「GAIA」…それは息づく大きな生命体。
混沌の時代にも希望を見いだし再生を果たして未来へ向かう。
そこにきっと夜明けがやってくる。
ゴールデンウィーク真っ只中。
家族連れなどで賑わう店で実はある異変が起きていました。
注文の伝票を見てみると…。
2,000円を超えるメニューに注文が。
こちらも。
注文は厚切りのローストビーフ。
4月からの新メニューでライスとスープをつけると2,000円以上。
こちらはサーロインステーキ。
4月にリニューアルしたメニューで価格は2,036円。
どちらもファミレスのメニューの中ではかなり高めですがこれがよく売れているそうです。
実はデニーズ消費税アップによる客離れを防ごうとその目玉のひとつがあのローストビーフやサーロインステーキなど高めのメニューだったのです。
その開発を一手に任されたのがファミレスで高めのメニューを出すのは大きな賭けだったといいます。
5月5日。
デニーズを運営する会社。
小松さんのもとに4月の売り上げの結果が届いていました。
見せてくれたのは…。
1,000円前後の定番商品が並ぶなかなんと2,000円近いあのローストビーフが10位に入ったのです。
更に今回のメニュー改革で注文数が5.8倍になった商品が。
それが…。
4月からボリュームを倍増しました。
その分価格を300円台から500円台に引き上げましたが注文が殺到。
あまりに売れるのでついにこんなものまで。
6段重ねのタワーパンケーキ。
値段は690円とファミレスのデザートではかなり高めですがわざわざこれ目当てに来るお客まで。
おいしいです。
めっちゃおいしいです。
増税後にもかかわらず4月は客数客単価ともに増加。
この好機を逃すな。
連休明けのデニーズではすでに次の動きが。
6月にどれもこのボリューム。
そして値段も599円と更にボリュームアップ。
高くても売れる商品とは何か?今こそ客を呼ぶ新たな戦略を追った。
今デパ地下に異変が。
高い弁当が次々に売れる。
仕掛け人が挑むこれまでにない弁当とは?一方スーパーでもちょっと高めの商品が売れ出した。
安売り競争と一線を画す新たな戦略とは?職人がプライドを懸けたものづくりに挑む。
機械では出せない味を作れ。
旅の玄関口である東京駅。
ここにはたくさんの駅弁が売られています。
JR東京駅で弁当を売る店の数はというと…。
改札を入った駅構内に66店舗。
これに対抗する形で弁当に力を入れているところがこちら。
八重洲口に隣接した百貨店の大丸東京店です。
この大丸東京店の弁当の売れ行きに最近変化が起きているそうです。
こちらが3年前に調査した売れ筋ベスト5です。
1,000円を超える弁当はこちらとこちらの2つだけでした。
では最近の売れ筋ベスト5はというとこちら。
ご覧のように1,000円以上の弁当が4つもランクイン。
肉が多いようですね。
しかもそのうちの3つは1,500円前後の高額の弁当です。
ではいったいなぜ高額のものが売れているのでしょうか?『ガイアの夜明け』今回は高くても売れる商品で客を呼ぶ。
百貨店やスーパーの新たな戦略を追いました。
高い弁当が売れているという早速地下の食品売り場に行ってみます。
こちらの弁当は税込み1,730円。
肉と魚が一度に楽しめる欲張りな弁当です。
こちらはベスト5にも入っていた仙台の名店が作る注文を受けてから焼く厚切りの牛たんが人気です。
この牛たん弁当をまとめ買いするお客が。
近くの会社から買い出しにやってきたこの男性。
なんと20個も!こちらの女性は晩ご飯用。
こういうやつです。
買ったのは税込み1,728円のこの弁当。
お菓子のミルフィーユのようにご飯とサーモンを交互に敷きつめいくらや旬の桜鯛をのせた贅沢な弁当です。
ここ大丸東京店でデパ地下の弁当部門を取り仕切るのがこの人。
高い弁当が売れている。
この動きは数字にもはっきりと表れていました。
店ごとの売り上げを見せてもらうと例えばこちらは和食弁当の店。
増税後の4月に売れた弁当の平均価格は1,826円。
しかも1年前より20%以上も売り上げを伸ばしているのです。
お客の変化を見て石原さん動き出しました。
石原さん豪華でインパクトのある弁当を仕掛けようと考えていたのです。
そこに石原さんの姿が。
向かったのはおはようございます。
仲買人の伊藤さん。
ある食材の目利きで知られています。
大丸東京店の石原でございます。
石原さんが狙っているのは北海道でちょうど旬を迎えているこの毛ガニ。
セリが始まりました。
伊藤さんこれはという毛ガニをセリ落としていきます。
そして早速確認。
でこれなんですけど…。
伊藤さんのオススメは中くらいの大きさの毛ガニ。
これでも東京の百貨店に並ぶと1匹4,000円ほど。
石原さんこのサイズの毛ガニを弁当に使うことを決めました。
東京駅前の大丸。
そのデパ地下に入るこの店に石原さんが毛ガニを届けに来ました。
失礼します。
今回の毛ガニ弁当は両者がタッグを組んでデパ地下全体を盛り上げようという作戦です。
毛ガニ弁当を作る店は他にも2つ。
1つは高級食材として知られる対馬産の穴子を使った弁当が人気です。
もう一つはこちらの北海道産のネタを中心に使った寿司弁当で人気の店です。
3つの店が毛ガニ弁当の試作品を持って集まってきました。
まあとりあえず座ってください。
中島水産さんから。
はい。
うちの中島水産としてはこういう形です。
中島水産が提案したのは毛ガニを1匹まるまる使った海鮮丼。
真ん中には大きなボタンエビも。
カニ肉とみそで軍艦巻きも作りました。
次に知床鮨。
毛ガニを全面に敷き詰めズワイガニものせたちらし寿司。
そして平島は自慢の穴子寿司と毛ガニの軍艦巻き。
3つの試作品を見た石原さんは…。
値段が高くなってももっと豪華な弁当を作りたいという石原さん。
しかし店側はみんな浮かない顔です。
3,000円を超えるとなかなかお客の手が伸びないというのです。
しかし石原さん豪華路線で押します。
豪華毛ガニ弁当。
果たして実現するのか?お疲れさまです。
どうですか?お寿司。
カニ。
カニ。
知床鮨はちらしをやめ毛ガニのにぎり寿司に方向転換。
完成ですか?完成です。
こちらがにぎり寿司の試作品。
ウニの両側にある2貫が毛ガニですが…。
毛ガニのインパクトが足りないと感じた石原さん。
イカを抜いてにぎりをもう1貫追加してもらいます。
更に毛ガニを並べてより印象づけるようにしました。
3貫で使った毛ガニは1匹の半分。
インパクトは十分です。
税込みで3,240円。
3,000円の大台を超えて勝負することにしました。
さあどうですか?お願いした商品は。
こちらは穴子寿司平島の厨房。
そんなに入れます?こちらも毛ガニの半分を使ってにぎりと軍艦に。
高級穴子も通常より大きめにしてより贅沢に仕上げました。
それはすごいですね。
そして中島水産。
予定どおり更にボタンエビを2匹に増量して税込み強気の値段です。
海の幸丼期間限定で発売しております。
5月2日毛ガニ弁当発売。
果たして売れるのか?毛ガニ弁当発売の朝を迎えました。
鮮魚店中島水産は毛ガニ1匹をまるまる使った海鮮丼。
高級穴子と毛ガニのコラボ。
毛ガニをメインにしたにぎり弁当。
今回の毛ガニ弁当の仕掛け人大丸の石原さん。
実はかなり大胆な目標を立てていました。
早速3,800円の弁当を並べます。
いかがでしょうか?ご利用くださいませ!お客が毛ガニ弁当の前で足を止めました。
しかしそのまま素通り。
次はビジネスマン。
こちらも見るだけ。
やはり3,000円の壁が立ちはだかるのか?こちらもまだ弁当が積まれたまま。
そこに女性客が。
結局選んだのはおよそ1,000円の弁当。
やはり苦戦していました。
夕方近く夕食を求める客で賑わいだしました。
いらっしゃいませどうぞ。
中島水産粘り強く呼び込みを続けています。
はいいらっしゃいませどうぞ!すると女性客が。
ここぞとばかりにアピールします。
ありがとうございます。
なんと3,800円の毛ガニ弁当が一度に3つも売れました。
穴子寿司の平島でも。
これとね…。
はいこちら。
3,000円の毛ガニ弁当をお買い上げ。
こちらの男性も購入です。
ありがとうございます。
意味がないと思う。
その頃知床鮨の厨房では店頭の毛ガニ弁当がなくなり急きょ追加の指示が出ていました。
夕食用にと3,000円以上の毛ガニ弁当を買い求めるお客が増えていたのです。
石原さんがある連絡を受けて中島水産の売り場へ。
このへんにつけますか。
完売しました。
早いですね!予想以上の滑り出し。
3つの店合わせて用意した27個すべてが完売しました。
そしてゴールデンウィーク最終日閉店後事務所に戻った石原さん。
毛ガニ弁当の売り上げ結果を確認します。
目標は3つの店合わせて5日間で100個でしたが…。
122個。
目標を大きく上回りました。
手ごたえをつかんだ石原さん。
北海道の毛ガニが旬の5月末まで販売を延長することにしました。
一方価格競争激しいスーパーにも新たな動きが。
今ちょっと高めの商品が飛ぶように売れている。
その秘密は?みんなも知ってのとおりスーパー業界の売り上げはここ数年減少傾向だ。
特にうちは食料品が苦戦している。
何かいい案はないか?はい例えばうちでは野菜などには生産者の名前や顔を入れているじゃないですか。
うん例えばこういうことだろ。
これは確かに安心できるということで人気だ。
はいそれをパンとかお菓子とか豆腐とかでも同じようなことをやったらどうですか?うんなるほどそれはおもしろそうだ。
でもそれだとなかなか大量生産ができないんじゃないですか?採算が合うんですかね?うん。
ここは思いきって販売価格を少し高めにしてみるのも手かと思いますが。
でも高くして売れなかったらどうすんだよ?確かに高い商品というのはどうだろう。
いやいや商品が魅力的なら客もついてくると思うんですが。
どうだろう?消費税も上がったし値段も高いとお客様も手を出しにくいんじゃないか?でも品質が上がればお客様だって…。
まぁまぁ確かにそこは難しい問題だ。
競争の激しいスーパー業界。
各社とも値段の設定には頭を悩ませているようです。
こうしたなか商品の質を上げながら高くても売れる商品を開発する。
そんな戦略に出たスーパーがありました。
大手スーパーイトーヨーカドー。
関東を中心に183店舗を展開する総合スーパーです。
スーパー業界はここ10年でコンビニや専門店の出店攻勢などによって売り上げが減少傾向にあります。
イトーヨーカ堂も例外ではありません。
そんな中でも10年以上根強い人気なのがパッケージに生産者の名前と似顔絵を載せ安全安心をアピールしています。
そして今新たに発売したシリーズが人気を集めていました。
こちらの女性はリピーター。
ありがとうございました。
どうもありがとうございます。
買っていたのはこの大きな豆大福。
中にはあんこがたっぷり。
この商品はイトーヨーカドーが2月から売り出したつくるものがたりというプライベートブランドのひとつ。
いらっしゃいませどうぞご試食ください。
この豆大福の値段は1個150円。
スーパーで売っている他の豆大福の倍以上。
なぜ高くても売れるのか…。
その秘密は創業53年の和菓子メーカーならではの職人技にありました。
まずもち米を蒸かします。
次にそれを杵でつくという伝統的な製法で作っています。
つきあがったもちに大粒の赤えんどう豆を加え職人が手で混ぜ合わせていきます。
均一にしかも豆をつぶさない絶妙の力加減。
これぞ職人技。
職人が丹精込めて作ったことをパッケージにうたいました。
その下には職人のイラストも。
例えばこの牛乳。
こだわりの飼育法で育てた牛から搾っています。
値段は税込み321円と高め。
こちらの納豆は秋田県産の高級大豆100%にこだわりました。
スーパーで普通に売られている納豆が3パックで100円以下なのに対しつくるものがたりは3パック138円。
どれもこだわる分だけ高めの値段。
恵本さんの心配をよそにお客は高くても買ってくれていました。
つくるものがたりの発売から3か月…。
イトーヨーカドーの本社。
つくるものがたりの好調を受け新たな商品の検討会議が開かれていました。
恵本さんたちの目標はこの日提案されたのは…。
おぼろ豆腐は冷やして食べることが多く夏場に売れる商品。
これに対して恵本さん意外にも慎重でした。
恵本さんが慎重な理由…。
実はおぼろ豆腐はシリーズ立ち上げから2か月間テスト販売をしていました。
そのときに恵本さんは大きな課題を突きつけられていたのです。
これはそのときにとったアンケートの結果。
お客はテスト販売の豆腐よりもっと濃厚な味を求めていたのです。
お客が求める濃厚なおぼろ豆腐を作る。
恵本さん再び動き出していました。
まったく別物だと思うんですね。
大手スーパーイトーヨーカドー。
こだわりのプライベートブランドつくるものがたりの開発会議。
夏に向けおぼろ豆腐を作ろうとしていました。
開発リーダーの恵本さんが訪ねたのは…。
三和豆水庵という豆腐メーカー。
ご無沙汰してます。
この会社はユニークな豆腐で知られています。
代表作がこの波乗りジョニー。
濃厚で甘みのある味が売りで大ヒットしている豆腐です。
以前テスト販売したおぼろ豆腐はこのメーカーと一緒に開発しました。
しかし…。
お客はもっと濃厚な豆腐を求めている。
これを聞いた豊田社長に火がつきました。
恵本さんたち早速工場へ。
このラインは豆乳をパックに詰めてから固める量産品です。
つくるものがたりの製法はまったく違います。
原料は北海道産の高級大豆のみ。
糖質が高く甘みの強い豆腐になるといいます。
大豆の皮を機械で取っていきます。
量産品ではやらない工程。
取ったほうがおいしい豆腐ができるのです。
この大豆で作った豆乳がこちら。
皮を取ったことで豆本来の味が引き立ち通常より濃厚な風味です。
まったく別物だと思うんですね。
全然違う。
豆乳が固まっておぼろ豆腐に。
おぼろ豆腐は完全に固まる前のやわらかい豆腐で滑らかな食感が特徴です。
追い求めていた濃厚さが見えてきました。
とここで…。
これ以上おいしく食べようと思ったらやはりやってみますか?うん。
急きょあの豆乳を出来上がったおぼろ豆腐にかけてみることに。
濃厚な豆腐に濃厚な豆乳。
すごいねこれ。
全然違いますね。
恵本さんこの豆乳入りのおぼろ豆腐で勝負することに決めました。
あの豆乳入りのおぼろ豆腐がいよいよ店頭に並びます。
恵本さんも売り場に。
果たしてお客は買ってくれるのか?こだわりのプライベートブランドつくるものがたり。
その新商品豆乳入りおぼろ豆腐がこの店で先行販売されるのです。
値段は200グラムで138円。
3パック100円以下の豆腐が出回るなかちょっと高め。
開発リーダーの恵本さん。
お客の反応を見るためにやってきていました。
売り場スタッフを集めます。
じゃ皆さんおはようございます。
おはようございます。
まずは試食してもらいます。
原料と製法にこだわった商品のよさをお客に伝えるにはスタッフに味を知ってもらわなければなりません。
いよいよ販売開始。
こちらのお客。
商品のこだわりについて説明を聞くと買い物かごに。
こちらの女性は試食。
味に納得したようです。
こちらは値段を気にしながらもお買い上げ。
この日準備した恵本さんつくるものがたりの可能性に自信を深めていました。
消費税がアップし消費者の動向が注目されるなか商品に価値や満足感を見いだせば今までより値段が高いものでも売れる。
ということが今回わかりました。
消費者が本当に求めているものは何か。
各企業の間でそれを見極める競争が今まで以上に激しくなりそうです。
2014/05/13(火) 22:00〜22:54
テレビ大阪1
ガイアの夜明け【高くても売れる!〜今こそ客を呼ぶ魅力商品とは〜】[字]
デパ地下で異変!高級弁当、人気のワケ▽検証!大手ファミレスのメニュー大刷新で驚きの結果が…▽大手スーパーが仕掛ける「こだわり+ちょい高め」の独自商品とは
詳細情報
番組内容
消費増税後、しばらく消費は落ち込むという予測の中、各企業は客を呼び込もうと戦略を探っている。「あえて値下げする」「質や機能、量を変えて価格も変える」など、価格設定や手法はさまざまだ。実際に4月に入ると、消費者の行動の中で意外な傾向が表れている。一部の外食チェーンやスーパー、百貨店でも価格が高めの商品が好調だという。そのワケは…。脱低価格時代を探りながら、次の戦略を模索する、企業の試行錯誤を追う。
出演者
【案内人】江口洋介
【ナレーター】寺島進
音楽
【音楽】新井誠志
【テーマ曲】オープニング曲「鼓動〜ガイアの夜明け」(作曲/岸利至)/エンディング曲「夜空の花」(作曲/新井誠志)
「ガイア」とは
ギリシャ神話に登場する「大地の女神」を意味し、後にノーベル賞作家のウイリアム・ゴールディングが「地球」を指して“ガイア”と呼んだことから「ガイア=地球」という解釈が定着している。「ガイアの夜明け」という番組タイトルには、地球規模で経済事象を捉えることで21世紀の新たな日本像を模索すること、そして低迷する経済状況からの再生=「夜明け」を目指す現在の日本を描くという意味合いが込められている。
関連情報
◆ホームページ
http://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/
◆公式Twitter
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