ハートマークカミナリマーク!ピーピーピーピー言う女はね嫌われるぞ。
おい。
これが私の愛し方なの!
(物音)
(石井久子)鼻血?
(悲鳴)
(電車の警笛)
(早坂真里子)やったぁ!
(真里子)「今週のB型は超最高にハッピーな週」だって。
しかも…「ラッキーカラーピンク」。
やだやだ見て見て見てほら。
私ピンクなんだけど!
(倉石義男)ねえねえねえちょっとこれ…これ見てみな。
何?これだよ。
「今週のB型は最悪」!いいねこれ。
(携帯電話)なんだよぉっ!?
(小坂留美)「臨場の要請です」現場は江東区朝日町3丁目朝日団地。
C棟自転車置き場に男性の変死体です。
「んん。
俺は勝手に行く」はい。
向こうで合流だって。
いい気なもんですねまったく…。
(叫び声)
(真里子)はいっ。
(パトカーのサイレン)
(佐倉鎮夫)おいおいこいつは本部がしゃしゃり出るヤマじゃねえよ。
(坂東治久)所轄にチンタラやられてちゃたまんないんだよこっちは。
(一ノ瀬)遅くなりました。
(坂東)検視官は?今こちらに向かってます。
お前さん確か…。
以前交通課にいた小坂です。
お久しぶりです佐倉さん。
ああそうだ小坂だ。
検視官になりたいと志願したとは聞いてたが初志貫徹か。
最近の女は威勢がいいや。
そんな…。
佐倉さんは今年卒業じゃなかったですか?うん。
あと三月だ。
こいつが最後のヤマになりそうだな。
(坂東)おい!世間話はそれぐらいにしとけよ。
(佐倉)わかったよ…。
いやね犯人が東っかたに逃走したらしくてさ向こうは線路があって行き止まりなんだ。
じゃあ犯人はまだ団地内に?うん…。
その可能性もある。
さて老骨にムチ打っていきますか!お疲れ様です!おーい。
お疲れ様です!あぁーっ!うん!よしっ!かなり争った跡があんなぁ…。
血痕があっちこっち踊ってらぁ…。
何何何…?ん?右手の平に防御創と見られる切創あり。
右手の平防御創。
右上腕部…。
右上腕部…。
および右顔面にも切創。
右胸部に刺創。
これが致命傷だ…。
創口の状況と刃幅からみて…凶器は小型の刃物だな。
致命傷になった傷の挿入角度と右半身に傷が集中してる事からして…犯人は左利きだ。
左利き…。
で?「で?」ってのはなんだよ。
でっ?マルガイは比良沢富雄24歳。
(坂東)C棟202号室で両親と同居。
職業は小学校教師。
(江川康平)比良沢の趣味がサイクリングでこいつに乗って夜中に走るのが日課だったようです。
(江川)鋭利な刃物で切られています。
深夜にサイクリングって何してたんですかね?無駄口たたかない。
お前!
(男のわめく声)
(佐倉)いたぞ!いたぞーっ!ワッパ!容疑者確保!東のA棟の物置小屋に隠れてやがった。
逃げようとしたところを御用ってわけだ。
やりましたね佐倉さん。
(佐倉)おだてんな。
おい!なんの真似だ?右利き?左利きじゃないじゃないですか。
見立て違いだよ…。
俺のとは違うなぁ…。
(パトカーのサイレン)
(佐倉)左利きねぇ…。
争った時偶然右半身を傷付けられたって事もあり得る。
まあそれにだここ2週間ばかり団地内に不審なホームレスが現れるって通報があってな確認したんだがあの男に間違いないつってんだ職質かけた制服が。
マルガイと何かもめ事があったとか?それはこれからだ。
まあ今んとこは建造物侵入で逮捕するしかないが不審者である事には間違いないし逃げていくのを見た目撃者もいる。
どっからどう見たってあの男だろ。
なんで行き止まりの東に逃げたんだ?ああん?2週間あたりもここいらうろついてりゃあそれなりの土地勘があったはずだ。
そんな事は奴に聞かなきゃわからんがただパニクっちまって東に逃げたって事だってある。
その職質かけた制服の名前…。
なんてえの?地域課の大越だ。
(坂東)おいそれは?
(鑑識係)はい東棟のゴミ置き場にありました。
(鑑識係)血液が付着しています。
おそらく凶器ではないかと…。
凶器は小型の刃物…。
当たりですね。
ほう凶器を当てたか。
大したもんだ。
とりあえず本部はご苦労さんってとこですな。
じゃあな小坂。
頑張れよ。
はい。
あんな野郎に馬鹿にされてりゃあ世話ないぜ…。
さすがの検視官さんも今度ばかりは見立て違いか。
(坂東)ふんっ…まったくいい薬だぜ。
やる。
ええっ?先帰ってろ。
(大越)了解。
確認します。
地域課の大越ってあんた?なんですか?ちょっと話があんだけどな。
(佐倉)このナイフにはA型の血液が付着していた。
ガイシャもA型だ。
柄の部分はぬぐったようだが一部にあんたの右手小指の指紋が残ってた。
(佐倉)言ってる事わかるよなあ?団地内をうろついてたそうだがガイシャとは顔見知りだったのか?お前さんの持ってたこのプラスチックのケース。
これは何?なんで黙ってるかなあ名無しのごんべえさん。
いい加減にしろよな!なんで名前言わないんだよ。
どこに住んでんだよ?気取ってんじゃねえぞ!
(佐倉)大越。
はい。
いやちょうどよかった。
はい?あいつ名前言わないんだけどさ職質の時名前聞かなかったのか?申し訳ありません。
団地でうろついてたりしたら住人が迷惑だと伝えると案外素直に出ていきましたので…。
そうか。
団地で何してたのかねぇ?あいつは。
さあ…。
佐倉さんもやはりなんかあったと思うんですか?そりゃあうろついてた理由はあんだろ。
俺もって…どういう事だ?あの本部の有名な検視官がやはり同じ事を訊いてきたものですから…。
何様のつもりだ!この鑑識風情が…。
(一ノ瀬)聞きました?容疑者の男何もしゃべらないって…。
(一ノ瀬)どういう気なんでしょうか。
ただちょっと気になるよね。
現場で検出された血液がA型しか出てないって事ですか?でもそれはガイシャの血液型がA型ですから。
逮捕された男鼻血出してたじゃない。
って事は争った時に殴られたかなんかしたんでしょ?あいつの血液型はB…。
なんで検出されないのよ。
現場で鼻血を垂らさなかった…。
それにごく微量で血液型鑑定より先にDNA鑑定に回してる血痕もあるそうです。
23種類の指紋が出たけどあいつのはなし。
毛髪もなし。
変よね?状況としては。
凶器には指紋が付いてました。
このプラスチックケース何よ。
知りませんよそんなの。
とにかく物置に隠れて見つかって逃げようとした。
犯人に決まってます!科捜研でDNA鑑定の結果が出れば一発です。
じゃあ…見立てを誤ったっていうの?「猿も木から落ちる」です。
続けろよ。
あっいえ…。
猿の話?近いうちにあの男はパイになる。
パイ?シロで釈放ですか?さてと…。
おでかけですか?レレレのレ〜。
食べてほしい子だ〜れだ?ん?お前かよーしよしよし。
えいっおぉ〜落ちちゃったなぁ大丈夫か?大丈夫か?ああ大丈夫かそうかそうかそうか…。
真っ赤な顔して〜。
よしよし…。
(佐倉)これなんだかわかるかい?ごんべえさん。
現場に残されてた血痕をDNA鑑定に回したんだ。
(佐倉)そのうちのひとつがあんたの型と一致した。
その型がさ聞いて驚くな…なんと100万人に1人しかない種類なんだよ。
そうだよ。
いいか?東京の人口は約1300万。
つまり都内に13人しかいない型のDNAが殺害現場に残され同じ型の人間がその現場から飛び出してきた。
これを別人だと認定する裁判官がいると思うか!?私がやりました。
ご迷惑をかけて申し訳ありませんでした。
そうかい…。
名前と住所は?深見忠明です。
52歳になります。
住所はありません。
容疑者が自白しました。
現場に残された血痕のDNAの型が犯人のものと一致したんだそうです。
しかも100万人に1人の型だそうでそれを聞いたとたん「私がやりました」って…。
それってほんと?倉石さん!北沢!
(北沢)あっ倉石さん。
江東区のヤマなんでDNAちゃんとやらねえ。
(北沢)はっ?ちゃんとやらないって何言ってるんですか?鑑定はちゃんとやりましたよ。
やってねえから言ってんだ!冗談はやめてくださいよ。
ちゃんとやれって言ってんだ。
なんなんですか?一体…。
なんなんですか…!?ダメです倉石さん!縦列型反復配列多型…。
DNAのMCT118という部分を大量に複製して鑑定したんだろ?そうですよ。
118は個体差が激しい場所だから個人識別には極めて有効なんです。
結果出てきたのものが100万人に1人の型でそれが深見のものと一致した…。
そうです。
文句ないでしょうが。
それともあれですか?鑑定をやり直せっていうんですか?結果は同じですよ。
ほかの鑑定方法があるだろう?そりゃありますよ…。
DNAのHLA‐DQaの部分の鑑定やTH01という方法だって…。
けど容疑者自白したんでしょ?必要ないでしょうが。
必要ねえって事はねえ。
ちゃんとやれ。
ちゃんと説明してください倉石さん。
何が?「何が?」って今の事です。
訳わかんないですよ。
状況が変だったら一番固いブツを疑うのは当然だ。
状況って…利き腕の事ですか?土地勘があるはずなのに東に逃げたって事ですか?技官の言うとおり一番固いブツのDNAが一致して自白もしてるんですよ。
二度同じ事言わせんな。
(佐倉)「私は犯行前日午後7時頃比良沢さんにゴミをあさっているところを見られて叱られその恨みを晴らすため犯行当日比良沢さんが乗っていた自転車をパンクさせて仕返ししようとしたところをまたしても比良沢さんに見つかり争いとなってナイフで刺しました」と…。
(佐倉の声)間違いないね?
(深見)はい。
あっそうだ。
あの小さなプラスチックのケースあれはどうしたんだい?拾ったんだと思います。
あまり覚えてなくて…。
(笑い声)そうか…。
(佐倉)ん?
(佐倉)あんた離婚してたのかい。
もう15年になります。
離婚の原因は?おいおい…また貝になるつもりか?息子の血液型が違っていたんです。
私はB妻はOなのに息子がA型だとわかって…。
そりゃあダメだ。
生まれるわけねえもんなぁ。
でそれからずっと1人で…。
それが50目前で働いてたホテルでリストラにあって転げ落ちるように今の暮らしってわけか…。
いやいや肩の荷が下りたよ。
定年前の二月は休暇取れって言われてたからさ早いとこ片付けたかったんだ。
すいません…。
(前田の声)乾杯!総監賞ものですよ佐倉さん。
ほしけりゃやろうか?今度の総監賞。
(前田)ではお言葉に甘えまして!
(一同の笑い声)
(佐倉)おう!小坂。
(佐倉)古巣にようこそか。
自白したそうですね。
(佐倉)どうした?ちょっと気になる事があって…。
この事件が最後のヤマだっておっしゃってたから佐倉さんのお耳にだけは入れておいた方がいいかなって…。
なんだい?すいませんお食事中…。
構わねえよ。
ここちょうどいい味だ。
うまくもなくまずくもなく…飽きない味だ。
科捜研に乗り込んだんだって?すいません…。
いや。
あんたDNAをちゃんとやれって言ったらしいがそれは何か?奴はホンボシじゃないって事か?凶器に指紋は付いてたしDNAって科学の証明もあって奴は自白した。
自白は証拠の王様って教わったはずだ。
お前さんそれを否定するのか?「自白は証拠の王様」…。
あんたいつの時代の話してんだよ。
何?鑑識のくせに科学捜査否定してるやつに言われたくねえんだ!こっちは。
佐倉さん…。
あぁあぁあぁ…。
あぁ〜っ!悪いねうるさくって。
ここ置いとくよ。
はい…。
(佐倉)おいちょっと待てよ。
(佐倉)おい!待てったら!待てよおい!深見は離婚してる。
その理由は?それは…血液型が違ったからだ。
血液型?離婚したのは15年前。
ちょうど息子が小学校に上がる時で調べたんだそうだ。
息子の血液型はA型。
だが深見はBで別れたカミさんはOだ。
OとBからA型の子供は生まれない…。
奴は奥さんの浮気を疑って殴る蹴るをやらかしたあげくに別れたんだ。
(佐倉)それがどうした?なるほどなぁ…。
なんなんだよお前は!俺をなめてんのか?いいか?俺は35年デカやってきていやというほど現場を踏んできたんだ。
言いがかりつけるなら相手選べ!俺はあんたのデカ人生なんかに興味ねえ。
なんだと?俺の仕事は死体の声を根こそぎ拾ってやる事だ。
そのためなら自白だろうが科学だろうが疑う時は疑う。
自白も科学も疑う?貴様それでも警察官か!DNAちゃんとやりゃあわかる。
じゃあ。
なんなんだあいつは…。
死体の声を根こそぎ拾うだと?かっこつけやがって。
それが私たちの仕事なんです。
それともうひとつだけ。
倉石検視官は今まで見立てを間違った事はありません。
あの人は異質な目を持っています。
もう一度調べなおした方がいいかと思います。
(前田)こういうの見た事ないかなあ?
(男性)知らねえなあ…。
ありがとう。
(前田)倉石さん…。
ここか?捕まった深見って男のテント。
(前田)そうですけど。
ちょっと何してんすか!?新聞を見てんだよ。
そんなの見りゃわかりますよ。
うるせえなあいいんだよ!ったく…。
どけよ。
奴が来たって本当か?はい。
テントの中でこの新聞取り出して見てました。
(佐倉)これは深見のもんかい?おかしいのはこれだけ日付が去年の10月なんです。
(佐倉)去年の…?
(花園愛)倉石さーん。
(愛)うちの去年の新聞に何かあるんですかあ?渋谷のあるホテルでさあポイント貯めるとガム旅行プレゼントってのやってんだ。
愛ちゃん一緒に行かない?
(愛)ええ?面白いホテルでさ部屋に滑り台とプールがついてる。
水着持参で行こう。
まありがとさんPC。
はい。
あ考えといて。
すべりだい。
はあ〜い。
(赤塚渉)江東区のヤマで「DNA鑑定ちゃんとやれ」って科捜研に怒鳴り込んだらしいぞ。
ええそうらしいですね。
ああ。
(ノック)はい。
佐倉さん。
昨日はすまなかったな。
あいつはいないのか?今日はまだ。
まあいつもそんな感じですけど。
何かあったんですか?うん。
深見が住んでたテント。
その中にあった新日新聞の記事をあいつが熱心に読んでたって話があってな。
新聞記事ですか?DNAについての記事なんだがそいつを調べる民間の会社があるとか。
これだ。
「DNA鑑定」…。
それにお前さんの言った事も気になった。
倉石が何を考えてるのか放ってはおけねえだろう。
はい。
ちょっとここお願い。
はあ!?検視官は深見がホンボシじゃないと思ってる。
それは間違いありません。
ああ…。
なのに深見は自白してる。
…という事は?深見が誰かを庇ってるそう思ってる。
庇うとしたらDNAが同じ型の奴って事になる。
つまり身内だ。
深見は子供がいて離婚してましたよね?いやしかし息子だと思っていた子供は夫婦から生まれるはずのない血液型の持ち主だった。
そうだろうが。
元々親子じゃないんだからDNAが同じわけがない。
つまり庇う理由もない…。
ほれ見ろな?結論はそうなるんだよ。
(舌打ち)なのにあちこち動きやがって。
奴はデカか?違うだろうが!団地がどうの新聞がどうの…。
(大越の声)団地のどこに立ってたのかとか何時頃かって…。
そうか団地か…。
(大越)佐倉さん!おお。
何してんですか?こんなとこで。
ああちょっとな。
なあ深見はここらで朝方と夕方2週間近くウロウロしてたんだよな?そうですが…。
「現場百回」ですか?よく先輩に言われたなあ。
けどこっちは若いもんだから犯行時刻が夕方なのに朝方聞き込みに回ったりして怒鳴られた。
ははっ。
「犯行時刻にそこを通る人に聞かなきゃ意味がねえだろ」って。
勉強になります!まあそれはそうと…。
深見は何してたのかねえここで…。
どうしました?どこだ?どこで見た?ここで見たんだ…。
って事は…倉石も…。
(店員)いらっしゃいませ。
坂上さんお水お願いします。
はーい。
坂上…?いらっしゃいませ。
ああちょっとあんた。
坂上さんっていうのかい?そうですけど…何か?もしかして坂上恭子さんかい?深見の別れた奥さんの…。
いいえ私坂上靖子ですけど。
ご注文決まったら呼んでください。
僕はね仕事帰りのお酒邪魔されんの嫌いなんだよ。
わかってるだろ倉ちゃん。
いやだからさその前にちょっとこれ読んでみてくれって。
あ!そうだ!え?真里子ちゃんの店行こう。
「かくれんぼ」?かくれんぼで真里子ちゃんと鬼ごっこがしたくなったの僕。
何が「僕」だよ。
よし行くぞー!
(開錠音)ただいま。
(チャイム)はい…。
江東砂町署の佐倉ってもんだが。
な何か…?あんたやっぱり坂上恭子さんだね?深見忠明の別れた奥さんの。
なんのお話ですか?知りませんから私…。
深見が例の殺人事件の容疑者として逮捕されたんだ。
知ってたかい?深見は最近ここら辺りをウロついてた。
その事は?でですから私は…。
ななんでもないから!ね?今のが息子さんか。
でもあの人の息子じゃありませんから!困りますから…。
あの人の事急に言われても…。
今息子は大事な時期なんです。
大事な時期って?去年就職の内定を取り消されたんです。
それでちょっと引きこもりみたいになっちゃって…。
ですから!あんたたちを困らせるつもりはないんだ。
こっちだって深見の子供じゃない事はわかってる。
私がO型であの人がB型。
勇作がA型だから「親子じゃない」って医者に言われて…。
それまではそれなりに幸せだったのに…。
急に深見が殴ったり蹴ったりし始めて…。
離婚して名前変えて勇作と2人で生きてきたんです。
あの子は私の生き甲斐なんです!倉石さんは?どうしたんですか?江東区のヤマのDNA鑑定だけど…。
実は別の鑑定方法「HLA法」も試してみたんだ。
え?それが…。
前の鑑定とは違う別の型のDNAが出たんだ。
(携帯電話)もしもし佐倉だ。
現場の血痕から2つの型のDNAが出たんです。
倉石さんの居所がわかったので今から向かうところです!そんなのありかよ…。
はいいらっしゃい。
倉石さんは?え?あさっきまでいたんだけど…。
ご覧のとおり先生が撃沈しちゃったからどっか行っちゃった。
倉石さん西田先生に何か聞いてたんですか?なんだったっけなあ…。
あそうだ。
血液型がどうとか…。
ちょっと見して。
はい。
(佐倉)「最新の遺伝子研究の結果従来の常識では考えられないような事が起こり得るという事実が明らかになった」そもそも血液型を決める遺伝子は塩基配列が非常によく似ているという事だ。
A型遺伝子の塩基が1つ欠けただけでも本当はA型なのにO型だと判断される場合がある。
これを「亜型A型」という。
母親がこの亜型A型タイプのO型の場合B型の父親との間にA型の子供が生まれる事がわずか1パーセントにも満たない可能性ではあるがあるという事だ。
B型とO型の両親からも生まれるはずのないA型の子が生まれる…。
別れた子供は深見の本当の子供だったって事か…。
(看守の声)拘引23名事故なし。
(看守)現在23名!ちょっと待ってください!深見に面会だ。
はい?本部命令。
お前なんざ父親じゃねえ。
とっとと失せろ。
(扉の開く音)深見。
勇作はお前の本当の息子だな?話してみるか?私は…ずっと恭子を恨んでいました。
初めての子が…勇作が自分の子じゃないと知らされて私逆上したんです。
恭子は「浮気なんかしていない」。
泣きながら私の子だって訴えましたが私には信じられなかった。
BとOの両親からAの子は生まれない。
私…恭子に暴力をふるって結局離婚して1人になって仕事だけが支えでした。
(深見)けど…50目前になって「あんたは何も抱えるものがないから辞めてくれ」って言われたんです。
生きる気力をなくしてホームレスになりました。
もう…何も残っていませんでした。
ただ…思い出すのは親子3人で過ごした頃の事で…。
(深見の声)ああ…あの頃は本当に幸せだったなあって…。
(嗚咽)そんなある日あの血液型の記事を読んだんです。
(深見の声)体が震えて止まりませんでした。
(深見の声)泣きながら私の子だと訴える恭子の顔が浮かんできました。
(深見)そのあとやっぱり新聞でDNA鑑定をやってくれる民間の会社があるって知って私…どうしても確かめたくなったんです。
それでホテル時代の友人を拝み倒して5千円借りてキットを通販で買いました。
(佐倉)それがあのプラスチックのケースってわけだな?勇作の髪の毛1本あれば鑑定出来る…。
(深見の声)あの団地に恭子たち親子が住んでいるのは前から知っていました。
(深見の声)2週間通いました。
(深見の声)恭子がいない時を狙って部屋に忍び込もうとしたんですが勇作が部屋から出て来ないんです。
ですけど…あの夜…。
(深見の声)出て来たんです勇作が部屋から。
(深見の声)そして…。
(空気が抜ける音)
(比良沢富雄)坂上…?何してるんだお前!
(殴る音)
(刺さる音)
(比良沢)うっ!うわ…!
(佐倉の声)息子を庇おうとしたのか…。
(深見の声)わかりません。
とっさの事でしたから。
(深見の声)東へ逃げたのも勇作が西へ逃げたからで…。
(深見の声)警察に逮捕された時には心が揺れました。
それで黙秘しようと思いました。
勇作が息子じゃなかったら庇う意味がないと思いましたので。
ですけどあの時の刑事さんの言葉で息子だと…!つまり都内に13人しかない型のDNAが殺害現場に残され同じ型の人間がその現場から飛び出してきた!これを別人だと認定する裁判官がいると思うか!そうか…俺の言葉でか…。
私と同じ型のDNA…。
あの時やっぱり勇作は私の子だと確信したんです。
ですけどさっきの人に「お前は父親なんかじゃない」「とっとと失せろ」と言われました。
そんな事…。
そのとおりです!本当の父親なら人を殺した息子をのうのうと生きさせたりはしませんよね。
それだけじゃないと思う。
血液型が違ったから離婚してDNAが一致したから父親に戻ろうとする。
親子の絆ってそんないい加減なものじゃないそう言いたかったんじゃないかしら。
そうかもしれねえな…。
血の繋がりじゃない。
一緒に泣いたり笑ったりした時間が親子ってもんをつくってく…。
(佐倉)だがなお前にそれがあったか?いやそういう俺も35年仕事仕事で偉そうな事言えねえけどさ…。
私は…勇作になんにもしてやれませんでした…。
これからもきっと…。
でも…でも…。
(嗚咽)
(佐倉)深見。
(佐倉)これから何が出来るかよーくよーく考えろ。
(嗚咽)な?
(嗚咽)
(愛の声)ガイシャと容疑者は中高と同級生。
(愛の声)ところが坂上勇作は二浪した末就職の内定を取り消し。
(愛の声)一方の比良沢は小学校教師で順風満帆。
(愛の声)「なんで自分だけが」って思いが高ぶってただ嫌がらせをするつもりが比良沢と鉢合わせて…。
殺すつもりは全くなかったそうです。
人生なんてな他人と比べるようなもんじゃないんだがなあ…。
(赤塚)「血液型に振り回された親子の十五年」か…。
うちの新聞が発端ですから。
それにこんな悲劇はあの親子だけに降りかかったものじゃないそんな気がするんです。
よく書けてる。
本社のデスクにかけあってやるよ。
ありがとうございます!よし!
(佐倉)やっと会えたな。
釣れてんのか?全然。
あんたには感謝してる。
デカになって35年…。
それなりにやってきたって自負はあったがその鼻っ柱をあんたにガツンとやられた。
だがなデカ人生の最後の最後でいい仕事が出来たよ。
あんたが根こそぎ拾ってくれたお陰でな。
それだけだ…。
じゃあな。
佐倉さーん。
ん?人生まだまだこれからでしょ。
ほざけこの若造が。
ははっ。
お?お!おおおおおおおお!おお…釣れた!ここのラーメンはうまくもなければまずくもない。
だからいつ食っても飽きない味だってよ。
へへっうめえ事言うもんだ。
食ってこいよ。
刑事さん…。
ありがとうございます。
倉石さんは最初っから読み切ってた。
犯人は左利き。
土地勘があるのに東に逃げた事。
犯人じゃないと思ってた人物が自白した瞬間に「陰の人物」の存在に気づいた。
一番固いブツってのはDNAじゃなくて血液型…。
それであちこちでぶつかっても…。
絶対にブレないのよあの人は。
2014/05/13(火) 16:00〜16:58
ABCテレビ1
臨場[再][字]
「真夜中の調書 残されたDNAの謎」
詳細情報
◇番組内容
臨場とは、事件現場に臨み、初動捜査に当たること。遺体や現場に残された物証から、事件の筋立てを読む検視官・倉石義男は、優秀だが死者の声をすべて拾えれば周囲との軋轢など気にしない組織の厄介者。「拾えるものは、根こそぎ拾ってやれ」彼の死者に対する悼み方、優しさが死因を追究し事件解決へ導く。
◇出演者
内野聖陽 松下由樹 渡辺大 伊藤裕子 京野ことみ 金子さやか 橋爪淳 伊武雅刀 高嶋政伸 ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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