臨場 2014.05.12

(パトカーのサイレン)
(一ノ瀬和之)瞳孔。
(小坂留美)瞳孔。
(一ノ瀬)左7.0。
左7。
(一ノ瀬)右7.0。
右7。
眼瞼眼球に明らかな溢血点。
溢血点あり。
(一ノ瀬)死因は絞頸による窒息死です。
絞頸による窒息死。
(刑事)昨夜遅くこの駐車場でこの女性と言い争っていた恋人の男を確保しています。
(刑事)殺しですよね?いや…自殺ですね。
自殺…!?
(一ノ瀬)はい。
首に抵抗した跡吉川線がないし毛髪や襟も巻き込まれていない。
絞め方も弱くておとなしい。
それに…うっ血の度合いが。
うっ血の度合い…?他殺の場合犯人は相手の首を力任せに一気に絞めます。
ですが自殺の時はためらいながらじわじわと自分の首を絞めるために絶命までに時間がかかる。
長く絞めているほどうっ血が真っ赤になるんです。
それじゃ別れ話がこじれての犯行じゃないんですか?どうなんですか!?検視官!
(倉石義男)明らかな自殺だ。
手にわずかながら圧痕が残ってる。
自分で絞めたからだ。
状況動機…。
俺はやってないですって!おい…おい!はい。
これあんたの車か?ええそうです。
フラれた男の前での当てつけ自殺。
自絞死だ。
帳場を立てる必要なし!
(立原真澄)所轄が殺しだと息巻いてんのに一発で自殺だと見抜いたんだって?いえ…大した事じゃないです。
最近腕を上げたって評判だ。
お前を見込んだのは間違いなかった。
ありがとうございます。
だがな一ノ瀬。
我々警察の主体はあくまで捜査。
検視や鑑識はその補助に過ぎない。
そいつを忘れるな。
お前は自分の将来のために今検視を学んでるんだからな。
はい!お疲れさまでした。
乾杯!お疲れさま!
(早坂真里子)お疲れさまでした。
でも珍しいわね2人で来るだなんて。
ホ〜ント。
一ノ瀬君が私を誘うなんてよっぽど嬉しい事があったのね。
あるいは誘う相手がたまたまいなかったか。
そんな事…。
たまには小坂さんと飲みたかっただけですよ。
私だったらいつでも予定が空いてるって思ったんじゃないの?いやそんな…。
でどうなのよ?仕事のほうは。
はい。
やっと慣れてきたってところですかね。
そう?頑張ってるよねこの頃。
何だか急に腕上げたなって思うもの。
私も負けてらんないな。
腕上げるのはいいけど…うちの義兄さんみたいに偏屈にだけは絶対にならないでよ。
まさかそんな…。
私は大いになりたいけどな…。
(相沢ゆかり)イッちゃん…?久しぶり!
(一ノ瀬)ゆかり?
(ゆかり)ルビーなの。
きれいでしょう?
(一ノ瀬)婚約したんだ?うーん…もうちょっとってとこかなぁ。
あのね相手はイッちゃんきっと知ってる人だよ。
俺が知ってる?誰だよ?
(ゆかり)内緒内緒。
近いうちハガキ出すね。
結婚式の招待状か?
(ゆかり)冗談。
当たり障りのない結婚通知。
いらないよそんなん。
それよりさ…返してくんないかな?俺の名刺。
俺だっていろいろと立場があるんだからさ。
ハガキ出すのやーめた。
え…?結婚通知…本当に出せるようになったらイッちゃんの名刺手紙と一緒に送る。
あのなぁ…。
私…とっても好きだったよイッちゃんの事。
ねぇ…自殺しちゃう人ってバカだよね。
だってほらこういう気持ちいい事出来なくなっちゃうじゃない?ね?きれいだよ。
何度も言わせんなよお前。
えぇ?何か言ったか?おぉ〜?お前も咲いたか…。
ああ…かわいいぞ。
おはよう。
イテッ…。
そうか咲いたか…。
臨場の要請ですね。
では詳細を電送してください。
はい。
(ブザー)臨場要請か?はい。
女性の首つりらしいんです。
うーんうまい。
いい出来だこれ。

(ゆかり)ルビーなの。
きれいでしょう?どうした?おいイチ!はい…すいません。
知り合いか?いえ…違います。
検視官!お願いします。
うん。
行くぞ。
はい!
(パトカーのサイレン)
(福園盛人)おぉ〜倉石検視官直々の臨場とは光栄です。
お噂はいろいろ。
どうせロクな噂じゃねえだろ。
(福園)いやそんな事は…。
自殺に間違いないとは思うんですがね…。
ぶら下がり健康器で首つってるのを訪ねてきたおふくろさんが見つけて大家と一緒に下ろしちまったんですよ。
気持ちはわかりますがねぇ。
遺書はありません。
でおふくろさんが言うには…。
ホトケの話は拝んでからだ。
ここの所轄だと死体検案は谷田部のじいさんだったな?
(福園)ああそうなんですが先月いっぱいで引退して助手としてついていた息子の若先生が引き継ぎました。
ほう…。
少し遅れるようですが待ちますか?いや始めよう。
鮮度が落ちる。
おい!何やってんだよ?…はい!
(ドアを引く音)押すんですよそれ。
えぇ?んなわけ…。
おぉ…ホントだよ。
ひどいアパートね。
ロクにくつ脱ぎが使えやしない。
この電気は?
(福園)ああ消えていたそうです。
イチ!この現場お前が仕切れ。
早いとこ始めろ。
日が暮れるぞ。
上方。
上方。
7.4センチ。
7.4。
(一ノ瀬)下方。
下方。
(一ノ瀬)38.5センチ。
38.5。

(ドアを引く音)
(福園)あっ押してくださーい!
(福園)これはこれは立原管理官。
ご苦労さまです。
すみません。
しばらく待機してていただけますか。
(坂東治久)待機!?検視官さん!ご覧の狭さだ。
やたら入り込まれたんじゃ証拠が逃げちまう。
表でタバコでも吸っててくれや。
タバコやめたんだがね。
じゃあめ玉でもしゃぶってろよ。
続けろ。
はい…。
(女性)ゆかりさんね会社勤めしてたんだけどリストラされたらしいのよ。
(花園愛)リストラ?それからは着るものなんかどんどん派手になってって。
キャバクラに勤めてたらしいわよ〜。
キャバクラですか?
(愛)あっ管理官殺しですか!?
(江川康平)管理官。
どうぞ。

(ゆかり)私さ…。
(一ノ瀬)ん?変な所で変な死に方出来ないね。
なんでだよ?だってイッちゃんに裸にされて体中調べられるなんてイヤだもん。
脱がせます。
(鑑識係員)はい。

(一ノ瀬)瞳孔。
瞳孔。
(一ノ瀬)右6ミリ。
右6ミリ。
左6ミリ。
左6ミリ。
溢血点。
溢血点。
右なし。
右なし。
左なし。
左なし。
(一ノ瀬)外分泌物の痕跡も問題なし。
外分泌物問題なし。
(一ノ瀬)暗紫赤色の死斑が下半身。
死斑下半身。
(一ノ瀬)特に両手両足の先に集中。
両手両足の先に集中。
典型的な縊死の死後兆候。
問題は首だな。
(一ノ瀬)索溝。
索溝。
顎下を基点に完全な左右対称。
完全な左右対称。
顎下の索溝は?
(一ノ瀬)えぐられたように深くくぼんでいます。
全体重を支えた証しですね。
おいイチ。
(一ノ瀬)はい。
死体が泣いてるぜ。
睡眠薬を服用したって事ですか?ああ。
だがただの首つり死体でも泣く死体は多い。
おい。
念のため床の足紋やってくれ。
はい!自分で歩いたかどうか。
眠らせといてつるすって手もある。
電気は消えてたそうですからスイッチの下からぶら下がり健康器までの間を集中的にお願いします。
わかりました。
頼む。
はい。
手前から。
うーん…?左手の薬指に帯状の圧痕が残ってるな。
イチほら見てみ。
これ指輪の跡か…。
ホトケさん婚約してたんじゃねえか?違うかな?指輪ならここにたくさん入ってますがね。
幅が合致しそうなのはこれとこれですが…婚約指輪っぽくはないですね。
指輪を外してから首をつったって事ですか?
(福園)死ぬ前に外しても圧痕は残るんですか?直前に外したのなら残ります。
その後ろのポッケかなんかに入ってねえかな?あすいません。
(ゆかりの声)ルビーなの。
きれいでしょう?《あの指輪が…ない》あら…?これ何かしら?白い粉が…。
あっここ腰回りにも。
おい光。
(鑑識係員)はい。
(福園)何すか?それ。
頼む。
(鑑識係員)はい。

(ゆかり)ジャーン!ほら〜こないだもらったイッちゃんの名刺手帳に張っちゃった。
しつこいお客さんに見せるとみんなサーって引いちゃうの。
まるで水戸黄門だよね。
悪用すんなって。
返せよ。
やだ。
ゆかり!やだ!
(ピアノ)ねぇ…本当に別れるつもり?ああ…。
そっか…。
ホントはね…いつか言われると思ってたんだ。
私なんかに本気になるわけないもんね。
わかった。
別れてあげる。
でもイッちゃんの名刺新しい恋人が出来るまで私に預けといて。
大切にするから。
ね?お願い!《名刺が発見されたらこの俺が疑われる…》《俺の出世の道も閉ざされてしまう》《あの名刺さえ見つからなければ…》
(ドアの開く音)おうご苦労さん。
(谷田部克典)谷田部です。
遅くなってすいません。
それでは始めます。
管理官!検視に時間かかってますね。
やはり殺しですかね?俺に訊くなよ…。
そろそろ入ってくださって結構です。
どうだい?若先生。
《頼む!自殺と言ってくれ》縊死ですね。
定型的縊死です。
(ため息)そっちは?はい。
足跡はスイッチからぶら下がり健康器の下へ向けてまっすぐ歩いた痕跡あり。
歩幅からしてしっかりとした足取りです。
イチ結論出せ。
はい。
本件は定型的な縊死首つり自殺と思料します。
それでいいのか?はい。
本当にそれでいいのかよ?…はい。
俺のとは違うなぁ…。
帳場立てろ。
これ殺しだ。
検視官!そうとんがるなよ!お前の見立て違いだ。
一ノ瀬君恋人いる?
(一ノ瀬)いません。
じゃ恋人いた?どうなの?なんで小坂さんにそんな事答えなきゃならないんですか?私が個人的関心から訊いてると思う?あなた相沢ゆかりさんの部屋に入った事ある?どうなの?ある?そんな事…!あるわけないじゃないですか…。
一ノ瀬君警察官になってどれぐらいだっけ?答えて。
何年?10年です。
昇任試験の事ばっか気になって現場をおざなりにしてきたんじゃないの?どうして断定出来るんですかそんな事!現場を甘く見てるからよ…。
あなたの指紋が出たのよ彼女の部屋から。
(小松崎周一)それじゃあ本庁の警部補が容疑者だというのか?それも検視官心得が。
人間誰でも叩けばほこりの1つや2つ出てくるってもんでしょう。
倉石…お前が他殺だと断定したのは足跡からだな?どの窓にも分厚いカーテンが引かれ電気は消えていた。
人間というものは完全な闇の中では歩けない動物だ。
たとえ自分の部屋でも。
ああ。
だから「まっすぐに」とか「しっかりとした足取りで」なんてあり得ねえ。
すると鑑識が採取したのは別の時についた相沢ゆかりの足紋という事か。
ええ。
それと…指輪の圧痕が残っていた事。
ホトケさんの手のひらに繊維片が付着していなかった事。
(倉石の声)あれだけガッチリロープを結んだのなら縄の繊維片が手のひらに残ってるはずだ。
つまり第三者が彼女をつるした。
指紋が出た以上一ノ瀬は容疑者には違いねえ。
好きに取り調べりゃいいさ。
失礼します。
出たのは指紋だけじゃない。
名刺も出てきた。
(立原の声)「警視庁東上野警察署刑事課強行犯捜査係一ノ瀬和之」って前の職場の名刺がな…。
倉石もしもの場合はお前にも監督責任があるぞ。
俺逃げも隠れもしねえよ。
一ノ瀬は見立て違いをやらかす未熟者かもしれんが人殺しの出来るような奴じゃねえ。

(坂東)ベッド周辺だよ!お前の指紋が一番多く出たのは。
深い関係にあったんだろう?相沢ゆかりと。
え!?…はい。
いつ頃どうやって知り合った?ナンパか!?いえ…。
1年半前…警察学校の同期会の二次会でキャバクラに行って…。
私おまわりさん大好きなの!ホント?ハハハ…。
(坂東)ところがゆかりは本気お前は遊び。
(坂東)食い違っちまったんだろ?途中で。
お前にとってゆかりは厄介者になった!そんな事…!半年前にきちんと別れました。
(坂東)なめんなよ!ゆかりに婚約指輪を贈ったのはお前なんだろう!?いえ違います!
(坂東)ゆかりはそれを大切にして死ぬ間際まではめていた。
だがお前はそこから足がつく事を恐れゆかりをつるしたあと指から抜いて持ち去ったんだろう!?違います!俺は犯人じゃありません!
(坂東)一ノ瀬…!一ノ瀬。
お前なんで現場に入る前にマルガイと交際していた事報告しなかったんだ?それは…。
自分は検視官心得だ。
現場に入り込み立場を利用して自殺だと見立てりゃ事件にはならない。
そう考えて口を閉ざしてたんじゃないのか?一ノ瀬…。
検視官を2年ほど経験させたら俺はお前を一課に受け入れるつもりでいた。
お前に目をかけたのは…俺の見立て違いだったかな。

(足音)
(ドアの開く音)おはよう。
取り調べは?司法解剖の結果が出てから再尋問です。
一ノ瀬君やったの?元恋人を殺したの?そんな事…!するわけないか…。
おはようございます。
珍しいですねぇこんなに早く。
科捜研が込み合っててなぁ。
結果待ちしてるうちに朝になっちまった。
(あくび)はい。
あら…気がきくねぇ〜!イチ…。
相沢ゆかりにはケーキ作りの趣味があったのか?…え?例の白い粉コーンスターチだった。
コーンスターチってケーキ作りなんかによく使う?ああ。
一ノ瀬君どうなの?彼女にケーキを作ってもらった事なかった?知りませんよそんなの…。
知らない?そんな事関係ないじゃないですか俺には。
あなたさぁ厄介な事件に巻き込まれて迷惑だって思ってんじゃない?たかが別れた女の1人なのに取り調べまで受けて自分のキャリアに傷がつくって。
(一ノ瀬)ほっといてください。
亡くなった方が見知らぬ人でも訴えてくる無念を死体から読み取り死因を追求するのが私たちの仕事じゃない。
まして見知った仲…元恋人だったらなおさらじゃないの!ほっといてくれっつってんだよ!イチ…。
まだ死体が泣いてるぜ…。
相沢ゆかりが泣いてるって言ってんだよ。
地取り班からの報告ではマルガイのアパート周辺で一ノ瀬は何回も目撃されてるようです。
それだけ親密な仲だったってわけです。
(坂東)一ノ瀬てめぇこの野郎…!イチは今回の検視仕切った!司法解剖に立ち会うのは当然だ。
おいイチ行くぞ。
勝手な事を…!
(相沢尚子)これも何かの因縁でしょうか…?
(尚子)ゆかりの父親は22年前…。
首をつって自殺したんです。
(尚子)経営してた鉄工所が倒産して…。
(尚子)父親の死体を最初に見つけたのは…ゆかりでした…。
(尚子)ちょうど…5歳のお誕生日の日でした…。
(尚子)それ以来この子はどこか心を閉ざしていたんですが…。
1年ほど前でしょうか…。
とっても好きな人が出来たって珍しくはしゃいで…。
世間の人さまはいろいろ言います。
でも…殺されるほど恨まれる人生を送ってたなんて思いたくないんです…!
(尚子)お願いします…!お願いします!
(尚子)徹底的に調べてください!ゆかりのために…!よろしくお願いします…。

(ゆかり)私…とっても好きだったよイッちゃんの事。
イッちゃんも幸せになってね。
きっとだよ。
こざっぱり生きてる奴なんてこの世にはいやしねえ。
無論警察官だってな。
ゆかりの無念根こそぎ拾ってやれ。
ホンボシ逃がしたら…彼女は永遠に泣き続けるぞ。

(小松崎)胃の中から睡眠薬…。
それに妊娠していたというのか。
司法解剖の結果妊娠3か月でした。
で父親は?一ノ瀬警部補なのか?血液型から見れば可能性がないわけじゃありません。
本人は否定していますが。
まぁDNA鑑定の結果が出ればハッキリするか。
ええ…。
(小松崎)粉と一ノ瀬の関連は?それはまだ…。
ただしあの部屋からコーンスターチは見つかりませんでした。
犯人の手ないしは衣服についたものがマルガイに付着した可能性が大きいと推測されます。
DNA鑑定の結果が出ました。
相沢ゆかりの胎内に宿っていた胎児のDNAは一ノ瀬のものとは一致しませんでした。
(ため息)俺のDNAじゃなかった…。
一ノ瀬君と別れたあとゆかりさんは他の男性と関係し妊娠したんですね?ああ。
彼女…婚約間近の相手は一ノ瀬君が知ってる人間だと言ったのよね?ええ。
お前とゆかりは同期会の二次会で知り合ったんだよな?そうです。
その時出席したメンバーの名前片っ端から挙げてみろ。
小林杉田高松…奥山広川原田渥美です。
それで全部か?はい。
確か…。
(ため息)現場百回か…。
(ドアにぶつかる音)押すんですよそれ。
そうだったな。
(一ノ瀬・留美)検視官…!思い出しました…!あの時二次会で同期の奴が呼んだ人間がいました!…あいつか?
(高村)ご存じかと思いますが以前使っていたゴム手袋ははめる時にやたら粉が飛び散って衣服を汚すという欠点があったんです。
で今のこの形式にしたわけですよ。
でもはめにくいんですよねこれ。
スッと手が入らなくて。
その点手袋の中に滑りやすいようにパウダーが入ってた前のやつのほうがはめやすかった事は事実です。
この古いタイプは今でも使われてるんですか?ええ。
しょせん使い捨てですし結構出回ってますね。
で…滑材として使われてるこのパウダーの原料が…。
はいコーンスターチです。
(愛)一ノ瀬警部補は非番のはずなのに一晩中足止めされていましたし現場周辺では彼の写真を持ったデカさんたちがしきりに聞き込みをしています。
(赤塚渉)現役の検視官心得が容疑者って事か…。
これはデカイぞ…!あ…で一ノ瀬と倉石は?
(愛)朝から出たまま戻ってこないんですよ〜。
新しい臨場要請が出たわけでもないのに…。
立原管理官は?それがさっき出て行って。
バカ野郎…!現場だ花園!
(愛)あ…はい!
(赤塚)特ダネ抜いてこい…!
(愛)はい!行ってきます!ご苦労さまです。
倉石は?もう中にいます。
で奴は来るのか?
(福園)6時にここに呼んでいます。
自宅から車で10分ほどですから。
(車の止まる音)
(車のドアの開閉音)
(足音)遅くなってすいません。
いらっしゃいませ。
お待ちしておりました。
…って事だ立原。
若先生…あんたあん時もそうやってドアから入ってきたよな?谷田部です。
遅くなってすいません。
あんたこのドアが引くんじゃなくて押して開けるって事知ってた。
だから今もスーって開けて入ってきた。
(一ノ瀬)谷田部さんあなたとゆかりは1年半前俺も参加した二次会のキャバクラで知り合った。
半年前俺が彼女と別れたあとどっかで再会したんですよね?家が近いから。
(一ノ瀬)結婚という言葉でゆかりをだましたんですね?奥さんも子どももいるあなたが。
でもあなたの計算違いは1週間前俺が目撃したあなたが贈った指輪を犯行後彼女の指から引き抜いて持ち去った事と慣れから出てしまったドアの開け閉めです。
それに…ゆかりの手のひらに繊維片をすり込んでおかなかった事です。
何よりも…指紋を残さないように使った商売道具のゴム手袋が命取りだったな。
旧式のゴム手袋…。
滑材にコーンスターチの粉が使われてるゴム手袋がさ。
ボロの出にくいいい現場だった…。
さすが死体の偽装は完璧に近かったんだけどなぁ。
ごめんよ若先生。
最後の…最後の1箱だったんです。
(谷田部)引退した親父から受け継いだ最後のゴム手袋だったんですよ。
けじめをつけようと思ってました。
でも妊娠を告げられて…。
何も…何も殺す事なかったじゃないか!おいイチ…!イチ!イチ…最終結論出せ。
一ノ瀬君。
本件は自殺ではなく…他殺と断定いたします。
あとはお前らの仕事だ。
(ドアの開く音)一ノ瀬…。
見立て違いは今回限りだ。
次はないと思え!お母さん言ってた。
鉄工所を倒産させたお父さんはゆかりさんの誕生日に何も買ってやれず亡くなる前の日いらなくなった自分の名刺でトランプを作って…それをプレゼントしたんですって。
名刺でトランプを…?ほら名刺って名前の側はみんな同じじゃない。
だからそれをトランプの柄に見立てて裏にサインペンでハートだのスペードだのを描いて…。
(ゆかりの父)はいプレゼント。
(ゆかり)ありがとう!ゆかりさんすごく喜んで大切にしたんだって。
…いた!あ〜いた!いた〜!いた〜!アハハ…。
これ…倉石さんに渡してくれって頼まれた。
科捜研で分析してやっと…書かれてる名前があなただと突き止めたらしい。
ゆかりさんお父さんの形見のトランプの名刺と一緒に一ノ瀬君の名刺も大切にしてたんだろうね…。
何かあった時に名前がわかって迷惑がかからないようにって。
こんなに力いっぱい…力いっぱい文字を塗りつぶして…。
イッちゃんも幸せになってね。
きっとだよ。
バカだな…あいつ。
ゆかり…。
お前今笑った…?2014/05/12(月) 16:00〜16:58
ABCテレビ1
臨場[再][字]

「赤い名刺」

詳細情報
◇番組内容
臨場とは、事件現場に臨み、初動捜査に当たること。遺体や現場に残された物証から、事件の筋立てを読む検視官・倉石義男は、優秀だが死者の声をすべて拾えれば周囲との軋轢など気にしない組織の厄介者。「拾えるものは、根こそぎ拾ってやれ」彼の死者に対する悼み方、優しさが死因を追究し事件解決へ導く。
◇出演者
内野聖陽 松下由樹 渡辺大 伊藤裕子 京野ことみ 金子さやか 橋爪淳 伊武雅刀 高嶋政伸 ほか

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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