなったものを義理のお母さんが使ってました。
(信代)鉛筆もったいないでしょう?お義母さん…。
(信代)使えるのに捨てちゃうのは。
原田さんは本職だから短くなった鉛筆なんか使えないけどうちはカレンダーに予約を書くだけだから。
無理だって言ったんですよ。
お母さん!お父さんには無理だって。
(波音)あいつを刺したのは…。
三上を刺したのは…私です。
(北森)本当にこれで最後なんだな?
(三上)あんたからはね。
どういう事だ!?あんたに払えるのはこれで精一杯。
でも…売れっ子デザイナーは持ってる額が違う。
原田さんを脅すっていうのか。
敦子さんの傷を世間に晒されたくないでしょう?それに子供まで生まれる。
(刺す音)
(三上)うっ…!
(三上)ああ…!あっ…。
母さん…。
(信代の声)私が刺したんです。
だが旦那さんが罪を被ると言った。
おしめが替えられないって言うの。
いつだって母さんに先を越されちまうな。
俺がやろうとしてた事をいつも先にやっちまう。
(信代)お父さん…!包丁を貸してくれ。
駄目ですよそんな事…!おしめは替えられない。
なんですか?それ…。
何言ってるの?敦子の時もうまく出来なかった。
孫の時も駄目だろう。
食事の支度も出来ない。
掃除洗濯もだ。
髪切る事とひげあたる事しか出来ないんだ。
立派ですよ。
その腕で私と敦子を養ってくれたんじゃないですか。
お前がいないと敦子が困る。
初めての赤ん坊だ。
母親の助けがあったほうがいい。
お父さん…。
頼む!お前だけが…あいつの母親なんだ。
敦子は私とあなたのかけがえのない娘です。
私にも少しは父親らしい事をさせてくれ。
その包丁に北森さんが自分の指紋を付けて三上のそばに置いた。
包丁は信代さんが台所で使っていたものですね?はい。
お母さん!いいのよ。
私は何も後悔してない。
敦子は覚えてないだろうけど土砂降りの雨の日だった。
船かがりのそばで溺れてる女の子がいたの。
(泣き声)
(信代の声)それがあなただった。
(泣き声)あっ…あっ!もう大丈夫!大丈夫だからね!頑張ったね!
(北森)敦子!
(信代の声)それが私と敦子と北森の出会いでした。
敦子!
(信代の声)北森と私を結びつけたのは敦子です。
私も北森の素朴な性格に引かれました。
北森と一緒になるのは自然の流れだと…。
確かにあなたは私がお腹を痛めて育てた子じゃない。
おしめも替えてない。
だけどその時思ったの。
この子は私の子なんだって。
この子を一生守ろうって…。
お母さん…。
(泣き声)ごめんね。
大事な時にごめんね…。
(泣き声)祐介さんごめんなさいね。
あなたのお仕事も迷惑をかけてしまうかもしれません。
そんな事ありません。
敦子の事を許してあげてね。
何言ってるんですか!許すも何も敦子は悪い事なんか何もしてないじゃないですか!悪い事なんて何も…。
(泣き声)お父さんといつも言ってたの。
敦子は本当にいい人と一緒になれたねって。
ありがとう…。
お礼言うのは僕のほうです。
敦子と一緒になれてお義父さんと呼べる人が出来てお義母さんと呼べる人が出来て…。
守ります!敦子の事も生まれてくる子供の事も命をかけて守ります!これが家族の絆ってもんだ。
家族の絆…。
行きましょうか。
私たちは刑事じゃありません。
監察官です。
では。
監察官!なんだ?《自首を成立させようとしていた》《あくまで自分で出頭した事にしようとしている》いえなんでもありません。
上原。
はい。
涙ふけ。
警察官がみっともねえぞ。
はい。
すごい人だ
毒ハブだろうとなんだろうとこの人はすごい人だ
そう思った
(汽笛)
北森信代が娘夫婦に付き添われて世田谷中央署に自首した
(北森)信代。
そして武藤巡査部長の監察報告が仕上がった
「8月22日世田谷区西山地下駐車場における拳銃の発砲は正当使用であると認める」「また身の危険を顧みず重傷を負いながら事件の解決にあたった事に対して警視総監賞を授与する」「遺留品提出の遅延に対しては戒告とする」どうぞ。
いいんじゃないですか。
さすがは毒ハブ。
上司をあだ名で呼ぶのはどうなのよ?それは失礼致しました。
(2人の笑い声)
監察官が毒ハブなら良子さんはさしずめマングースだ
(電話)はい監察官室。
了解しました。
監察官警務部長がお呼びです。
あー…来たか。
(机を叩く音)羽生!今井署長まで処分するだと!?何か問題がありますか?世田谷中央警察署の不祥事に関しては副署長の野崎が辞表を提出した。
ですが今井署長が野崎副署長の行為を黙認していた事は明白です。
今井は福岡県警の刑事部長に異動が内定している。
その人事を飛ばすつもりか!ノンキャリアが全てを被ってキャリアを守る。
そんな事を続けていたら警察の自浄能力はなくなります。
お前本気でそんな事を…。
本気です。
失礼します。
不思議な人ですね。
何よそれ。
私を口説いてるの?いや…羽生監察官の事ですよ。
良子さんも不思議といえば不思議ですけど。
一緒にするな。
そういえば噂を聞きました。
良子さんがどうして警視庁内の情報を握っているのか。
どんな噂だ?怒りません?聞いてからだな。
お父さんが刑事部長でお兄さんが公安のトップで前の警視総監の愛人だった。
怒りました?別に。
噂じゃなくて本当の事だからな。
どれがです!?全部だ。
親父が刑事部長で兄貴が公安のトップで前の警視総監の愛人やってた。
まんざら冗談に聞こえないのがすごいですよ。
フフッ。
さあ監察官お仕事に戻りましょう。
はいよ。
この2人どういう関係!?
2014/05/10(土) 21:00〜23:06
ABCテレビ1
土曜ワイド劇場「監察官・羽生宗一」[デ][字]
毒ハブと呼ばれる男、殺意の銃弾!!交番巡査発砲事件に疑惑あり!!迷子の子ネコちゃんの秘密…
詳細情報
◇番組内容
中村梅雀演じる、クセの強い超個性派監察官が登場!交番巡査による発砲事案を調べる羽生は事件の背後に潜む真実に気づく!痛快キャラが警察組織の壁を破る!
◇出演者
中村梅雀、戸田恵子、渡辺大、高橋ひとみ、篠田三郎、河相我聞、蟹江一平、石丸謙二郎、国広富之、春田純一
◇スタッフ
【脚本】安井国穂
【監督】吉田啓一郎
◇おしらせ
☆番組HP
http://www.tv-asahi.co.jp/dwide/
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
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日本語
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