(テーマ音楽)暖かい黒潮が沖合を流れる伊豆半島の城ヶ崎海岸。
荒々しい波が断崖に打ちつけます。
切り立った岩場を巧みに利用して子育てする鳥たち。
中でも最も躍動するのがアマツバメです。
春を迎えた伊豆半島。
険しい断崖に生きる生き物たちを見つめます。
静岡県の伊豆半島。
その東部に9kmにわたって続くのが城ヶ崎海岸です。
海岸線は複雑に入り組んでいます。
(波の音)高さ20mを超える断崖。
ゴツゴツした岩肌がむき出しになっています。
ずらりと並んだ細長い岩。
溶岩が急激に冷えて亀裂が入り柱状になったものです。
岩が折れて亀の甲羅のようになった岩畳。
こうした奇岩は火山の活動がもたらしたものです。
城ヶ崎海岸から5kmほど内陸にある大室山です。
今からおよそ4,000年前に噴火。
その時海まで流れ込んだ溶岩が波に削られ現在の海岸が形づくられたのです。
4月上旬。
断崖は生き物たちでにぎわい始めます。
岩の上に鳥がいます。
イソヒヨドリです。
青く美しい羽はオスの特徴。
海辺の磯でいち早く繁殖期を迎えます。
こちらはメス。
オスの鳴き声に誘われたのでしょうか。
カップルをつくると断崖にある岩の割れ目などに巣を作ります。
イソヒヨドリは巣作りから子育てまでオスとメスが協力して行います。
枯れ草をくわえたメス。
巣の材料を集めているようです。
岩の割れ目は奥深くまで空洞になっています。
こうした亀裂の中に巣を作り卵を産みます。
(波の音)イソヒヨドリは溶岩がつくり上げた環境を巧みに利用しています。
海岸の岩場には繁殖を迎えた鳥たちでひときわにぎわう場所があります。
「つばくろ島」と呼ばれる断崖です。
地殻変動や波の浸食によって岩が崩れ落ちこうした姿になりました。
海にそそり立つため陸伝いに天敵が来るおそれがなく安全な場所です。
こちらはムクドリ。
断崖の割れ目にこのカップルの巣があるようです。
鳥たちの集うつばくろ島に春になるとやって来る鳥がいます。
日が沈む頃。
断崖の上空に群れが現れました。
その数優に100羽を超えています。
体の大きさは20cmほど。
東南アジアなどで越冬し春繁殖のため日本各地に渡ってきます。
素早く飛び交うアマツバメ。
日中は内陸などで虫を捕らえて過ごし夕方になると断崖に戻り岩の隙間に入っていきます。
スピードを落とさず狭い割れ目に一直線。
よく見ると足の爪を岩の角に引っ掛けて急ブレーキをかけています。
岩の隙間で夜を迎えますがいつもこうして過ごしているわけではありません。
一生の多くを空を飛び続けながら生活するアマツバメ。
繁殖の時期だけは断崖をよりどころにするのです。
この時期急速に発達する低気圧の影響で春の嵐がもたらす強風が吹き城ヶ崎海岸には激しい波が打ちつけます。
強い風の中でも元気に活動する鳥たちがいます。
大きな翼で上昇気流を捉え長い距離を滑空します。
こちらはトビ。
上空から食べ物を探します。
断崖で吹き上がる風は高く舞うのに好都合です。
海面スレスレを飛ぶ鳥の群れ。
オオミズナギドリです。
伊豆半島から100km以上離れた繁殖地の島々から食べ物を求めてやって来ました。
魚の群れを見つけると一斉に水中に飛び込んで捕まえます。
強風にも負けず大海原をたくましく飛び交います。
荒々しい波が打ち寄せる城ヶ崎海岸。
断崖の上には磯とは全く違う世界が広がっています。
クロマツをはじめタブノキやスダジイなど背の高い木々が強風を遮るため森は穏やかです。
こちらは幹回りが1m近い…大きく広げた枝の先では桜が満開を迎えていました。
盛んに蜜を吸っているのは…こちらはヤマガラ。
新芽につく虫を探しています。
こずえに集団で止まっているのは…森で冬を過ごした群れは春になると繁殖のため北へ渡っていきます。
断崖の上に広がる森がさまざまな鳥たちを支えています。
ゴツゴツとした岩場に鮮やかな黄色の花が咲いていました。
岩の割れ目に根を下ろして育つ…海辺の磯にも本格的な春が訪れます。
朝を迎えたつばくろ島。
鳥たちの声が響き始めます。
(鳥の鳴き声)ねぐらから次々と飛び立つアマツバメ。
断崖の周りを飛び交います。
この時期度々ねぐらへ戻るようになります。
巣作りが始まっているのです。
割れ目からのぞくのは作りかけの巣。
アマツバメは空中に漂う枯れ草や羽毛などを集めて子育てに備えます。
ヒナが産まれるのは6月の終わり。
夏の間はここで過ごしやがて南へと旅立ちます。
伊豆半島の城ヶ崎海岸。
荒々しい景観の中にしなやかな命の営みがありました。
2014/05/11(日) 07:45〜08:00
NHK総合1・神戸
さわやか自然百景「伊豆半島 城ヶ崎海岸」[字]
荒波うちつける断崖を飛び交う無数のアマツバメ。イソヒヨドリは岩の隙間に巣を作って繁殖を始める。春、荒々しい地形を巧みに利用する命を静岡県の城ヶ崎海岸で見つめる。
詳細情報
番組内容
伊豆半島東部の城ヶ崎海岸。全長9キロにわたる荒々しい断崖は多様な命を支えている。春、岩の割れ目で繁殖を始めるのはイソヒヨドリ。アマツバメは南から集団で飛来し、岩場の近くを高速で飛び回りながら虫を捕らえる。一生の大半を飛び続けて生活するアマツバメだが、繁殖の時期だけは岩の隙間に巣を作って暮らす。一方、断崖の上に広がる森ではヒヨドリなどの鳥たちが春の恵みを受ける。春の城ヶ崎海岸でにぎわう命の営みを描く
出演者
【語り】中村慶子
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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