応援ドキュメント 明日はどっちだ #43 2014.05.13

(岡本玲)
長野県の南の端にある売木村
人口僅か600。
なんとか人を集めないと将来村の存続が危ぶまれる崖っぷちの村だ。
そんな売木村がこの春新たな挑戦を始めた
夕暮れ時おそろいのタスキをかけた村の人たちが走っている。
子供や主婦におじさんも。
彼らはただジョギングを楽しんでいるわけではない。
売木村の再生を懸けて結成された村民を代表する駅伝チームなのだ
挑むのは…
実業団クラスの選手も走るレベルの高い大会だ
彼らは無謀にもその大会に参加し売木村の名をPRしようと考えているのだ
そんな駅伝チームをまとめるのは村の臨時職員。
そうあの男だ
彼の仕事は走る事。
日本でも珍しい村専属のランナーだ。
この派手なユニフォームを着て売木村の名を売ってきた
重見さんの走りっぷりはとにかくすごい。
去年9月険しい山道を100kmも走り抜くウルトラマラソンでは…
(会場アナウンス)「重見高好さん31歳です!」。
見事ぶっちぎりで優勝
11月には一昼夜走り続ける24時間マラソンに初出場。
ランナーの中でただ1人いっときも休む事なく走り続けた
すごいよなそれが。
ほんまにすごいなぁ。
そしていきなり国内新記録をたたきだした
ああ危ない危ない!
売木村の名に懸けて何があっても走り抜くそれが仕事だ
そんな重見さんに与えられた新たな使命が村の駅伝チームを完走させ売木村の名を再びとどろかす事
果たして村の駅伝チームは走りきる事ができるのか?
始まりました「明日はどっちだ」。
まずは重見さん。
ほんま伝説の男です。
チーム数も多いね。
他のチームはだってね実業団で走れるような方々でしょ?重見さんは全8人のメンバーで村のPRのために戦うと。
男の生きざま。
1人じゃないからね今回。
重見さんだけやったら速いかもしれんけど。
蓋開けたら重見君が9割走るとかないよね?そりゃ駅伝やからちゃんと…。
区間が決まってるから。
売木村で駅伝チームを作る話が持ち上がったのは今年3月
計画したのは重見さんと重見さんを村専属のランナーとして採用した…
2人は二人三脚で村の名を売ってきた
このころ村には重見さんの24時間マラソンなどの活躍もあって全国のランナーから合宿の問い合わせが来るようになっていた
しかし2人の目標は更に上だ
売木村を走る村として全国の人たちに知ってもらいたい。
村はなけなしの予算をそのために注いでいる。
走る村プロジェクトには生き残りが懸かっているのだ。
そこで目をつけたのが重見さんが1年前から村で続けてきた…
やってたんだ!
参加者の中から駅伝メンバーを選抜し大会に出場。
村を挙げてアピールしようと考えたのだ
とはいえ長野県市町村対抗駅伝はかなり本格的だ。
コースは松本市内を回る全長38.5km。
それを8人で走る。
トップを狙うチームともなればマラソンの日本記録並みのスピードが求められる。
去年最下位だったチームですら3時間を切るレベルの高さだ。
そんな中売木村の駅伝チームは重見さんを含めこんな8人が選ばれた
バラバラや年齢も。
メンバーには中学生の男女を入れるのがルールのため全校生徒僅か12人の中から2人を選んだ。
まずはチーム最年少…
学校のマラソン大会で歴代2位の記録を持つ韋駄天少女だ
そしてもう1人の中学生が…
走るのが何よりも好き
女子生徒からのエールに思わず…
気合いが入ったぞ〜
そしてその清家君と共に名乗りを上げたのは…
ランニングキャリアはまだ1年しかなくしかもチーム最年長
ええやんだって。
いいよもう。
その他のメンバーも民宿の若女将や村で唯一のお肉屋さんのご主人。
そして役場の職員が2人。
陸上経験がある人はほとんどいない。
そんなメンバーでどうレースを走りきって村をアピールするか選手兼監督として重見さんの手腕に全てが懸かっていた
駅伝チームが合同練習に集まった
じゃあ行きましょうか。
よろしくお願いします。
この日重見さんの仕事はメンバーのスピードを見極める事
今回の大会前半1区から4区までは確実にタスキはつながる。
が後半遅れると繰り上げスタートになるためかなりのスピードが求められる。
去年最下位のレベルでも売木村の練習コース4kmなら18分以内のスピードが求められる
タスキ渡されへんって事か。
で意外な頑張りを見せたのは…チーム最年長51歳の清家さん
重見さんの前を走ってる
実は清家さんこの1年近く10kmの走り込みを続けてきた
(村上渋谷)すごいな〜!こんな走るぐらいになってんねんな。
そのままトップでゴールイン。
18分までもうちょっとだ
すごい!
結構いい感じじゃないですか?重見さん
これほど清家さんが頑張るのは村に特別な思いがあるからだ
実は清家さんの仕事は…
13年前東京からここに移り住んだ。
村のさまざまな行事や人を取材する度思うのは見ず知らずの自分を受け入れてくれた人の温かさだ。
だからこそたくさんの人に村を知ってほしいと願っている
そんな清家さんの思いを誰よりも分かっているのが重見さんだ
重見さんの人生はこの村に来て救われたという。
子供の時から走る事が大好きでずっと陸上を続けていく事が夢だった。
しかしエリートばかりの実業団では挫折。
走る場を失った重見さんを拾いもう一度チャンスをくれたのが売木村だった。
その恩に報いるためにもこの駅伝をなんとしても成功させたい。
しかしこのころ重見さんには気がかりなメンバーが1人いた。
タスキがつながるかどうか最初の勝負どころとなる4区。
そこを任せた原さんが体調不良で練習に来ていなかったのだ
早速様子を見にお店へ
仕事もあるしなぁ。
そうやね本業あるからなぁ。
事情を聞いてみると状態はかなり深刻だった
駅伝チームかなり危機的状況…。
その1週間後原さんがやって来た。
ちゃんと走れればいいのだが。
トップグループにはこの日も清家親子が
で原さんは…かなり遅れている。
なんとメンバーではない小学生にも抜かれてしまう始末。
足取りが重くうつむいたままだ
(重見)212223242526…
結局タイムは18分には遠く及ばずメンバー中最下位
翌日。
原さんは1人で練習していた。
実はケガの不安を押してまで出場しようというのには理由がある。
原さんは若い時に村を出てから40半ばまで別の町で暮らしていた。
以来廃れていくふるさとに何もできない自分がずっともどかしかった。
だから今精いっぱいの力を尽くしたい
重見さんが原さんを呼び出した
マンツーマンでトレーニングを行う事にしたのだ
大会まで時間がないのを承知でまずはフォームづくりから
今度は実際に走ってフォームを徹底チェック
ここばっか見てるんで。
遠くを見すぎなんですよ。
2人の大切な居場所であるこの村のためになんとかタスキをつなぎたい。
思いは一緒だ
夕方行われた合同練習。
これまでメンバー中最下位だった原さんが…メンバーの一人を抜いた。
原さんはしっかり前を見据えて走っていた
フォーム変わってるね。
顔も上がってるし。
そしてこの日メンバーに大切なものが
走る村売木村の誇りが染め抜かれたユニフォームだ
(清水)よろしくお願いします。
村長自ら選手一人一人に。
原さんも引き締まった顔で
(拍手)
(清水)よろしくお願いします。
今回重見さんの仕事はみんなを引っ張っていく事
村一丸。
8人全員が頑張らねば
人口600の過疎の村。
この小さな村に活気を取り戻すためひたすら走り続ける売木村駅伝チーム。
彼らは最後までレースを走りきる事ができるのか?
(3人)おお〜。
大変やな原さん。
ちょっとケガ引っ張ってね。
駅伝のメンバーもう一度。
ここ熱いですね。
重見さんからこの原さんっていうのがまた。
そうなんです。
吹奏楽部。
3年生卒業したから。
新入部員が入ったのかどうか。
崖っぷちの…
部員は僅か9人で多くは高校から始めた初心者。
そんな彼らが挑んだ大舞台
卒業する3年生を送り出す…
満員の観客を目いっぱい盛り上げ最高のフィナーレを飾った
(歓声と拍手)
しかし3年生がいなくなると…
彼らは更に崖っぷちに…
そして2週間後。
吹奏楽部は早くも正念場を迎えていた

部員僅か4人では演奏できる曲が限られてしまうのだ
さみしいな。
もう低音ばっかりやから…。
吹奏楽の編成を考えると10人以上は欲しい。
という事で少なくともあと6人の新入部員を確保しなければ
なんちゅう会議を…。
アハハ!悪いなぁ。
映してたらあかんて今の。
入学したばかりの新入生たちを何人獲得できるかに部の存続が懸かっているのだ。
早速手作りのチラシを配ってアピール
メンバーの中でひときわやる気を見せていたのは…いつもは内気な福尾さんだ
まずは部活の見学だけでも来てほしい
演奏を学校中に響かせ新入生を呼び込もうという作戦。
彼らの思いは届くのか!?

でこの日吹奏楽部を訪れる新入生は…
またさみしい曲やってるなぁ。
1人もいなかった
けれど落ち込んではいられない。
この日は新入生全員を集めての部活紹介
大事やでここ。
ここでのアピールが入部希望者の数を大きく左右する
わあ〜すごいやん。
そして吹奏楽部の出番。
人数が足りない分は岩村先生たちがカバーする

できるだけノリのいい曲を選んだ

反応は…

(手拍子)
演奏はバッチリのはず
部室にありったけの楽器を並べて出迎えの準備は万全だ
すると…
経験者だ!もし入ってくれれば即戦力間違いなし!
更に部長の一瀬君が…
めっちゃ女子連れてきてるやん。
はべらせてるやんけ。
すかさず数少ない実績をアピール
新入部員の募集は4月いっぱい。
果たして部員は集まるのか!?
ここまでですって。
なかなか厳しそうな。
(笑い声)なんすかあのドヤ感。
「やあやあ!」言うて入ってきた。
「連れてきたったで!」って。
知りたいよ。
出てるのもう?いいすかじゃあ発表させて頂いて。
えっ今するの?はい。
失礼します。
どういう事?全然我々の話聞いてませんやん。

(ドラムロール)いきます。
すげぇ!内訳…
(拍手)いやいやちょっと!急展開や。
大所帯や大所帯。
急に増えたよ。
(笑い声)今後どうするんですか?これで終わりですか?いやこの先も活動を見守っていこうと。
いいですね。
これちょっと楽しみやね。
うれしい。
2014/05/13(火) 22:55〜23:20
NHK総合1・神戸
応援ドキュメント 明日はどっちだ #43[字]

関ジャニ∞が頑張る人々を応援する連続ドキュメンタリー。過疎化に悩む長野県売木村専属のウルトラマラソンランナーが再登場。今回は、過疎村の駅伝チーム特訓編。

詳細情報
番組内容
長野県売木村専属ランナー重見高好さん(31)は、村を高地トレーニングの適地として全国にPRするため“走る村おこし”に取り組んでいる。去年は自ら24時間耐久マラソンに出場し優勝。その勢いでこの春は、村をあげて長野県市町村対抗駅伝に挑戦するという。急きょ、村の駅伝チームが結成された。メンバーは中学生の男女から、民宿の若女将、精肉店のご主人など多彩な顔ぶれ。しかし、その実力は…?懸命の猛特訓が始まった!
出演者
【出演】渋谷すばる,村上信五,横山裕,【語り】岡本玲

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
バラエティ – トークバラエティ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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