(テーマ音楽)
(店員)いらっしゃいませ。
今回のテーマはコンビニ。
売れない若手芸人だった頃コンビニでバイトをしていた又吉さん。
昔を思い出して店員の仕事を体験中。
あっ!又吉さんどうも。
いらっしゃいませ!どうしたんですか?今商品を並べてまして。
大変ですね!いいえ。
それじゃこのあと買い物をさせていただいて。
分かりました。
コンビニに並ぶ商品は実に2,000種以上。
目まぐるしく商品が入れ替わり客の目を引くように並べる作業がひっきりなしです。
こういうのも又吉さん重要なんですかね?そうですね。
お客さん買っていくとこう商品が…。
もうバラバラになっちゃいますよね。
それをこう前に出しておいしそうに…。
おいしそうにね。
見えやすいように。
でもあんまり僕仕事が早い方じゃないんで。
エヘヘッ。
もう丁寧。
わりと丁寧だとは思うんですけど。
又吉さんはどうしてコンビニでバイトしようと思ったんですか?もともとは何となくこう楽そうやなぁと思ったんですよ。
何か僕でもできそうやなと思ったんですけど。
でもそれは大きな間違いで休んでる暇が本当ないんですよね。
当たり前なんですけど。
その事に気付かなかったんです働くまで。
日本に大手コンビニチェーンの1号店が誕生してちょうど40年。
…買える。
3つの便利を実現して急成長を遂げました。
その規模は?…に上ります。
「低成長」と呼ばれる時代にますます勢いづくコンビニ。
その元気の秘密を経済学で解き明かします。
(店員)いらっしゃいませ。
コンビニってむちゃくちゃ増えましたよね。
確かに便利なんですけどスーパーより安いっていうことではないじゃないですか。
ここまで増えたのが少し不思議にも思うんですけど。
又吉さんは例えばどういうものを買いに行きますか?僕は家の近所だとそれこそ食べ物とか。
出先だとノートとか筆記用具みたいなものを買ったりもしますね。
例えばこちらが商店街だとします。
商店街で例えば牛乳が100円で売っていると。
それから乾電池が150円で売っている。
パンが120円で売っている。
これ合計するとですね実は370円なんですね。
はい。
対してですねコンビニではどうなっているかというと牛乳が120円で売っていると。
それから乾電池が170円で売っている。
パンが150円で売っていると。
そうすると実は440円ということでコンビニですと440円になってしまう。
商店街をず〜っと回っていくと370円で買えます。
これで又吉さんどちらに買い物に行きます?この3つ買うとしたらどうしますか?う〜ん。
まあこっちの方が安いから近所だったらこっちに行くかもしれませんね。
ところがどうして皆さんはこちらに行くかというのを簡単にお話ししますと例えばこのパン屋からそれから乾電池探すまでに15分時間がかかるとします。
今度この電気屋さんから牛乳屋さん行くのに15分かかるとします。
そうすると30分時間かかるんですよね。
はいはい。
この30分時給1,000円の人だとすると実はこれ探すのに500円のコストがかかる。
なるほど。
そうするとこれ足してあげるとですねなんと870円になるんですね。
はいはい。
つまり牛乳乾電池パンの合計額370円に30分の時給500円を足すと870円。
これが買い物全体の費用です。
870円と440円なら又吉さんどっちで買いますか?断然こっちですね。
断然こちらですよね。
又吉さんこういう500円かかった500円の事を今までにもかなり出てきたと思いますが。
そうですね「機会費用」ですね。
そうですね。
この機会費用の500円があるから機会費用がゼロのコンビニを利用してしまう。
こういう商品をですね探す場合の機会費用を我々「探索費用」とも言うんですけども。
都会でどんどんどんどん機会費用時給が高くなればなるほどどんどんどんどんこちらに利用がシフトしていくということになってしまう。
確かに今はあまり昔ほど時間がないんで確かに機会費用というのをすごく意識するようになったんですよね。
昔は時間が有り余ってまして一週間に1つぐらいしか用事がないみたいな暮らしをしてたんで。
そのころは本当にもう街にある古本屋を全て回ってその中で一番安い店で安いものを買ったりということもしてました。
いろいろなものが買えるから便利なんですけどそもそもこのコンビニが遠かったら意味ないですもんね。
そうですね。
例えばうちがですねこのコンビニの目の前にあるとすると探索費用ゼロですから実質的な価格も440円だと。
はい。
これからちょっと遠くなるとこれだけの探索費用がまたコンビニに対する探索費用がかかるのでこの分が足されて実質価格が上がってしまうと。
ここをもっとだんだんだんだん離れれば離れるほど探索費用が上がってきて最終的に何かこの辺だとどっち行ってもいいやということになるんでそうすると「遠すぎると無駄じゃねえか」と。
おっしゃるとおりでここから先は絶対にコンビニに行かない訳ですよね。
今の話をグラフで示したのがこちら。
コンビニA店で440円で売られている商品にはコンビニから家までの距離が離れるほど探索費用が加わります。
商品価格と探索費用を合わせた実質価格。
これが商店街での価格を超えてしまうとコンビニに行くメリットはなくなります。
そこでここに出てくるんですが実はここの交わった地点までしかA店には行きませんという事でコンビニのA店という商圏はここからここまでしかならないんです。
う〜ん。
なるほど。
実際にコンビニの商圏の広さっていうのはどのぐらいになるんですかね?そうですね大体…これがですね大体5分で行ける所なんですね。
83円をケチって行くわけですよね。
なるほど。
僕散歩が結構好きなんで近くのコンビニは近すぎるから3つ向こうのコンビニに行って帰ってくるとかもたまにやりますけど。
それは探索が満足…効用を発生してるんで費用だけじゃなくて探索したいんですよね。
はい。
ということは僕が家から少し離れてる3つ目ぐらいのコンビニの店員さんたちは僕がすごい近くに住んでると思ってるでしょうね。
そうだと思いますね。
このコンビニの上にいるんじゃないかと思ってんじゃないですか。
全然遠いんですけどね。
全然遠い。
コンビニエンスストア。
その歴史は1927年にさかのぼります。
国土が広いアメリカでは住宅地から離れたスーパーマーケットで大量にまとめ買いをするのが習慣でした。
テキサス州のある製氷業者は住民の便宜のために住宅地の近くに売店を設置。
夏になると毎日夜遅くまで冷蔵庫用の氷を売っていました。
すると……という客の要望があり店はパンや葉巻など氷の他にも商品を売り始めます。
この試みは大成功を収めました。
店は更に品ぞろえを増やしてチェーン店を拡大。
目印にトーテムポールが立てられたため「トーテム・ストア」と呼ばれました。
やがて牛乳店やガソリンスタンドも朝早くから夜遅くまでさまざまな商品を売り始めます。
その後従来の店に比べ店内の通路を広くし駐車場も拡大。
ライフスタイルの変化に合わせた24時間営業が始まります。
こうして生まれたコンビニエンスストアは60年代以降爆発的な成長を遂げます。
そして1974年アメリカの大手コンビニチェーンのスタイルが日本にも導入されます。
今や全国のコンビニは5万3,000店に上ります。
又吉さんよく街でね同じ所に何か違ったコンビニのチェーン店が集中してるって所ありますよね。
ありますね。
どうしてああなるかは分かります?以前それはやりましたんで一応僕は分かってるつもりです。
例えばこの範囲でコンビニを出店したい。
ということは真ん中にできるだけ置いた方がここ全体の人が来れる。
2店目を出店するときにどこに出すかって考えたときに遠いとこの店のエリアが広くなるんでどうしても近づいてしまうと。
そうですね。
はい。
ちょっと置いてみてください。
ここじゃないかなと思うんですよ。
はい。
はい。
今又吉さんがおっしゃったのは例えばここだと2社で競合するので半分半分取れますよと。
確実に2分の12分の1この中の人の2分の12分の1は取れますよと。
ところが例えばこれと離れていこうとしてこの辺までやっちゃうとここからこちらはもともとの店の商圏になってここの商圏は先ほどの半分よりちょっとちっちゃくなっちゃう。
ですから真ん中に寄りますよということだったと思うんですよ。
これが「ホテリング効果」と。
企業側の行動が集中してしまうと。
同じことをしてしまうと。
このように同じ顧客をターゲットにする場合どの店も商圏を最大にしようと中心を選んでしまうのです。
ところが3軒目難しいんですね。
これ難しいですね。
まず1つ目の候補地としてはやっぱりこの真ん中に入れる。
出店する。
2つ目の候補地としてはこれもう2つ来てるから一番端に行っちゃう。
はい。
それからもうひとつはですねここと一番端の要するに今言ったAとBの間に出店する。
又吉さんだったらどれに…どこに緑のお店を?普通に考えたらAなんですけど。
この先はどうなってるんですか?この先は人がいないと考えてください。
考えていいんですか。
じゃあCですね。
はい。
これ実は今又吉さんがおっしゃったように算数的に解くとCになります。
例えばBという所に立地するとこの全体の中の4分の1の集客しかできない。
はい。
でAに来るとですね今道路とか考えないと全体の3分の1は取れますよと。
はい。
Cという所に行くと今度は視聴者の皆さんにあとで計算してほしいんですが8分の3。
この中の8分の3の商圏は取れます。
ですからそれ単純に計算するとここが一番いいんですね。
はいはい。
ところが又吉さんもしここに住んでいるときに中心に行けば2軒ありますよと。
何か特殊なものを買いに行くときはもしかしたら2店ある方に行くかもしれないですね。
これも探索費用の1つでもし例えばこちらの店で無かったらもう行く所ないんですよね。
ところがこちらの店行っとくと無かったらここ行けますよね。
はい。
そうすると本当は一番いいのはもうちょっとこっちかもしれない。
なるほど。
ず〜っとやっていくと最終的に考えるのはもしかしたらここが一番いいかもしれない。
お客さんが集まってくる。
はいはい。
お客さんの探索費用を考えればもしかしたら中心に全員来た方がいい可能性もある。
なるほど。
こういうのを「集積の経済」と言ってだんだんコンビニでも集まってくると。
なるほど。
競合店が近くに並ぶっていうのは分かるんですけど結構同じチェーン店も近いケースありますよね。
あるチェーン店がですねAという店を出してますよと。
このチェーン店が次どこに出すかということなんですが…。
実は同一チェーンのコンビニはお互いに客を取り合わないよう商圏ごとに距離を取って造られていきます。
そのため等間隔で密集していきます。
ここに出来たら次はこの辺りにできると。
そうですね。
そういうことなんですかね。
先ほど言った5分間隔ぐらいにボンボンボンボン置いてくと。
この場合はそこよりもそっちも人がいるという仮定ですけども等間隔に出店してしまうと。
うん。
これが「ドミナント戦略」というやつで。
ドミナント戦略というのは3ついいところがあって1つは…認知度が。
同じ店で認知度がこの辺ザーッと上がりますよね。
それからもうひとつは…それから3つ目は配送するときにこうやって回っていきますよね。
ですからこれもきれいなルートにして近くしていったほうが運送費用も安くなるんで配送するコストも下げてしまう。
例えばこれですよね。
これ渋谷の駅の周辺を見ているんですけども。
もうきれいですよね。
あっそうですね!コンビニのAというチェーンはこの辺にきれいに並んでいると。
大体等間隔でしょう。
ちょっと北側に集まってる感じはしますよね。
そうですね。
青があまり北には…。
攻めずに。
どちらかというと南に。
例えば日本で初めて出てきた大手のコンビニエンスストアの第1号店は豊洲なんですけども最初のうちはそのコンビニエンスチェーンは江東区以外を認めずに出店は全て江東区の中でやってるんですね。
へぇ〜!先ほど言ったドミナント効果が非常に発揮されてそのあとでだんだんだんだん広げていくという形になっている。
コンビニでは多様な商品を切らすことのないよう常に補充を行っています。
そこにどんな工夫や仕組みがあるのか又吉さんにバイト時代の知識を生かしてコンビニの裏側を案内してもらいました。
おっ!寒い寒い!こう裏から…ここにこう入れていくわけですね。
たまにこうやって出してると向こうのお客さんとこうやって目が合ったりするんですよね。
目が合いますね。
その時すごい恥ずかしいんですけどね。
うわ〜っ!すごいですね!この入り口から。
そうなんですよ。
これ空きケースですね。
空きケースですね。
売り場を確保するためバックルームが極端に狭くなっています。
どうですか?スペース的には。
あんまり商品もこのバックルームに置いとけないんですよ。
ほとんどないですね。
もう次から次と。
そうですね。
入れてしまうってことですね。
本当に必要な分だけ入荷してどんどんお店の棚に出していってという事をずっとしておかないと。
コンビニは店に大量の商品を保管できないため「多頻度小口配送」というシステムを導入しています。
こちらはあるコンビニチェーンのチルド食品専門の配送センター。
店舗からの発注を受けメーカーから200種以上の食品が集まります。
商品は店舗ごとのコンテナに少しずつ分けられます。
この配送センターが扱うコンビニは500以上。
温度管理されたトラックが一日3回1台およそ8店舗を巡ります。
実はコンビニは消費者の探索費用を取引費用という形で肩代わりしています。
…取り引きするときに発生するさまざまな費用のこと。
これが商品の価格に加算されているのです。
取引費用は商品の価格の大部分を占めています。
つまり取引費用が減らせれば価格を下げることができます。
取引費用という考え方を使うとなぜ問屋が存在するのかも説明できます。
仮に問屋がない場合4軒の生産者と4軒の小売店があったら全部で16回の取引が発生します。
でも問屋があれば取引は8回で済みます。
ところがコンビニのように多様な商品を扱う場合は商品ごとに問屋が存在するため取引回数が増えてしまいます。
そこでコンビニでは共同配送センターにまとめることで取引費用を削減しているのです。
ドミナント方式であるチェーン店があるエリアを埋め尽くしてもまた別のチェーンが入ってくるわけですよね。
これどうして起こるかというと実はこの状態はどこも競争起こってないんですよね。
もう全部の人々がA店に行くかA’に行くかA”に行くかということなのでこのチェーン店あまり頑張らなくても大丈夫なんですよね。
こういうのは「独占利潤」があるといいます。
ところがですねAというコンビニエンスチェーンのAとA’の間にBという店が出てきてしまうと。
はい。
Aとしては大変ですよね。
半分ぐらいこっちに…。
この辺の人みんなこっちに行っちゃいますから。
どうすると思います?例えばこの辺に…。
また造っちゃう。
ウフフッ。
移動できないですもんね。
移動できないです。
となるとそのお店こことここよりも何か魅力的な店にする。
おっしゃるとおりです。
コンビニの魅力とは何だったかというと基本的には探索費用を下げるということなのでここで探索費用を下げるためにはしょうがないので1つの店でですねたくさんの商品を販売する。
多様なものを置いてしまう。
あるいは多様な機能を置いてしまう。
はい。
こういうのは経済学では「範囲の経済」と言って1つのところから多様な商品を販売したり。
ということで…。
そういうことで競争をし始めるんですね。
僕はもう小学校の低学年ぐらいのときに近所にコンビニができてそれからずっとコンビニ使ってるんで…。
もうコンビニの何でしょう?成長をずっと見てきたっていう感覚があるんですけど。
すごく日本人の生活にも影響を与えてますよね。
先ほどの探索費用がなくなる。
要するに無駄な時間がなくなるということですよね。
はいはい。
効率的というとまたみんな嫌がられるんですけれども例えばここで探索費用の先ほどの30分がなくなったら30分自分で自由な時間使えるわけですよね。
選択肢が増えますよね。
はい。
30分あったら又吉さんだったら本読むんですか?本読みますね。
ああ。
僕はうち帰って寝ますけども。
ハハハッ。
人によって好きな事をできるわけですよね。
それがいいんで。
日本もそうやって好きなことができる時間が増えてきた。
それを作った一因がやっぱりコンビニだと思ってるんですけど。
次回はその品ぞろえをどうやって決めるんだということについて詳しく見ていきたいと思います。
はい。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
気をつけてます。
2014/05/13(火) 00:00〜00:25
NHKEテレ1大阪
オイコノミア「コンビニなしでは生きられない!?」(前編)[字][再]
今、全国に5万店以上あるというコンビニ。どうして同じ系列の店舗が近くに集中するのか?価格が特段安いわけではないのになぜコンビニで買い物するのか?数々の謎に迫る。
詳細情報
番組内容
大手コンビニチェーンが東京・江東区に1号店を出店してから今年で40年。今やコンビニ業界の売り上げは約10兆円、百貨店などを大きく上回る。ところで、コンビニは同じ系列の店を近くの場所に集中させる、という一見不可解に思える出店を行う。なぜか?ずばり、それが合理的な戦略だからだ。商品の配送にかかる時間は短縮できる、系列コンビニチェーンのPR効果が高まるなどのメリットが考えられる。
出演者
【出演】又吉直樹,【解説】日本大学経済学部教授…浅田義久,【語り】朴ろ美
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情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
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