日曜美術館 アートシーン 2014.05.11

「アートシーン」です。
今日はまずこちらの展覧会からです。
自分の内面を見つめているとも言われるブルー一色の目。
長く引き延ばされた首。
イタリア生まれの画家アメデオ・モディリアーニだけがたどりついた女性の美しさです。
20世紀初めモディリアーニはパリでさまざまな刺激を受けながら自分にしか作り得ない作品を生み出しました。
若きモディリアーニの絵をいち早く評価してくれたのが医師アレクサンドル博士です。
博士の肖像。
セザンヌの影響が分かる色使いで描いています。
背景にはモディリアーニの絵が掛けられています。
ピカソの青の時代を意識した「青いブラウスの婦人像」。
20代初めパリに来たばかりのモディリアーニはピカソの絵を画廊で目にして衝撃を受けます。
やがてピカソとも知り合い更に影響を受けていきます。
モディリアーニの芸術を知るうえで欠かせないのが彫刻家ブランクーシの存在です。
単純な形でありながら冷たさはなく純粋な愛の喜びにあふれる造形。
モディリアーニはブランクーシに強く引かれ自らも彫刻に取り組むようになります。
更にアフリカやアジアの彫像や仮面がパリ画壇に影響を与えていました。
モディリアーニもその一人で自分の追求する形を模索していきます。
彫刻で会得した造形を絵画にも色濃く反映させるようになりました。
この作品はギリシャの建築を飾る彫刻を意識して描いたものです。
(島本)彫刻制作を行っている時期は線による堅固な造形というものを自分の理想に定めるようになっていきます。
そしてそれは絵画にそのあとまた復帰するわけですけどもそのあとも一貫して理想としていたところだと思います。
線による堅固な造形に目覚めたモディリアーニは新しい表現世界を開いていきます。
大胆に投げ出された全身を変化に富んだ曲線がかたどります。
彫刻の持つ実感を絵画に写し取ったのです。
線の力強さは肖像画にも表れています。
彫刻に理想の線を求めた緩みのない輪郭と明るい色彩。
モディリアーニならではの人物の登場です。
晩年モディリアーニはパリから陽光あふれるニースに移り住みます。
ここでの創作は色調も淡く明るくなっています。
線の力強さは消え穏やかさ安らぎが全面に出ています。
若くして伝説的画家となったモディリアーニ。
幼い頃の結核が元で35歳でその生涯を閉じました。
モディリアーニ生誕130周年。
世界中から才能が集まった20世紀初めのパリ。
想像するだけでワクワクしますよね。
その中でも活躍していたモディリアーニの独特な線やフォルムというものが彫刻から見いだされたというのはなるほどというふうに思います。
モディリアーニの新たな側面を見る事ができそうですね。
ではその他の展覧会です。
1981年の開館以来富山県立近代美術館の企画展ポスターはグラフィックデザイナー永井一正によって作られてきました。
200点を超す世界でも例のないポスターシリーズです。
当然今回も永井自身によるポスター。
そのポスター群と60年を超す仕事の軌跡を一望する展覧会です。
1970年代グラフィックデザインの黎明期から永井は活躍していました。
72年札幌冬季オリンピックのシンボルマークも彼の作品です。
生命と科学に関するシリーズ。
全て手書きです。
コンピューターの無かった時代精密なグラフィックは驚くべきものでした。
コンピューターの登場でかつて永井が描いていた精密な線は誰もが描けるようになりました。
誰もが描ける線なら自分は描かない。
永井は更に手書きにこだわります。
常に創造というのは自分自身を裏切り見る人を裏切るそういうものじゃないと驚きがないわけですね。
常に自分自身が何か困難な事に挑戦していかないといけないという事で常に道具は素朴なほど自分が出ると思うんですよね。
自分自身が全部出ていくわけですから描きにくいもので描くという事が必要だって僕は思ってるんです。
20世紀初めシルクロードの調査で知られる大谷探検隊とは別にチベット仏教の研究に赴いた2人の学僧がいました。
チベットで僧として修行し調査・研究を続けました。
ダライ・ラマ13世から贈られたブッダの生涯をたどる23幅の絵図。
この中に120ものシーンが描かれています。
これは悪魔の誘いや自らの欲望に打ち勝ち仏となる「成道」のシーン。
仏画肖像画から水墨画まで。
多彩な作品を残した長谷川等伯。
能登の国七尾に生まれ20代にして絵仏師として活躍していました。
緻密な描写と豊かな色彩。
若くしてその才能は広く知られていました。
30代京都に移住。
有名な寺院や武将の依頼を次々とこなしていきました。
一代にして画壇の中心狩野派と並ぶ実力と人気を手にしました。
多彩な等伯の魅力。
平安時代から江戸時代まで宮廷貴族の中心であり続けた近衛家の家宝。
その始まりは大化の改新で知られる中臣鎌足。
その功績によって天智天皇から藤原の姓を賜りました。
藤原道長自筆の日記。
藤原氏の嫡流である近衛家の宝です。
現存する世界最古の日記としてユネスコの世界記憶遺産に登録されています。
千年という時間の中で集められたさまざまな美術・工芸品も宮廷文化を伝えてくれます。
20世紀を代表する芸術家ピカソ。
生涯2,000点を超える版画も制作しています。
パリに来たばかりの頃の作品。
ピカソ自身の貧しさが伝わってきます。
やがて芸術家として認められます。
絵画と共に版画の表現も変化していきます。
リノニウムの板を彫って彩色した晩年の作品。
3年間の修復が完了した「洋人奏楽図屏風」が初公開されています。
大航海時代宣教師から西洋画を学んだ日本人絵師によって描かれました。
宗教は前面には出ていませんが布教活動のためイエズス会が大名家に贈ったものと考えられています。
細川家に伝わる品々から大航海時代を味わっていく展覧会です。
17世紀にオランダで出版された地図。
日本地図にも細かく地名が加えられていますが特に九州北部は詳しく書かれています。
当時貿易や布教で密接な関係がありました。
秀吉の開いた北野大茶湯で利休が使った水指。
16世紀中国南部の窯で焼かれたものと考えられています。
これも大航海時代南蛮貿易がもたらしたものの一つです。
細川の九曜紋を配した西洋式の鐘。
細川ガラシャの死を悼んで夫の忠興が作らせたとも言われています。
16世紀に伝来した鉄砲は伝統的な刀鍛冶により各地で制作されるようになりました。
金銀を用いた精巧な象眼は細川家に仕えた刀鍛冶の名工による意匠です。
「洋人奏楽図屏風」から始まって同じ時代のもので舶来のもの日本ではなくて東南アジアとかヨーロッパからもたらされたものを全部合わせて大航海時代を味わって頂ければと思っています。
2014/05/11(日) 20:45〜21:00
NHKEテレ1大阪
日曜美術館 アートシーン[字]

「モディリアーニを探して—アヴァンギャルドから古典主義へ」(ポーラ美術館 4月12日〜9月15日)ほか、展覧会情報

詳細情報
番組内容
「モディリアーニを探して—アヴァンギャルドから古典主義へ」(ポーラ美術館 4月12日〜9月15日)ほか、展覧会情報
出演者
【司会】井浦新,伊東敏恵

ジャンル :
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
情報/ワイドショー – その他

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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