(シャッター音)嘉納伝助と蓮子は東京で盛大な結婚式を挙げた後炭鉱のある福岡へやって来ました。
・「けむたかろ
(サノヨイヨイ)」
(拍手)おおなんとまあ…きれいな博多人形んごたるな〜。
なんとまあ見事な着物ばい!冥土の土産にもうちっとよう見せてくれんな!
(嘉納)蓮子!…しゃん。
はっ!?
(笑い声)自分の嫁御に「しゃん」ばつけるとはおかしかろうもん!みんなお前の着物を見たがっちょるき立ってくれんね。
立ってくれ。
さあ立て立て立て〜!
(三味線)
(歓声)後ろん帯も見せてくれんね!回ってくれ。
回れ回れ回れ〜!
(一同)回れ回れ!・「これからはじまる」・「あなたの物語」・「ずっと長く道は続くよ」・「虹色の雨降り注げば」・「空は高鳴る」・「眩しい笑顔の奥に」・「悲しい音がする」・「寄りそって今があって」・「こんなにも愛おしい」・「手を繋げば温かいこと」・「嫌いになれば一人になってくこと」・「ひとつひとつがあなたになる」・「道は続くよ」・「月が出た出た月が出た
(ヨイヨイ)」飲むか。
(笑い声)冗談でえ。
(蓮子)あの…そちらのかわいらしいお嬢様は?ああ〜まだ紹介しちょらんやったな。
娘の冬子ばい。
娘?蓮子は耳を疑いました。
伝助には子どもがいないと聞いていたのです。
こん人が今日からお前のおっかしゃんたい。
ほれ。
挨拶しぇんか。
(冬子)こげなお姫様をおっかしゃんとか呼べんばい!くたびれたか。
くたびれて口も利けんとね。
ハハハハハ。
何べんもクルクル回らせてすまんやったね。
私はだまされていたのでしょうか。
だまされた?何を言いよるとね。
亡くなった奥様との間に子どもはいらっしゃらないと伺っておりました。
ああ!ああ女房との間には子はおらん。
冬子は外ん女に産ませた子たい。
嘘は言うとらんばい。
ハハハハハ!「なぜここでこの人は笑えるの?」。
頭が真っ白になる蓮子でした。
(タミ)失礼します。
(嘉納)おう。
旦那様。
博多んお客さんが大層お迎えに来ちょりますばい。
おっ。
今日はゆっくり休んじょけ。
あの…博多のお客様とはどなたですの?私もご挨拶した方がよろしいですか?奥様挨拶はいらんとですよ。
迎えに来たとはなじみの芸者衆やき。
芸者?旦那様今夜は帰ってきんしゃれんですばい。
どうやら嘉納伝助との結婚生活は蓮子の想像を絶するものになりそうでございます。
時は流れ年号が明治から大正に替わりはなは高等科の最上級生になりました。
(ふじ)「はな。
あと2か月で卒業ですね。
はなの帰りを楽しみに待っています」。
「お…か…あ…より」。
はあ〜朝市字ぃ間違ってねえけ?
(朝市)完璧じゃん!やっとこさ書けたよ〜!あ〜!
(もも)てっ!せっかく書けたに!もう葉書ないだよ!また今度書くさ。
朝市勉強忙しいのに悪かったじゃんね。
いいえ。
ふんじゃあまた。
はな本当に帰ってくるずらか…。
えっ?いや何でもねえ。
じゃあももちゃんまた。
朝市さん。
何でえ。
もうすぐ学校の先生ずら?こぴっと頑張れし!ありがとう。
朝市は念願がかなって師範学校に通っていました。
一方小さかった末っ子のもももすっかり娘らしくなりました。
(富山)安東さん卒業後はどうするか決まりましたか?
(はな)いえまだ何も決まってなくて。
少し焦ってます。
ここに残って英語の教師をやる気はありませんか?えっ?あなたは給費生にもかかわらず何度も問題を起こしてブラックバーン校長や先生方を困らせおまけに私の授業もさんざん邪魔してきました。
すいません。
ただ英語の実力だけは確かです。
あなたにやる気さえあれば私からブラックバーン校長に推薦しましょう。
私の同僚になるのは嫌ですか?そんな!もったいないようなお話です。
けど…。
何か?10年間東京で勉強させてもらった家族の事も気になって山梨に帰ろうかとも…。
山梨に帰ってもあなたがここで身につけたものを生かせる仕事はないと思いますよ。
はあ…。
英語の教師か…。
(醍醐)それだけはやめた方がいいわ。
富山先生みたいに生涯独身を通す事になってもいいの?醍醐さん!やっと決まったわ。
あっもしかして…。
醍醐亜矢子この度お医者様と婚約致しました!おめでとう!婚活に命を懸けていたあの醍醐にしては遅すぎるくらいです。
両親に頼み込んで寄宿舎に戻る事にしたの。
最後に皆さんと楽しい思い出が作りたくて。
そう!はなさんと同じ部屋がよかったのに。
私の部屋は小さい人たちがいていっぱいなの。
ここね。
そこははなにとって蓮子との思い出がたくさん詰まった部屋でした。
はなさん。
そういえば葉山様どうされてるかしら。
あれから一度もお便りしてないの?ええ。
さあ急いで片づけましょう。
分からない単語があった時はすぐに辞書を引く癖をつけましょうね。
そうすればどんどん英語が好きになりますから。
(2人)うわ〜!
(畠山)はなさんの辞書大きくて立派でしょう?これはね出版社で翻訳のお仕事をお手伝いした時に頂いたの。
回想これ私が一番欲しかった辞書よ!
(英治)「安東はな様。
先日の翻訳のお礼です」。
燃えてますよ!私に翻訳させて下さい!安東君今日中だよ。
できる?やってみます!
(英治)お願いします!出来ました!ありがとうございます!
(拍手)出版社のお仕事は大変でしたか?いいえちっとも。
本を作るお仕事は好きな本を読む時と同じぐらいわくわくして時間があっという間にたつの。
あんな仕事に就けたらなあ…。
(梶原)編集長!何だ?編集長次の企画恋愛特集はいかがでしょうか?悪くないな。
…がもっといい案はないか?編集長!何だねまた君か。
僕は珍獣の本がいいと思います。
そう来ると思ったが却下します。
どうしてですか!バカが読んだって分かるしかわいいですよ!私はもっとわくわくしたすてきな本を作りたいの!子どもからも大人からも愛されて読んだ人が思いっきり想像の翼を広げられるような!
(笑い声)はな先輩はね時々こうなってしまうのよ。
ねっ!
(笑い声)はなさん。
出版社って女の人がお勤めするのは難しいわね。
そうよね…。
(ため息)
(鐘の音)このきんつばも卒業したら食べられないでしょう?この際太ってもいいわ。
しっかりなさって!大丈夫ですか?かよ?
(かよ)お姉やん…。
かよどうしたの!?会いたかった…お姉やん!お姉やん!かよの身に一体何があったのでしょう。
ごきげんよう。
さようなら。
生字幕放送でお伝えします2014/05/14(水) 08:00〜08:15
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 花子とアン(39)「さらば修和女学校」[解][字][デ]
福岡に嫁いだ蓮子(仲間由紀恵)は、子供がいないはずの伝助(吉田鋼太郎)から娘を紹介され、衝撃を受ける。4年後、はな(吉高由里子)は高等科の最上級生になっていた…
詳細情報
番組内容
福岡の嘉納家に嫁いだ蓮子(仲間由紀恵)は、祝宴でのあまりのどんちゃん騒ぎに言葉を失う。さらに、子供はいないと聞かされていた伝助(吉田鋼太郎)から娘の冬子(山岡愛姫)を紹介され、衝撃を受ける。…4年後。はな(吉高由里子)は高等科の最上級生になっていた。下級生に英語を教えながら、はなは自分の卒業後についてまだ決められずにいる。片や甲府ではふじ(室井滋)が、はなが卒業後に帰って来るのを心待ちにしていた…
出演者
【出演】吉高由里子,仲間由紀恵,室井滋,黒木華,窪田正孝,ともさかりえ,高梨臨,鈴木亮平,藤本隆宏,吉田鋼太郎,土屋太鳳,【語り】美輪明宏
原作・脚本
【原案】村岡恵理,【脚本】中園ミホ
音楽
【音楽】梶浦由記
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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日本語(解説)
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