NHK高校講座 物理基礎「変化する速度について考える〜加速度〜」 2014.05.14

次の3つの映像をご覧下さい。
さてこの中で…
(黒田)こんにちは。
(熊谷)こんにちは。
バリバリの理系女子…現役高校生…今日のテーマは…熊谷君今の映像の中で速度が変化してるのはどれか分かる?う〜んとメリーゴーランドは同じ速さで回ってるだろうから答えは飛行機と電車だね。
う〜んホントにそれでいいのかな?速度が変化するってどういう事なんでしょうか?ポイントはこの3つ。
(ブツリン)まず最初のテーマはこちら。
今回速度の変化についてお話頂くのは田原輝夫先生です。
先生よろしくお願いします。
(田原)こんにちはよろしくお願いします。
前回は速度が変化しない運動について考えましたね。
等速直線運動という事でした。
今回は速度が変化する運動について一緒に勉強していこうと思います。
ところで熊谷君。
はい。
速度が変化する運動を選んでもらいましたけれども飛行機と電車この2つで本当に…ファイナルアンサーで。
でもね速度について聞かれてるから向きについても考えた方がいいんじゃないかな。
うん?そうか。
向きが変化してる事も速度が変化してるって事になるんだよね。
…って事はメリーゴーランドも向きが変化しているから全部って事?はい正解ですね。
この3つとも速度が変化する運動と考えていいですね。
実は…非常にたくさんの運動があるという事です。
そうですよね。
例えば鳥が飛んでる速度も魚が泳いでる速度も一定って事はないし向きも速さも変化しているから速度が変化してるって事になるよね。
速度が変化する運動っていうのはたくさんあるんですね。
ですから今日は直線運動に限定して詳しく調べていきたいと思います。
そこでまずはですね未来のトップアスリートの走りから見て頂きたいと思います。
熊谷君。
いやあのすいません。
僕のダッシュを見て下さい。
元気ないよ。
今回は…まぁ50mは6秒8ぐらいだから20mだったら3秒切れるんじゃないかな。
やけに自信満々じゃないか。
(ブツリン)それでは位置について用意…。
(号砲)記録は…熊谷君ご苦労さま。
いえいえ。
熊谷君の20m走の記録を使って速度の変化を調べてみましょう。
じゃあ黒田さんよろしくお願いします。
はい。
それにはグラフを作ってみる事が大切ですよね。
熊谷君の記録は3.5秒だったので0.5秒ごとに区切って位置を調べて速度を計算してグラフを作ってみたいと思います。
それではこちらをご覧下さい。
これは0.5秒ごとに止めた熊谷君です。
スタートした位置を0mとして0.5秒ごとに1.8m4.2mと位置が変化している事が分かります。
では熊谷君このパネルに0.5秒ごとに変化した位置が書かれてあるからそこから0.5秒ごとの速度を求めてほしいんだけど。
はい。
速度を計算するためにはまず何が必要かな?速度は…0.5秒ごとに移動距離が必要なんだね。
正解。
移動距離っていうのは…じゃあどうやって計算する?そうだね…。
位置は0mから1.8mまで移動してるから…速度はこの1.8を0.5で割るから速度は…次に1.8から4.2mまで移動しているから移動距離は…速度はまた0.5で割るから…。
熊谷君が計算したように移動距離2.4mを時間0.5秒で割れば速度は4.8m/sだね。
それを0.5秒ずつ計算すれば答えを導く事ができるね。
できました。
こうなります。
はい正解。
よくできました。
それではこの0.5秒ごとの速度をv−tグラフにしてみましょう。
こちらをご覧下さい。
この0.5秒間の速度は3.6m/sだったので…それを3.5秒間やるとこうなります。
あ〜ちょっとスピード落ちちゃったなぁ。
フフフフフ。
こうして一定の…いや〜0.5秒ごとに僕がこんだけ速度が変化してるなんて思わなかったよ。
そうだね。
でも今は0.5秒ずつって粗く測定して平均の速度を見たから階段のようなグラフになったけどもっと細かい時間で測定してv−tグラフを作ったらこんなふうになるんです。
うわっより分かりやすくなったねそうですね。
非常に短い区間を区切ってv−tグラフを作成するとだんだんグラフが滑らかになりますね。
そうすると瞬間瞬間の速度というのがグラフから読み取れるようになります。
こうして得られる速度の事を…日常生活では単に速度って言っても瞬間の速度を表している事が多いですよね。
例えば車のメーターを見て今時速60kmで走ってるとか言うけどあれってその車のメーターを見た瞬間の速度が時速60kmだったって事だよね。
あっそうか。
そうですね。
それから先ほどのグラフなんですがこのグラフから速度の変化のしかたまで読み取る事ができるんですね。
例えばこの辺りとても傾きが急なんですがこれは短時間のうちに速度が急に変化している事を表していますね。
そしてこの辺りを見て下さい。
ここは…では熊谷君いよいよ今日の本題加速度に入ります。
加速度?この運動の中で…加速って言うぐらいだから前半のスピードが速い所の部分なんじゃないかな?でもねそれが違うんだな。
加速という言葉からはスピードがだんだん速くなるっていうイメージが連想されますけれども実は…ですからスピードが速くなる場合もそうですしスピードがゆっくりになる場合も加速度運動と言っていいんです。
ですからこの一連の運動全て…このグラフもう一度見て頂きたいんですけれども最初の傾きが急だった部分速度が急に変化した部分ですがここは結果的に加速度も大きいという事になりますね。
そして傾きがなだらかな部分に関してはこれは加速度が小さいという事になります。
ですからv−tグラフの傾きの大小によって加速度の大小を読み取る事ができるんですね。
ここで…こちらの2つのv−tグラフは2人のドライバーAさんとBさんの運転の加速度運動の様子を表しています。
あなたはAさんとBさん…私は断然Bさんの車です。
v−tグラフから2人の加速度運動の様子を読み解くとBさんはスムーズに発進してそのあと速度を保っている事が分かります。
それに比べてAさんはいきなりスピード上げてと思ったらまた落ちてまた上がってもう考えただけでも酔っちゃいそうですよね。
医学的にはその乗り物酔いの事を…へぇ〜そうなんだ。
これから加速度について詳しく説明していきます。
分かりやすく言うと…そういう事を表す量なんですね。
それではこちらの車の速度を見て下さい。
スタートしてから速度が1秒ごとに2m/sずつ変化しています。
なのでこの場合車の…この単位のm/s/sというのは速度の単位m/sの1秒間あたりの変化なのでこのようになります。
これを短縮してこのように表します。
じゃあ熊谷君この車ここで加速度が変わって7秒後には18m/sになりました。
この3秒から7秒までの…えっと難しいな。
難しいかな?加速度は1秒間あたりの速度変化を考えなきゃいけないからこの場合は3秒から7秒までの4秒間。
その間に速度は6m/sから18m/sに変化しているからその差は12m/s。
なので12m/sを4秒で割って1秒あたりの速度変化を出す。
すなわち加速度は…今黒田さんにとても丁寧に説明して頂きましたけれども加速度の求め方を式で表すとこんな公式になります。
先ほど例に挙げた車の数値を当てはめてみると変化に要する時間が…その間に速度は6m/sから18m/sに変化しています。
すなわち4秒間の平均加速度は…じゃあ熊谷君の20m走の加速度も計算してみよう。
この加速度が大きかった部分と小さかった部分について計算してみようかな。
まず加速度が大きい方は0秒から1.0秒までだからこの間は1秒間。
次に初速度は0m/sだね。
そして最後の速度は5.4m/s。
つまり計算すると…これはね。
もう簡単だね。
公式に当てはめて計算すると加速度の違いを確かめる事ができました。
すっかり加速度の計算のしかたをマスターしてもらったところでもう一つ加速度の大事な点について説明しますね。
熊谷君の20m走ですけども最後の部分はこのように速度が減少していますよね。
こういう所で加速度を計算したらどうなるのか。
2.5秒から3.5秒の部分の熊谷君の加速度を今と同じように計算してみましょう。
2.5秒から3.5秒の1秒間の速度は7.2m/sから5.2m/sに変化しています。
計算すると…このように速度が落ちている時の加速度運動はマイナスの数値となります。
熊谷君は1秒間に−2.0m/sの加速度が生じたという事になるのです。
要するに…今日作るのはこれ。
ここに泡がありますね。
さて一体これはどうやって使うんでしょう?材料はこちら。
まず40cmくらいに切ったビニールチューブの端に椅子の脚のカバーをかぶせます。
この時水が漏れないようにするためにビニールテープを巻いて蓋がぴったりになるように調節します。
同じようにして反対側にもカバーをはめます。
ここで一旦片方のカバーを外しチューブの中に水を入れます。
この時水の量が大切です。
カバーをきっちりかぶせ水が漏れないようにしたらチューブの真ん中が上に来るようにして泡の大きさを確かめて下さい。
これくらいの泡の大きさが適当です。
厚紙に穴を開けチューブをひもで取り付ければ加速度目安計の完成です。
車に乗って使ってみましょう。
発進し加速度運動が起きると泡は進行方向に振れます。
減速すなわちマイナスの加速度運動が起きると泡は進行方向とは逆に振れます。
今日は加速度について学びました。
では熊谷君改めてこの冒頭の3つの映像のうち加速度運動してるのはどれでしょうか?加速度運動っていうのは速度が変化しているものだから正解はこれ全部だね。
そうだね。
正解は全部でした。
今回学んだ…例えば新幹線の場合加速度は比較的小さいんですね。
という事は速度がだんだんだんだん少しずつ速くなっていきます。
時間を十分かけて最終的には速度が非常に大きくなるという事なんですね。
このような加速度と速度の違いをもう一度皆さん考えてみて下さい。
次回も加速度が登場します。
次回も頑張りましょう。
それでは皆さんさようなら。
v−tグラフは速度の変化を表したグラフです。
瞬間の速度や傾きによる加速度の大小を読み取る事ができます。
平均の加速度は最後の速度vから初めの速度vを引いて時間tで割ると求める事ができます。
単位は…2014/05/14(水) 14:20〜14:40
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 物理基礎「変化する速度について考える〜加速度〜」[字]

身近にあるほとんどの運動が「速度が変わる運動」つまり加速度運動である。学習のポイントは1.速度が変わる運動を調べる 2.次々変わる瞬間の速度 3.加速度の表し方

詳細情報
番組内容
瞬間の速度の変化のしかたを表す加速度について学習する。また、速度が変わる運動のv−tグラフの描き方について学習し、v−tグラフから速度や加速度、移動距離など物体の運動に関するさまざまな情報が得られることを学ぶ。加速度の表し方「メートル毎秒毎秒」は大事なのでしっかり理解する。【講師】田原輝夫(東京都立城東高校教諭)【司会】黒田有彩、熊谷知博
出演者
【出演】東京都立城東高等学校教諭…田原輝夫,【司会】黒田有彩,熊谷知博

ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
趣味/教育 – 大学生・受験
趣味/教育 – 生涯教育・資格

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