臨場 2014.05.14

見てんじゃない!おいおばさん。
かわいいじゃない!返せ返せ!ちょっとちょっとちょっと…!見て!ねえ見て!え〜!見るんじゃないよ!待ってこれちょっと…イメージ違う!うわっ!ううっ…!うわっ…!ああっ…!
(うめき声)
(一ノ瀬和之)次背面。
(鑑識係員たち)はい。
(鑑識係員)せーの…。
背部に顕著な証跡はなし。
背面証跡なし。
(一ノ瀬)死斑が右半身に集中。
死斑右半身。
(一ノ瀬)その他背面に異状なし。
背面異状なし。
顔面のうっ血が強いですね。
扼痕が認められますしわずかに耳から出血がある。
扼殺と考えて矛盾ありません。
扼痕の角度から見て犯人は力の強い男でしょうね。
(大信田誠)なんでだよ?爪痕がここまで深く食い込んでるって事は犯人相当な握力の持ち主です。
酒に酔って帰ったところを一緒に侵入され背後から首を絞められたか…。
まあ店が荒らされてるし物盗りの仕業だろうな。
(倉石義男)違うな。
何?内部犯だ。
従業員それと辞めた奴調べろ。
内部犯?本部の名物検視官だかなんだか知りませんがね所轄をなめんで頂きたい。
何を根拠に…!?お月さんが逆さまだ。
お月さん?皮膚に食い込んだ爪の痕は普通ゆる〜い三日月のカーブを描くもんだ。
だがこの爪の痕は扁平…あるいは三日月の形が逆だ。
(大信田)それが何か?爪の中央部が窪んだいわゆる「スプーン爪」ってやつだ。
スプーン爪…?爪が変形する原因は様々だがその1つにアルカリ性の液体の影響がある。
表に剥離剤の缶がたくさんあるなあ。
こいつで仕事してた奴調べろ。
そいつが本ボシだ。
(花園愛)倉石さ〜ん。
荒川の工務店社長殺し本ボシ店員の少年で決まりですよね?決め手はなんだったんです?さあな〜。
とぼけてないでたまには大ネタつかませてくださいよ。
(愛)ねえ倉石さん。
(ため息)よくまあ毎度毎度恥ずかしげもなく色仕掛けが出来るわね。
若いうちしか出来ませんから〜。
大変よね。
実力がないぶん女を売りにしないと生きていけなくて。
あっスタミナラーメンください。
(店員)はい!スタミナ任せで生きていくようじゃ女も終わりですから。
ねっ?倉石さん。
かわい子ぶって世渡りしてたら30過ぎてドン詰まりよ。
ですよね?倉石さん。
ちっとは静かに食わせてくれ。
(愛)あっお疲れさまです。
(赤塚渉)おう。
荒川のヤマ…あれ容疑者取り調べ始まってから今日で3日だよな。
(愛)はい。
そろそろ何か動きがあってもいいんだがなあ。
ええ。
所轄の刑事課長の夜回りどうする?今日も私にやらせてください。
そうか。
じゃあ悪いが今夜も頼むか。
はい!特ダネ期待してるぞ。
期待に沿えるように頑張ります!
(赤塚)ああ。
フフッ…。
よし。
いってきます!
(赤塚)おう。
何かご用ですか?
(愛)ホスト皆川さん。
(皆川明)いやな呼び方するなよ。
なあ今日検視官に張りついてたろ?収穫は?情報交換ですか。
そっちのネタは?おたくが先だ。
じゃあお断り〜!
(大信田加奈子)今日もまた来てる。
うるさいハエ…。
(愛)20時37分。
20時37分夜回り開始…。
この爪が白状してんだよ!自分が殺したってな!物盗りに見せかけるなんざガキのくせに知恵使いやがって。
これ以上しらばっくれてなんの得があるんだ?え!?あっ!やっぱり今日も来た…。
(愛)留守宅専門ホスト皆川。
(愛)21時24分。
21時24分。
東都新報皆川記者訪問。
(大信田)殴る蹴るの扱いをされてたっていう事もな…。
誰にも相談出来なかったか…。
つらかったな。
だからって人を殺してもいいって事にはならねえんじゃねえか?
(三倉将太)もう…我慢出来なくて…。
まあゆっくり話聞かせてみろや。
(愛)23時40分。
やっとご帰宅。
(愛)お疲れさまです!大信田課長。
またあんたか。
毎晩ご苦労さんだな。
(愛)課長こそ。
あれっ?なんだか今日はご機嫌ですね。
何がご機嫌だよ。
着替えてまたすぐトンボ帰りだよ。
…って事は何か動きでも?さあな。
まあ今夜は署を張ったほうがいいんじゃねえかな。
署を…。
ありがとうございます!
(大信田)ハハハッ…。
加奈子…。
加奈子!
(大信田)加奈子?おい加奈子!
(大信田)加奈子!?加奈子!シャワーも浴びたし…。
もう寝よっか?歯磨いた?俺か?磨いたよ。
(携帯電話)…はい倉石。
臨場要請です。
迎えに行きます。
今どちらですか?おいおい今日は非番だろ。
緊急なんです。
場所は荒川東署の大信田刑事課長の官舎なんです。
官舎?課長の奥さんが遺体で見つかりました。

(パトカーのサイレン)立原。
呼んだのお前か?いや俺じゃない。
じゃ誰が俺呼んだ…。
(小松崎周一)私だ。
私が呼んだ。
あら…。
部長じきじきとはこれはまた恐れ入りました。
(小松崎)警察官の妻が殺された。
同じだなあの時と…。
始めるか。
(鑑識係員たち)はい。
身長…168。
168。
どらどら…。
死斑については指圧による症態顕著。
まだまだ新鮮だ。
死後硬直も肩までは中程度だがそれより下の各関節にはなし。
頭部は…所見触診ともに外傷はなし。
ただし前髪の根幹部分から毛先にかけてカーラーが1個外巻きに巻かれてると…。
頸部に索溝あり。
(カメラのシャッター音)総括する。
索溝は甲状軟骨の上縁頸部をほぼ水平に1周。
皮下出血吉川線が見られる。
索溝は深いが表皮剥奪はほとんど見られない。
しかし規則的な文様が見られるためロープ状のもので絞殺されたと考えて矛盾はない。
帳場を立てる。
事件番を招集しろ。
(刑事たち)はい!どうしたの?
(一ノ瀬)さっきから気になってたんですけど…。
りんごの匂いがしますね。
ほんとだ。
殺される直前に食べたのかしら。
違うな。
おいおい見てみぃ。
オオクワガタだよ。
(一ノ瀬)りんごを切ったのはこいつにやるためですか…。
イチなんで犯行は今夜だったんだ?えっ?またそんなのわかるわけないじゃないですか。

(一ノ瀬)「豊春キャンプ」…?「豊」は息子さんの名前でしょうね。
キャンプは明日まで…。
犯人は子供がいない日を狙って犯行を…?かもな。
だとするとこの家の事情をよく知る人物だという事になりますね。
ああ。
こいつが話せればいい目撃者になるんだけどな。
(坂東治久)夜回り開始が20時37分…。
(坂東)約1時間後に東都新報の記者が来てるな。
はい。
ホスト皆川です。
(江川康平)ホスト?
(愛)女専門留守宅専門。
(愛)いつも取材対象の奥さんから情報を聞き出そうとするんです。
大信田夫人にもうまく取り入ったみたいで…。
(坂東)家を出る姿は?
(愛)見ました。
もちろん。
でも…なんだか逃げるような感じでした。
22時3分に「張り中断」とある。
これは?
(愛の声)記者クラブから電話があったんです。
この近くで殺傷事件が発生したって。
(山田)「花園荒川北駅前に向かえ」はい?「殺傷事件があったらしい」「詳細は不明だが第一報だけぶち込みたい」「そっからなら5分で着けんだろ」わかりました。
すぐ行きます。
22時3分。
22時3分…張り中断。
…とその前に!
(愛の声)ドアに仕掛けをしておきました。
ドアを開けると葉っぱが落ちる仕掛けです。
こうしておくと離れた間に夜回りの相手が帰宅したかしていないかわかりますからね。
うちの社の伝統なんですよ。
おい。
今夜荒川北駅前で殺傷事件なんか発生してないぞ。
はい。
結局ガセネタだってわかってすぐに戻ってきました。
よくある事なのか?はい?夜回り中にガセネタが入るのは。
前にも何度か。
嫌がらせです他社の。
(坂東)官舎に戻ったのが24分後。
戻った時ドアに挟んでおいた葉っぱは?
(愛の声)元のままちゃんと挟まってました。
つまり私が離れてる間この家には誰も出入りしていないんです。
(坂東)その後23時40分に大信田課長が帰宅。
ともに死体を発見。
あの…ちょっとすいません。
トイレ行ってきてもいいですか?ずっと我慢してるんで…。
ああどうぞ。
すいません。
(神山)12階とも窓は全て施錠されてました。
玄関と窓以外に出入り可能な場所は?
(神山)ありません。
勝手口などもついていません。
つまりあの女記者が張り込んでいた間この家は…完全な密室だった。
その間出入りしたのはこいつ1人か…。
死亡推定時刻は22時前後。
訪問時刻とぴったり一致します。
東都新報の皆川か…。
(坂東)今から奴を連れてきましょうか?
(愛)警察官舎で密室殺人発生…。
今すぐ送信。
スクープゲット!
(手がぶつかる音)いったぁ…・。
まずいですよそれ。
ん?クワガタ。
いやいいんだよ。
起立!敬礼!休め!追跡班。
(山本)はい!皆川の状況は?全機捜隊に下命して捜査中ですがいまだ皆川の行方はわかっていません。
なんとしてもただちに捜し出せ。
はい!鑑捜査班はマルガイ周辺を徹底的に洗え。
特に怨恨の線!
(一同)はい!本件と工務店社長殺しとの関連は?
(野口)今のところ確認出来ていません!少年はすでに全面自供しておりますし…。
(坂東)管理官!地取り捜査から1件情報が浮上しました。
(大信田)俺がなぜ女房を殺すんだ!え!?ゆうべはずっとあのガキを取り調べてたんだ!大信田さん落ち着いてください…。
俺がどうやって…どうやって…どうやって殺すんだよ!?大信田さん。
昨夜の午後7時近所のそば屋がお宅に出前を届けていたそうです。
出前?しかし奥さんはそんなものは頼んでいないと言って出前を受け取らなかったそうです。
そば屋の店員によれば注文の電話は男の声だったそうです。
これまで似たような嫌がらせを受けた事は?わからん。
仕事仕事で最近は家にほとんど帰ってない。
でもよ刑事の家なんて大抵そんなもんだろう!?あんた…。
寝る暇惜しんで必死に犯人追いかけてその揚げ句に女房を殺されて犯人扱いされてりゃいいザマだ…。
(大信田のすすり泣き)大信田さん。
ホシは我々が必ず挙げます。
シュワシュワシュワシュワ…。
(一ノ瀬)はあ…。
検視官って歯がゆい立場ですね。
捜査が始まれば蚊帳の外で…。
でもその捜査は検視官の見立てをもとに行われるんじゃない。
いわば私たちは初動捜査の要。
だけどなんかこう…日が当たらないですよね。
日が当たる必要はねえ。
日陰のほうが伸び伸び生きられるってもんだ。
こいつどうも元気がねえと思ったら中の土がカラッカラに乾いてやがった。
クワガタの話ですか…?飼育ケースを日なたに置いちゃいけねえな…。
しかし気の毒ですね大信田課長も。
警察官が自分の奥さんも守れなかったなんて…。
なんです?小坂さん痛いですって。
一ノ瀬君てっきり知ってるんだと思ってた。
(小松崎)詳細が明らかにされていない時点でこのような記事にされては困りますね。
記事に偽りはありませんよ。
彼女が直接見聞きした事実をですね…。
今回の事件は我々にとって身内が家族を殺されたようなもんです。
興味本位の記事にして頂きたくない。
夜回り中おたくの携帯電話に連絡が入ったんでしたね。
荒川北駅前で殺傷事件が発生したというガセネタ。
その出どころは?その事でしたら私のほうで今朝確認とりました。
本社の代表番号のほうに匿名の通報があったとの事でした。
発信番号は?非通知だったそうです。
情報は社会部を経由して記者クラブの山田という記者に伝えられたんです。
あの電話が事件と関係あるとは思えませんけど…。
もう1点。
彼女の夜回りは信用出来るんですかね?はい?途中でよそ見や居眠りをしていた可能性は?あのそれって失礼なんじゃ…!花園の仕事ぶりだったら私が保証しますよ。
彼女は今契約社員ですけどもいずれ正規採用になろうって…。
とにかく真剣に仕事には取り組んでます。
(赤塚)そんな夜回り宅に不審者が出入りするのを見逃したりするはずありませんね。
またお話を伺う事になると思いますがよろしく。
キャップ。
ありがとうございます。
別に礼を言うような事じゃないだろ。
私キャップの下で働けてほんとによかったと思ってます。
大ネタあげて早く正社員になりますから!お前まだ17年前の事件に引っかかってるのか?…いえ。
俺はあの時お前の将来を買ったんだ。
部長には感謝しています。
おかげで今の自分があると思っています。
まあ誰にだって…悔いの残る捜査の1つや2つはある。
わかっています。
考えすぎるな。
17年前警察官の奥さんが通り魔に殺害された。
おんなじですね今回と。
100人態勢の捜査本部が立てられたけど有力な手がかりはつかめず事件は迷宮入り。
結局犯人は挙がらなかった。
その事件と倉石さんとどういう関係が…?一ノ瀬君倉石さんが独身なのは知ってるわよね?ええ。
奥さんずっと前に亡くなったって…。
亡くなったのは17年前よ。
まさか…。
殺された女性の名は倉石雪絵。
当時鑑識課員だった倉石さんの奥さんだった。
おたくじゃずいぶんと古風な事やってんだな。
あ…。
社の伝統ですからね。
その伝統誰が愛ちゃんに教えてやった?私です。
夜回りを命じたのもあんたか…。
それにしても三夜連続とはこりゃまたハードだね…。
手柄を立てさせてやりたくてね。
あいつなかなかね見どころがあるんですよ。
スクープに対する執念なんて半端じゃないですよ。
ねえちゃんも見かけによらねえか…。
あのね…あの…倉石さん。
今度の事件どう見てます?やっぱり東都新報の皆川が犯人だと…?なんでそう思う?犯行時刻にあの官舎に出入りしたのは皆川だけですからね。
彼が犯人としか考えられないなあ。
俺のとは違うなあ…。
違うんだよなあ…。
どういう事だ!?皆川の書いた記事がどうして夕刊に載ってる!?
(山本)管理官!皆川が出頭してきました。
(皆川)もうそんな怖い顔しないでくださいよ。
こうしてわざわざ自分から出向いてきたんですから。
お前自分が疑われているのを知ってて社にこもってたんだろう。
まずは記事を書くのが仕事ですからね。
それに僕は犯人じゃありませんしね。
会社ぐるみでケンカ売ってんのか?ええっ!おい。
あんたが官舎を訪問したのは昨夜の21時24分。
中に通されたのは21時29分だ。
夫人はなぜあんたを5分も表で待たせたんだ?知りませんよ。
あ…化粧でも直してたんじゃないですか。
化粧…?ええ。
出てきた時に派手な口紅塗ってましたからね。
花園呼べ。
髪型ですか?そうだ。
皆川を家に入れる時大信田加奈子はどんな髪型をしていた?いや…別に普通でしたけど。
ロングヘアーを普通に下ろしてました。
カーラーは…巻いてなかったか?いいえ。
おぉっ…なんて事だ!?あ〜大変だ。
おいこれ…つかまれ。
これ…なっ?引っかけて…体…。
自力で起き上がれ。
皆川記者釈放されたそうです。
そんな…。
取り調べ始まったばかりじゃないですか。
立原もバカじゃねえ。
気づいたんだろうよ。
お〜助かった…。
小坂…。
はい。
お前気になる男の前に出る時頭にカーラーなんか乗せとく?いいえ…。
大信田加奈子は記者の皆川を気に入ってた。
奴を家に通した時頭にカーラーつけてたとは思えねぇ。
でも彼女の死体…髪にカーラーが巻かれてた。
化粧っ気もなかった。
おそらくは皆川が家を出たあと化粧を落としてカーラーを巻いたんだろうよ。
つまり彼女は皆川が帰った時点ではまだ生きていた…?じゃあ犯人は一体…。
昨晩皆川の他には誰も家に出入りしてないんですよ。
それを証明すんのはなんだ?花園愛の夜回り…。
そして彼女がドアに挟んだ葉っぱです。
全く中途半端な密室だ。
なあ?じゃあ大信田課長の身上調査では…。
今のところ何も出てこない。
あとは夫人への怨恨の線だ。
それと気になるのが2本の電話。
そば屋の出前と新日にかかったガセネタだ。
…はい。
言っとくが今のお前の立場は検視官心得だ。
事件が気になるのはわかるが捜査に加えるわけにはいかないぞ。
わかっています。
でも自分も今度の事件で何か役に立つ事が出来るんじゃないかと…。
お前…聞いたのか?あの事件の事を。
はい。
立原さんも捜査に?ああ。
あいつと俺は同期だ。
約束したよ。
俺のこの手で必ずホシを挙げるってな。
だが俺は捜査の半ばで帳場を離れた。
当時一課の係長だった小松崎さんに昇任試験に推薦されてな。
仕方のない事です。
事情が出来て持ち場を外れるなんて…。
ああ…組織の中で生きていくためにはな。
だがあの時…倉石はさめた目で俺を見ていた。
17年たった今でも…あいつの目は同じだ。
(早坂真里子)なんでクワガタ持ち歩くかなぁ。
なんだか可愛くなっちゃってなぁ。
(真里子)変人…。
クワガタってのは案外不器用なんだ。
一度ひっくり返ると自力ではなかなか起き上がれねえ。
ひっくり返ったまま死んじまう事もあるらしい。
そんな時のために飼育箱には必ず木を入れとくんだ。
そうすりゃひっくり返ってもうまい事体を支えて起き上がれる。
本人に起き上がる気さえありゃな。
でこれ…義兄さんのクワガタなの?いやちょっと預かってるだけだ。
ふ〜ん。
じゃあちゃんと持ち主に返してあげたら?持ち主か…。
一ノ瀬君?どうしたのよ?今どこにいるの?今現場の官舎なんです。
何か拾い損ねてるものがあるんじゃないかって。
「今からすぐ来て貰えませんか?」拾い損ねてるもの?あれ?倉石さん。
キャップに用事ですか?今日は非番ですけど。
そうか…邪魔したな。
ちょっと待った!せっかく来たんですからネタでも置いてってくださいよ。
花園…。
はい。
お前はこの事件にこれ以上深入りすんな。
えっ?どうしてですか?お前はもう…事件の一部だって事だよ。
事件の一部…?倉石さん…。
一ノ瀬君?どこ?もしもし一ノ瀬君?何してるのよ。
表にいます。
ちょっと出てきてくれませんか?何よいないじゃない。
全くもう携帯切ってるし…。
なんなのよ…はっ!?一ノ瀬君…!すいません。
驚かせちゃいました?当たり前じゃない。
いつからそこにいたの?たった今です。
えっ?小坂さんを外に呼び出して…。
家が空になった隙に玄関から入り…。
ここに隠れたんです。
事件直前のそば屋の出前ってこのためだったんじゃないでしょうか。
大信田さんの奥さんを外に出して家に侵入するため?多分…犯人はずっとここで犯行のチャンスを待っていたんです。
お気をつけて。
ありがとうございました。
そして皆川記者が帰ったあと…。
(一ノ瀬)化粧を落とし再びカーラーを巻いた加奈子さんを…。
背後から近づき首にロープ状のものをかけ…絞殺した。
なるほどね。
あとは犯行後犯人がどうやってドアの葉っぱを落とさずに家を出たのか。
それがわかれば…。
その事なんだけど…。
いいわよ。
これが真相なんじゃないかしら?お前が事件の一部…倉石そう言ってたのか?はい。
さっぱり意味がわからなくて。
(愛)すいません非番の日に押しかけたりして。
あ〜いやいや…構わんよ。
(赤塚麻美)どうぞ。
(愛)ありがとうござい…。
(麻美)和夫!庭でボール蹴らないの!まあ…何を考えてるかわからん男だからなあいつは。
あんまり気にするな。
はい!和夫君サッカー好きなんだ?
(愛)ふふ〜んそっかそっか。
2人とも早く早く!あれ…そういえば和夫君今日学校は?
(坂東)管理官!荒川東署は以前連続強盗犯の冤罪事件をマスコミに相当厳しく糾弾された事があります。
当時担当の捜査主任が大信田さんだったそうです。
あれはかなり厳しい糾弾だったな。
その口火を切ったのは新日新聞です。
加奈子夫人はその事で新日に対する強い怒りを周囲に漏らしてたようです。
大信田加奈子と新日との間に何かトラブルが…。
悪かったな急に呼び出して。
あっいや…どうもどうも。
釣れねえみたいだな。
あっはは…。
そのうち釣れますよ。
待つのは得意です。
けどよ…初めてだったろ?クローゼットの中で待つのはよ。
…なんの話です?あんたあの晩…そば屋の出前を利用して家に入った。
花園が夜回りに就く前に…。
大信田さんの奥さん殺したのが私だと?違うか?新聞社の代表番号に電話をしガセネタを送ったのもあんただ。
(うめき声)大信田加奈子を殺した直後にな。
ガセネタは社会部と記者クラブを経由し花園に届いた。
夜回り宅を離れる際花園は…ドアの隙間に葉っぱを挟んだ。
あんたが教えた通りにな。
あとは簡単だ。
落ちた葉っぱを拾い元に戻して立ち去った。
密室の一丁上がりだ。
新聞社に入った電話…発信番号は非通知だったそうだな。
だが同時刻にあんたの携帯が発信されていたかどうか調べりゃすぐにわかる。
ついでにそば屋に入った電話も調べさせるか?あの女…新日の記者を憎んでいたんです。
昔我々が荒川東署の冤罪を糾弾してからずっと…。
3年前…彼女は「旦那から聞いた情報だ」ってある殺人事件のスクープネタを私に提供したんです。
でもそれはガセネタでした。
あの女の報復だったんですよ。
そんな事も知らず大得意になって記事にした私はいい恥さらしでした…。
会社での出世の道も閉ざされてしまった。
だが…動機はそれだけじゃなかったはずだ。
(愛)和夫君の事ですね?
(赤塚)花園…。
今日和夫君が家にいるのが不思議でした。
平日なのに学校はどうしたんだろうって…。
その時思い出したんです。
キャップの机の上の写真を。
私被害者の家で同じ制服を見たんです。
和夫君と被害者の息子さんは同じ小学校に通っている。
なんだか不安になって学校で確認してきました。
和夫君の不登校の原因はクラスでのいじめだったんですね。
いじめグループのリーダーは大信田加奈子さんの息子豊君だった。
大事にしてたクワガタも取り上げられたんだろうよ。
それが現場にあったあのクワガタだ…。
どうしてそれを?あの虫カゴ…土も止まり木も理想的なものがしつらえてあった。
だがなぜか日の当たる場所に置かれてた。
飼い方知らねえ証拠だ。
きっとクワガタはホトケの息子が誰かからもらうか取り上げたかしたんだろ。
そう思った。
母親のせいです。
あの女は我々の事ハエって呼んでた。
ハエ…?
(赤塚)ああ。
新聞記者はうるさいハエだって…。
ある事ない事勝手に記事にしたのはあなたでしょ。
(加奈子)私は嘘なんかついてないわよ。
よくそんな事が言えるな。
あんなガセネタつかませといて。
家の周りをしつこくウロチョロウロチョロ…。
まるでハエだわ!
(赤塚の声)あの女の息子はそんな母親の姿を見てたんでしょうね。
和夫の事学校でなんて言ってたと思います?「ハエの子は汚いウジ虫だ」って言ってたそうです。
(大信田豊)ウジ虫。
(子供たち)ウジ虫!ウジ虫…!
(赤塚)挙句に飼ってたクワガタを取り上げられて和夫は不登校になってしまった。
大事に大事に可愛がってた大切なクワガタでした。
「何があったんだ!?」って問いただして私は初めて知ったんです。
あいつが大信田加奈子の息子にどんなひどい目に遭わされてたか…。
言い分はそれだけか?キャップ…自首してください!無理そうだな。
赤塚さんご同行願います。
(愛)待ってください!キャップは今自首しようと…。
我々にとっては身内の女房が殺された!ケジメはきっちりつけさせてもらう。
キャップ…。
倉石さんもそうなんですね?警察官の奥さんが殺された。
やっぱり許せないんですね?殺されたのがサツカンの妻だろうがなんだろうが違いはねえ。
俺は根こそぎ拾ってやるだけだ。
お前は利用されたんだ。
恨むか?あいつを。
私に仕事のイロハを教えてくれた。
それに…初めて認めてくれた人です。
ならお前が書け。
ブンヤを本気で続けたいなら…覚悟を決めて記事にしろ。
赤塚キャップの息子さんに?うん。
持ち主に返してやってくれ。
あの子記事書いたんですね。
自分も一部として利用された上司の犯行を。
過酷なもんですね。
記者の仕事も。
そうだイチ…。
赤塚の息子に伝えてやってくれ。
この木が大事なんだってな。
木?うん。
これがありゃ何度ひっくり返ったって自力で起き上がれる。
その気さえありゃな。
2014/05/14(水) 16:00〜16:58
ABCテレビ1
臨場[再][字]

「眼前の密室」

詳細情報
◇番組内容
臨場とは、事件現場に臨み、初動捜査に当たること。遺体や現場に残された物証から、事件の筋立てを読む検視官・倉石義男は、優秀だが死者の声をすべて拾えれば周囲との軋轢など気にしない組織の厄介者。「拾えるものは、根こそぎ拾ってやれ」彼の死者に対する悼み方、優しさが死因を追究し事件解決へ導く。
◇出演者
内野聖陽 松下由樹 渡辺大 伊藤裕子 京野ことみ 金子さやか 橋爪淳 伊武雅刀 高嶋政伸 ほか

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
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日本語
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