情報まるごと 2014.05.13

こんにちは。
情報まるごとです。
では、きょうお伝えする内容、こちらです。
緊張が高まっています。
南シナ海。
今も中国とベトナムの船のにらみ合いが続いています。
なぜこうした事態が起きているのか。
背景に何があるのか。
まるごとお伝えします。
そして各地のニュース、話題、こちら、静岡、愛媛、福岡からです。
きのう、家族と7年ぶりに行方不明になっていた女性が再会したというニュースがありました。
認知症についてです。
この理解を深めてもらうための演劇について、愛媛からお伝えします。
そして静岡からは家康の時計、福岡からは軍艦防波堤です。
では最初はこちら、一番上です。
暑さについてお伝えしていきます。
西日本や東日本を中心に晴れて気温が上がり、各地で夏日になっています。
体が暑さに慣れていないことから、熱中症に注意が必要です。
とても暑いです。
気象庁によりますと、西日本や東海、北陸、甲信などでは、高気圧に覆われて晴れて気温が上がっています。
午後1時までの最高気温が、京都市で28度4分、鹿児島市で28度3分、鳥取市で27度7分、高知市で27度4分、静岡県浜松市で26度9分などと、各地で夏日になっています。
関東地方では、午前中、ぐずついた天気でしたが、次第に晴れて、気温が一気に上がり、前橋市で26度9分、埼玉県秩父市で26度2分などとなっています。
きのうから午前中にかけて降った雨の影響で、東日本では湿度が高く、蒸し暑くなっています。
また夏の厳しい暑さで知られる埼玉県熊谷市では、温度計に似せた巨大な表示板が登場しました。
この時期は、暑さにまだ慣れていないうえ、湿度が高いと熱中症になりやすいことから、こまめに水分を補給するなど、体調の管理に注意が必要です。
暑さについては、このあと、気象情報でお伝えします。
続いては、緊張が高まっている南シナ海の動きです。
先週、中国とベトナムの当局どうしの船が衝突。
今もにらみ合いが続いています。
海洋進出の動きを活発化させる、中国と周辺の国々との対立。
日本も無関係ではありません。
ベトナム側が公開した映像です。
接近する中国海警の船。
再び接近する船。
南シナ海では、中国とベトナムの当局の船どうしが、複数回にわたって衝突。
けが人も出ています。
その発端は、今月に入って、南シナ海の西沙諸島、英語名パラセル諸島周辺の海域で、中国の国有石油会社が海底の掘削作業を進めようとしたことです。
周辺の海域には、今も中国の船が80隻余り、ベトナムの船がおよそ30隻とどまっています。
船を派遣しているベトナムの漁業資源監視局はNHKのインタビューに対し、船を撤収させる考えがないことを強調。
しかし一方で、武力衝突はなんとしても避けたいという認識を示しました。
ベトナムの首都ハノイでは。
一連の中国の行動に対する抗議デモです。
1000人余りという、異例の規模に膨らみました。
さらにフィリピンと中国の間でも。
領有権争いが続く南シナ海で、6日早朝、新たに緊張が高まりました。
フィリピンの警察は6日、南シナ海にある排他的経済水域内で、違法操業を行っていたとして、中国の漁船を拿捕。
漁船からワシントン条約で絶滅危惧種に指定されている、ウミガメ350匹が見つかったとして、フィリピンの検察庁はきのう、乗組員9人を起訴しました。
中国の動きについて、日本政府は。
これに対し、中国側は強く反発しました。
菅官房長官は、南シナ海の平和と安定は、国際社会にとって極めて大きな関心事項であり、対話を通じて、平和裏に解決してほしいという考え方で政府は一貫している。
関係国と外交的な連携を取りながら対応しているとしたうえで、次のように述べました。
こうした中、おととい、ミャンマーの首都ネピドーで行われた、ASEAN・東南アジア諸国連合の首脳会議。
中国を名指しはしなかったものの、今回の衝突を念頭に、武器の使用など、緊張を一段と高める行為をやめ、領有権問題を国際法に基づき、平和的に解決すべきだとする首脳宣言を採択しました。
南シナ海では、今も中国とベトナムの船どうしのにらみ合いが続いています。
緊張が続く南シナ海の問題。
平和的な解決に向かうにはどうすればよいのでしょうか。
背景には何があるんでしょうか。
海洋と安全保障が専門の津屋解説委員とお伝えしていきます。
津屋さん、まずですね、この対立、どうして起きているということなんでしょうか。
南シナ海では沿岸国がそれぞれの主張に基づいて、海上の境界線を、いわばばらばらに設定しているからなんですよね。
このうち中国は、こちらのこのU字型の線ですね、これ、9段線というふうに呼ばれているんですが、この内側はすべて自分の国の海だというふうに主張しています。
当然、ほかの国はこれは認めてはいません。
例えばこちらの西沙諸島、パラセル諸島ともいいますけれども、これは今、ベトナムと中国がまさしく対じしている所です。
こちら、フィリピンと中国が、主に激しく対立している南沙諸島、スプラトリー諸島ともいいます。
このように複数の呼び名があることからも、この複雑な状況というのは、想像できるんじゃないかというふうに思います。
これ、フィリピンもベトナムも同じように、一国だけでは中国に対抗するのは難しいということをですね、アジアのリバランス政策を推し進めているアメリカを味方につけることで、中国に対するけん制をしようとしているというふうに見ることができると思うんですね。
この南シナ海というのは、どんな海域なんでしょうか。
1つ目は、こちらです。
豊富な天然資源がある所ということですね。
今回も中国が石油の掘削作業を始めたことが、1つの衝突というか、対立の原因となっているんですが、豊富な天然資源。
そしてもう1つ、海上交通の要衝。
つまり重要な海上交通のシーレーンだという点なんですね。
世界の海上交通の実は半分以上が、この南シナ海の海域を通って、物が運ばれている。
日本の場合は石油が90%以上は、この海域を通って日本に届くということで、日本にとっては、まさに生命線ともいえるところだと思います。
こうした場所が、中国が独自のルールに基づいて、この海をコントロールしようとしているのではないかということで、日本以外も多くの国が懸念を強めている。
特にアメリカなどは、航行の自由が脅かされるということで、強く警戒をしているということなんですね。
そしてもう1つ重要な点があります。
どういったところですか。
資源と交通ときました。
軍事戦略上の重要性ということなんですね。
特に中国海軍の潜水艦、この潜水艦の作戦行動にとって、この南シナ海というのは非常に重要な海なんです。
中国はアメリカの核戦力に対抗するための手段として、戦略型原子力潜水艦といいますけれども、弾道ミサイルを発射できる潜水艦をこの海域で使おうとしているわけなんですね。
潜水艦というのは、水深が浅い所では探知がされやすいんですけれども、水深が深いと、見つかりにくいという利点がありますから、なるべく深い海で活動したい。
中国というのは、沿岸の多くは、ほとんどは浅い、200メートル以下の浅い海が続くんですけど、南シナ海だけは2000メートルを超える深い海・深海もある、非常に深い海なんですね。
そこに直接アクセスできる、中国としては唯一の海といえる。
具体的にはここに、海南島に三亜という潜水艦の基地がありまして、最新鋭の潜水艦が配備されているということなんですね。
資源、交通の面からも重要というと。
中国が海洋に進出しようとする動きっていうのはここ数年、目立っているように感じるんですけれども、ここはどうしてなんでしょう。
やはりその背景には中国の急激な経済成長、それと軍備の拡張があると思うんですね。
中国が大国としての自信を深めたことで、より高圧的、強硬的な視点になってきているということですね。
中国が9段線、この船ですけれども、これを公式に国連に対して示したのが、2009年なんですけれども、この同じ年には、先ほどもいいました潜水艦の音をアメリカ軍が収集するために、インペッカブルという海軍の艦艇を派遣して活動していたんですが、その船に対して中国の船が周りを取り囲んで丸太を投げ込むなどして妨害をしたという事件があったわけですね。
それ以外にもその後、中国は当局の船が、ベトナムの漁船に対して発砲したり、ベトナムの海底探査のための船のケーブルを切断したりといったような事件なども起こしているということですね。
そして今回、中国とベトナムとの間で、当局の船どうしが衝突して、そして双方のにらみ合いが続いているというわけなんですね。
こちら、尖閣諸島との違いはとありますけれども、船どうしの衝突といいますと、尖閣諸島付近でですね、日本の船に中国の船がぶつかってきたという事件がありましたが、今回のことと、あの事件と違いはどこにあるといえるんでしょうか。
4年前の事件ですけれども、海上保安庁の巡視船に対して、中国側の漁船が体当たりしてきたという事案でしたけれども、今回は漁船ではなくて、中国の公の船、中国海警局という、いわば政府の船ということで、より重大な事件だと言えると思います。
中国政府の意思を明確に示したということもいうことができるんじゃないかと思うんですね。
これについて、中国側はぶつけてきたのは、あくまでベトナムのほうだと主張していますけれども、その映像は公表していません。
一方、ベトナムのほうは中国側にぶつけられたとする映像を証拠として公開しています。
それから尖閣諸島に現れる中国当局の船をちょっと比較してみたいんですけれども、尖閣諸島では、中国の当局の船というのは少なくとも甲板上、見えるところにはですね、武装というのはしていないんですね。
しかし、この南シナ海に現れる船、ぶつかった船ですけれども、この映像、左側の部分、分かるとおりですね、機関砲が見えますよね。
これ、カバーすることもできるんですが、あえてむき出しにしていると。
過去に漁船などへの発砲といったこともあったということからも分かるように、やっぱり南シナ海のほうがですね、不測の事態が起きやすいというか、起きる可能性が高いということは言えるんじゃないかと思いますね。
今後、この南シナ海の対立は、軍事衝突にエスカレートするおそれというのは、どうなんでしょうか。
中国もベトナムも、領有権については決して妥協はできないという立場です。
ただ、当面は、このまま双方が対じし合うような状況というのが続く可能性のほうが高いというふうに思います。
両国とも武力衝突は望んでいないと、平和的な解決をあくまで目指すんだということを明確に表明はしています。
そしてまた現場では、軍どうしが直接対じするということにはなっていませんので、一定の抑制がお互い効いているということはいえると思うんですね。
ただ、衝突の可能性はゼロではありません。
現場には数多くの船が、双方の船がいて、その中には当局の船以外の、例えば漁船なども多く出ていると見られますので、果たしてそういう船をですね、当局が本当にコントロールできるのかどうかという疑問もあります。
これがなんらかの事案を、小さな小規模な衝突などをきっかけに、どちらかの国が、軍の艦艇を前線に出してくるというようなことになると、それに反応して、相手もですね、より過剰に反応して、お互い望まないような戦闘に発展してしまうという危険は常に存在するんだと思うんです。
ですから双方とも誤解を招く行為ですとか、挑発的な行為というのは、厳に慎まなければならないというふうに思います。
ではこちらです。
先ほど、南シナ海、日本にとっても重要な海域だというお話ありましたけれども、日本への影響というのは、どう考えられますか?
先ほども説明しましたとおり、南シナ海というのは、海上貿易の生命線ともいえる所です。
ここで武力衝突が起きればですね、日本の経済への影響も避けられないということになると思います。
また、尖閣諸島の問題を抱えている日本としては、アメリカやまたフィリピンなどと連携して、対応していくことになるんだろうと思います。
そして、最悪の事態、武力衝突の事態を避けるためには、ベトナムと中国、双方ともに平和的な解決を望むというふうにしていますから、そうであるならば、現場ではにらみ合いを続けながらも、お互い交渉のテーブルについて、衝突回避について、真剣に話し合うという、それに全力を挙げるということが、今、大事なんじゃないかというふうに思います。
対話によって解決してほしいですよね。
海洋、そして安全保障が専門の津屋解説委員とお伝えしました。
次は戦争の遺構を語り継ごうという取り組みです。
北九州市の港には、全国的にも珍しい、軍艦防波堤があります。
旧日本海軍の軍艦を並べてコンクリートで固めた護岸です。
人々の日常生活の中に溶け込み、忘れ去られようとしているこの軍艦防波堤を、後世に語り継ごうと活動する男性を取材しました。
北九州市若松区の洞海湾。
3隻の軍艦で造った軍艦防波堤です。
画面左から、柳、涼月、冬月。
全長は770メートル。
終戦直後の昭和23年、極度の資材不足の中、3隻は手っとり早い護岸として、コンクリートとともにこの地に埋められました。
防波堤から船体の一部をのぞかせているのが、駆逐艦の柳です。
戦時中の軍艦が、僅かでも原形をとどめている場所は、国内にはほとんどありません。
大正6年にしゅんこうした柳。
第1次世界大戦では、地中海に派遣されました。
そして太平洋戦争中は長崎の佐世保で、軍事教練に使われました。
北九州市の教員、松尾敏史さん。
15年前から、軍艦防波堤を語り継ぐ活動を続けています。
日常の風景に溶け込み、忘れ去られようとしている軍艦防波堤は、松尾さんの目に、風化する戦争の象徴として写っています。
縦60センチ、横1メートルの古い図面。
ことし1月、松尾さんが知人から入手した柳の設計図です。
軍艦の図面は、軍事機密として扱われ、終戦後は多くが焼却されました。
この設計図は、関係者がなんらかの理由で外部に持ち出したものだと見られています。
松尾さんは、新発見の設計図によって、これまで分からなかった柳の詳細な姿が分かるのではないかと考えています。
例えば、艦首に近いこの場所。
何が設置されていたのか分かっていませんでしたが、設計図には記載がありました。
設計図には、クルースペース、乗組員の待機場所を示す記述もあります。
柳に乗り組み、世界の海に派遣された人たちの息遣いがうかがえるといいます。
松尾さんはおよそ100人を集めて、報告会を開きました。
貴重な設計図が初めて公開されました。
では近寄ってご覧ください。
祖父が柳の乗組員だったという男性も訪れました。
さらに松尾さんは、設計図を生かした新しい取り組みを始めました。
設計図をデジタルデータにして、インターネットで公開しようというのです。
世界中の人たちに設計図を自由に見てもらうことで、新たな発見があるのではないか。
そんな期待を抱いています。
戦後69年、戦争を直接知る人たちが減っていく今、1枚の設計図を頼りに、軍艦防波堤と、それを生んだ戦争を語り継ごうという取り組みが続きます。
若松区の軍艦防波堤は、3隻の軍艦で造られていますが、その原形を僅かでも見られるのは、リポートでご紹介した柳だけだということです。
軍艦防波堤は北九州市のほか、福島県の小名浜港や京都府の竹野港など、全国の数か所に造られたと記録されていますが、ほとんどの軍艦はコンクリートに埋められ、姿を見ることはできないということです。
さあ、最初もお伝えしましたが、きょうは各地で暑くなっています。
気象情報です。
奈良岡さん。
こんにちは。
現在、沖縄では断続的に雨が降っています。
この時間の那覇市の様子です。
朝から雨が降ったりやんだりで、今もどんよりとしています。
沖縄では、梅雨前線や南からの湿った空気の影響で、大気の状態が非常に不安定になっています。
夕方にかけて、非常に激しい雨が降るおそれがあります。
これまでの大雨により、地盤が緩んでいる所がありますので、土砂災害や川の増水、低い土地の浸水に警戒が必要です。
ではこの先の雨の予想を見ていきましょう。
午後3時以降も、局地的には黄色の表示、雨足が強まる所がありそうです。
夕方にかけて、1時間に50ミリの非常に激しい雨が降るおそれがあります。
そしてそのあとも雨足が強まる所があって、落雷や竜巻などの激しい突風が吹くおそれもあります。
注意が必要です。
そして北海道でも不安定な天気となりそうです。
3時以降も、北海道、大気の状態が不安定ですから、にわか雨や雷雨となる所がありそうです。
さて、そのほかの晴れている地域では、気温が高くなっています。
この時間の気温を見ていきましょう。
25度以上の所は黄色で表示されています。
東日本や西日本を中心に、25度以上の所があります。
高知ではこの時間、27度9分まで上がっていて、暑くなっています。
あすも気温が上がって、汗ばむ暑さとなりそうです。
ではあすの予想天気図です。
あす、本州付近には目立った低気圧や前線はかかっていません。
朝から日ざしが照りつけそうです。
日ざしと、北海道の辺りにある低気圧に向かって暑い空気が流れ込むことで、気温が高く、暑くなりそうです。
真夏日になる所もあるでしょう。
ただ低気圧に近い北海道や、前線に近い沖縄では、あすも雨が降りそうです。
九州の南部でも天気は下り坂でしょう。
さて、あすは気温が各地で上がります。
最高気温は、暑さで有名な埼玉県熊谷市、30度の予想で、ことし初めての真夏日となりそうです。
福島でも30度まで上がりそうです。
富山や京都、大分県の日田市でもあすは30度を超えそうです。
暑くなりそうです。
まだ暑さに慣れていない時期ですから、熱中症に注意が必要です。
水分をこまめに補給したり、帽子や日傘で日ざしを遮って、暑さを避けるなど、熱中症にならないようにお気をつけください。
では全国のあすの天気です。
あすはさらに、暑くなりそうですね。
そうですね。
かわって、次は認知症についてです。
認知症やその疑いがあって、はいかいなどで行方不明になる人が、年間1万人に上っています。
四国の愛媛県では、おととし、107人が行方不明になったとして警察に届けられ、このうち8人が亡くなり、今も19人の行方が分かっていません。
行方不明者の数は全国の都道府県で最も多くなっています。
こうした悲劇から認知症の高齢者を守ろうと、演劇活動をしている愛媛のグループを取材しました。
けんちゃん、認知症って?
病気ってどういうことだ?
劇の題名は、おじいちゃん、どこ?認知症の高齢者が突然、家から姿を消すという物語です。
この劇団は、認知症について、劇を見て理解してもらおうと、新居浜市で4年前、結成されました。
メンバーは認知症の介護に携わる、介護福祉士や看護師の20人。
月に1度、劇を披露しています。
座長で介護福祉士の野口幹代さん。
介護の経験をシナリオに生かしています。
認知症は悲劇にもつながります。
ここでことし3月、新居浜市の認知症のお年寄りが遺体で見つかりました。
去年11月、突然、家を出て、5か月間行方が分からなくなっていました。
20キロも離れたこの場所まで、はいかいしてきたと見られています。
地域包括支援センター、全国の市町村に設置された、認知症をはじめとする高齢者の問題の相談窓口です。
5年前、41件だった認知症の相談は、去年は125件と3倍に急増です。
こんにちは。
野口さんはふだん、認知症の高齢者を介護しています。
その経験から、認知症の人とのつきあい方を学んできました。
何年生まれ?お生まれ。
大正9年。
あら!
私と一緒やね。
あれ。
私も大正9年よ。
こちらも。
認知症の高齢者は、楽しかった思い出をよく覚えている。
野口さんはそう言います。
はいかいすることも、そうした古い記憶がもとになって、どこかへ向かってしまうと考えています。
認知症の人の声に耳を傾けてほしい。
野口さんは、その思いをシナリオに込めました。
地元の新居浜市の寺で披露した劇には、50人余りが集まりました。
夕方になって孫のけんいち君が帰ってきました。
おじいちゃんが突然、行方不明になりました。
そうか。
ピンポン。
あっ、おじいちゃん。
警察に保護されたおじいちゃん。
手に持っていたのは、野球のキャッチャーミットでした。
おじいちゃんはかつて、キャッチボールをして遊ぶという、息子との約束を守ることができませんでした。
それが心残りとなり、キャッチャーミットを手にして公園に向かったのです。
はいかいには目的があると考える野口さん。
こうした場合の対応のしかたを劇に盛り込みました。
はいかいする目的を理解しておけば、行方が分からなくなっても、早く見つけることにつながります。
家族をはじめとする周囲の人が、認知症についての理解を少しでも深めることになれば、悲劇を防ぐことにもつながる。
この思いを少しでも多くの人に伝えようと、野口さんは活動を続けています。
認知症で行方不明になっていた女性が、7年ぶりに家族と再会したというニュースがきのう、ありましたけれども、認知症について知識として知っているつもりになっていても、やはり認知症の方が身近にいないと、その実感として捉えるということは難しいものだなというふうに感じますよね。
そうですね。
松山のスタジオには、取材した山本記者がいます。
認知症への理解を深めるために、演劇、効果ありそうですね。
そうですね。
そう思います。
脚本を書いている野口さん。
それに劇団のメンバーも、仕事で日常的に認知症の人と接しているんです。
リポートでご覧いただいたように、演技に関してはまだ素人なんですが、劇のストーリーは、実際の経験に基づいているので、説得力があったと思います。
野口さんたちの劇団は、毎月1回のペースで、新居浜市だけではなく、お隣の西条市でも演劇を披露しているんです。
山本さん、取材を通じて、どんなことを感じましたか?
私の心に最も響いたのは、はいかいには目的があるという、野口さんのことばでした。
実際、私も今回の取材をするまでは、はいかいというのは、当てもなくさまよい歩くことだとしか考えていませんでした。
今後、高齢化社会はますます進んでいきますが、そうした中で、認知症によるはいかい、この問題はより深刻化するといわれています。
今回の取材を通じては、多くの人に認知症への理解を深めてもらうこと、その取り組みが重要だと感じました。
認知症の人の声に耳を傾ける。
この野口さんのことばと姿勢を、私も学びたいと思います。
松山から山本記者でした。
次は東海、北陸からです。
上ですね、家康の時計とありますけれども、私、実は知らなかったんですけど。
歴史好き?
そうそうそうそう。
いや、好きと詳しいというのはまた別問題ということでね。
そうか、そうですね。
お伝えしてまいります。
名古屋からですね。
辻本さん。
こちらがその時計です。
400年余り前、スペイン国王から徳川家康に贈られたといわれています。
さすがに今は動いていないんですが、ロンドンの時計職人に依頼して、複製を作ることになりました。
400年前の時計は、どんな音で時を刻むのでしょうか、完成が楽しみです。
この機械時計は1581年に作られたとされ、1609年に千葉県沖で難破したスペイン船の乗組員を救助したお礼として、スペイン国王が家康に贈ったと伝えられ、国の重要文化財に指定されています。
高さ21センチのしんちゅう製で、修理や改造がほとんど行われておらず、作られた当時の様子が残されていることが分かっています。
この機械時計の複製を作る作業が、来日したロンドンの古時計専門の職人、ヨハン・テン・ヒューブさんの手によって、きょうから静岡市の久能山東照宮で始まりました。
時計は歯車やぜんまいなどおよそ100点の部品に分解され、磨いてさびやほこりを落とす様子が、報道関係者に公開されました。
この時計は部品をきれいにしても、磨耗やゆがみで動かなくなっているということです。
ヒューブさんは、今月17日までかけて、部品の形や時計全体の構造を詳しく記録し、ロンドンに持ち帰って、複製を完成させ、当時の機能や動きの再現を目指すことにしています。
トクする日本語です。
杉原満アナウンサーです。
こんにちは。
きのう5月12日は、看護の日でした。
看護の日?
これにちなんで、きょうは看護に関することばを取り上げようと思います。
看護の日というのは、5月12日が近代看護の創設者といわれるナイチンゲールの誕生日であったことにちなむわけですね。
このナイチンゲールという人、イギリスの人ですけれども、それまで看護というと、使用人や家族の人がしたり、あるいは修道女が行うものだったのを、女性の職業として確立した、また看護教育を確立した人です。
一方で、クリミアの天使とも呼ばれていたんですね。
クリミアというと、今、世界から注目される、今はウクライナの一部ですけれども、1850年代はですね、ここを舞台にロシアとオスマントルコの間で争いが起きて、イギリス軍も参戦して、クリミア戦争という大規模な戦争がありました。
そのときに看護師として従軍したんですけれども、軍の上層部に訴え出て、野戦病院の衛生環境を改善して、死亡率を大きく下げて、大勢の兵士の命を救ったということで、クリミアの天使といわれるようになったそうなんですね。
看護というものはどういうものか、ことばの面からもう少し見てみたいと思いますが、看護師というのは英語ではナースと言うんです。
ナースの語源はラテン語のニュートリーキアということばで、養うものということなんですね。
このナースの元は子守りとか乳母など、子どもの世話をする人という意味だったんです。
これが次第に病人の世話をする人という意味が広がったそうなんですね。
また日本語では、このナースを最初に訳語がついたのは、看護人ということばですが、看病人ということばだったんですね。
これが看護人になって、看護婦、看護師と変わってくるわけですけど、いずれにしても看という字がついています。
これは手と目が合わさった字で、手をかざしてよく見るということです。
護は守るですよね。
ですからいずれにせよ、ナースも看護も医者の助手という、単純な意味ではなくて、やはり親身になって助ける、守る、そういった意味が込められていることばなんですね。
さて、以前は師匠の師じゃなくて、さむらいという字を使ったことばがありましたね、看護士ですが。
もともと看護婦というのは、大正時代に法律的には女性だけに定められた名称で、男性には特に決まりがなかったそうなんです。
一般に看護人などと呼ばれましたが、昭和になってから、43年に、この士という字が使われるようになりました。
これは成人男性とか仕える人という意味なので、婦に対して、このときは使っていたんですね。
ただ、平成14年になってから、男女問わず、この師匠の師という字になりました。
この師と士、使い分けが時々ね、迷うときがありますけど、ちょっと一般的に見てみましょう。
医療関係では、やはりこの師匠の師が多いんですけれども、関連の分野では意外とこの士を使う名前が多いんですよね。
これはもちろん、男女問わず、付くわけですので、この使い分けには十分注意をしておきたいと思います。
これはもう、どっちの字なのかは覚えるしかないと?
そういうことですね。
看護についてでした。
トクする日本語、杉原アナウンサーとお伝えしました。
にじまると各地の空を散歩するにじさんぽです。
気象予報士の奈良岡さんと一緒にお伝えします。
晴れ間が戻っている所では、気温が高くなっています。
それでは空の散歩に出かけましょう。
まず最初は北海道の釧路市です。
釧路市ではきのう、桜の開花が発表されました。
平年より5日、去年より11日早い開花です。
今週後半ごろには、満開になりそうだということです。
今は晴れているようですね。
今のところ、次の土曜日、日曜日も晴れ間が期待できそうです。
かわって仙台市です。
今度の土曜日と日曜日、仙台・青葉まつりが行われます。
すずめ踊りという伝統の踊りが街のあちこちで披露されるほか、武者行列やけんらん豪華な山鉾が中心部を練り歩きます。
仙台はあすは7月の暑さになりそうですが、土曜日と日曜日はこの時期らしく過ごしやすい陽気になりそうです。
こちらもいいお天気ですね。
静岡県の浜松市です。
浜名湖の周辺では浜名湖花博が行われています。
生産量日本一を誇るガーベラやバラが見頃を迎えているということです。
浜松市は暑くなっています。
午後2時の気温は、27度ちょうど。
熱中症に注意が必要です。
続いて滋賀県の大津市です。
びわ湖が見えています。
このびわ湖で、日本初の鉄道連絡船が就航してからあさってで130年です。
それを記念してびわ湖を巡るクルーズが運航しています。
きれいな青空ですね。
あすも晴れて暑くなりそうです。
あすの最高気温は29度の予想です。
こちらも青空が広がっていますね。
岡山県の倉敷市です。
美観地区では25日までの土日に、ハートランド倉敷という催しが行われています。
今度の日曜日には、白むく姿の女性が、舟で嫁入りする情景を再現した、瀬戸の花嫁・川舟流しが行われます。
今は晴れていますが、次の日曜日は曇りの予報です。
天気は下り坂なので、日曜日、天気もつといいですね。
佐賀市です。
市内を流れる嘉瀬川では、今度の日曜日、川開きが行われます。
嘉瀬川堤防に咲く草花や野鳥を眺める清流下りの催しが開かれます。
佐賀も気温が高くなっています。
午後2時の気温は25度1分。
水が恋しくなる暑さですね。
あすも夏日の予想です。
各地、気温が全国で上がっていますけれども、あすのお天気、改めてお願いします。
全国的に晴れるでしょう。
ただ沖縄はあすも雨が降りそうです。
また北海道も昼ごろに雨が降りそうです。
九州南部も、夜になりますと雨が降って、激しく降る所もあるでしょう。
そして気温の予想、見ていきますと、最高気温は25度以上の所がほとんどで、名古屋や大阪は29度と、暑くなりそうです。
そして東京も27度と汗ばむ暑さになりそうです。
2014/05/13(火) 14:05〜14:55
NHK総合1・神戸
情報まるごと[字]

▽緊張高まる南シナ海 海洋目指す中国の狙い 【キャスター】小澤康喬,實石あづさ,【気象キャスター】奈良岡希実子

詳細情報
出演者
【キャスター】小澤康喬,實石あづさ,【気象キャスター】奈良岡希実子

ジャンル :
ニュース/報道 – ローカル・地域
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ニュース/報道 – 天気

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