社会のトビラ「米作りの一年」 2014.05.14

それではまた会おう。
トビラを開けると社会が見える。
よいしょっと。
こんにちは。
わたくし「社会のトビラ」こと温水洋一です。
今日のテーマはこちら。
とつぜんですがわたくしたきたてのご飯が大好きです。
あのかおりだけで1ぜんは…いやいや!2ぜんはいけちゃいますね〜。
あとおにぎりもいいですね。
みんなで遠足に行って食べるおにぎりも…。
うはは!たまりません!すみません。
うわ〜!たきたてのご飯。
う〜んほっかほか!お米は日本人の主食。
みんな食べてる?このお米は…秋に稲穂に実る。
日本で稲作が始まったのはおよそ3,000年以上前からといわれている。
長い歴史があるのだ。
この図は日本各地のお米の収穫量を表したもの。
おお〜!全国で作られているんだね。
そのためほう作をいのる祭りが各地に受けつがれている。
これは田うちとよばれる石川県で行われる祭り。
田の神様今日は田うちでございます。
今年もどうぞりっぱな収穫をあげるようお願い申し上げます。
一年の初めにたんぼにくわを入れ田の神様にほう作をいのるのだ。
次は福岡県に伝わる泥打ち祭り。
田の神様にふんした人に向かって泥をぶつけ泥がつけばつくほどほう作になるといわれている。
まちがいなし!ほう作まちがいなし!こちらは三重県の初穂曳き。
新米を伊勢神宮におさめる行事。
なんと米だわらを引くため全国からたくさんの人が集まるという。
米作り。
それは春によい種を選ぶことから始まる。
これは昔から伝わる塩水選という方法。
塩水にもみを入れてかきまぜしずんだもみを種にする。
実のつまったいい種もみだけを選ぶ方法。
続いてもみをまいてなえ作り。
発芽の様子を見てみよう。
もみは水をたっぷりとすい上げてどんどん大きくなる。
15cmほどになれば田植え用のなえの出来上がり。
一方たんぼでは水を入れ土作りが始まる。
これは代かき。
土と水をかきまぜ平らにすることで田植えをしやすくするための作業。
この時期南から北まで日本列島は水の国へと変わる。
5月は田植えの季節。
今は機械で植えるのが主流。
最新式を使うと1haのたんぼをたった1人で1時間半たらずでできるとか。
しかし田植え機がないころは…これはおよそ50年前の田植えの様子。
なえを植えるのは一つ一つ手作業で。
そのため地いきじゅうの人が協力して田植えを行っていた。
一年でいちばんいそがしい時期だったそうだ。
なるほど。
米作りってこうやって始まるんですね。
それにしても田植え機ができて本当によかったですね。
わたくし年のせいかこしがいたいもので手で植えるって考えただけでああ〜ぞっとしちゃいます…。
ところでみなさんこの田植えのあと稲はどんなふうに育つか知っていますか?そう!稲は2つの大きなてきと戦うことになるんです。
田植えのあと東日本ではさっそく第一のてきが稲をおそう。
やませとよばれる冷たくしめった風だ。
長い期間やませがふくと低温が続き米がとれなくなるという。
米どころの東北地方はたびたび冷害になやまされてきた。
気温が上がる夏は稲がもっとも成長する時期。
暑さは稲の成長に欠かせない。
もともと稲は南国生まれの作物。
暑さには強いが寒さには弱いのだ。
特に弱いのがくきの中にできているわかい稲穂。
15度以下の気温が続くと稲穂の成長がおくれ花粉を作れなくなるという。
ここでクイズ!正かいは…稲はふつう5cmくらいの水をはって育てる。
しかしわかい稲穂がある場所は水面から出ているため気温が下がると大きなえいきょうを受けてしまう。
そこで寒さから守るため水かさをふやし稲穂の部分をおおってしまうのだ。
空気にくらべ水は温度変化がゆるやかなため稲穂を低温から守ることができる。
古くから伝わる農家のちえだ。
なるほどね〜。
田植えから2か月。
ようやくさやの間から穂が出てくる。
8月には稲の花が。
さく時間はほんの数時間だけ。
この短い時間に受粉するのだ。
受粉するともみができその中でお米は1か月かけて成長する。
夏から秋にかけて2つ目のてきが。
それは台風。
このだん階で稲がたおされ水につかってしまうとこまったことが…。
せっかく実ったもみが発芽してしまいお米として食べられなくなってしまうのだ。
ここでたおされちゃうと1年間の苦労というのが本当に水のあわになっちゃいますから…。
ちょっときびしいですね。
農家がどんなに努力をしても自然の大きな力にはかなわない。
いつも自然とともに。
それが米作りだ。
自然って人間の思いどおりにはいかないですからね。
米作りはまさに自然とのたたかいなんですね。
では本日最後のトビラです。
実りの秋。
1粒のもみはさまざまな試練を乗りこえたわわに実らせた稲穂となったのだ。
さてこのもみについて…ここでクイズ!1粒のもみからいったい何粒のお米がとれると思う?正かいは…収穫の時。
春からスタートした米作りはようやく終わりをむかえる。
毎日稲の成長を見守ってきた農家の人の苦労がむくわれる喜びの時だ。
わたしたちのくらしをずっとささえてきたお米。
日本人にとって特別なそんざいだ。
お米ができるまでいかがでしたか?秋の収穫まで農家の人たちは本当に手間ひまかけて育てていたと思いませんか?どうです?そういえばわたくしもおばあちゃんからよく「ご飯粒!」と1粒のお米もむだにしないようにと言われましたね。
え?もう時間ですか?それではまた次回。
地きゅう上のさまざまな場所を2014/05/14(水) 09:30〜09:40
NHKEテレ1大阪
社会のトビラ「米作りの一年」[解][字]

日本の主食・お米。春の種選びから田植えを経て、冷害や台風を乗り越えて収穫を迎えるまでの稲作農家の1年を追い、お米の作り方と農家の人の米作りへの思いを学ぶ。

詳細情報
番組内容
日本人の主食として食卓に欠かせない米。日本各地にはその豊作を願ったり、感謝したりするお祭りが数多く残っており、米は日本文化にも大きな影響を与えてきた。日本人にとって特別な存在である米は、いったいどのようにして作られているのだろうか。春の種選びから田植えを経て、冷害や台風を乗り越えて秋の収穫に至るまでの米作りの一年を追いながら、おいしい米を作ろうと努力する農家の人たちの思いを描く。
出演者
【司会】温水洋一,【語り】服部伴蔵門

ジャンル :
趣味/教育 – 幼児・小学生
情報/ワイドショー – その他
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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